四国お遍路・小さな旅

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第 9回 伏拝王子~熊野本宮大社

2020年11月10日 | 熊野古道(中辺路)散歩

 

 

伏拝王子跡

 

 京の都より長く厳しい道を歩いてきた熊野参詣者が、熊野三山巡拝の最初の目的地である熊野本宮が、遥か彼方の熊野川の中州に鎮座する光景を目の辺りにして、感動のあまり「伏して拝んだ」といわれる。

 また、この王子社には熊野本宮を目前にして、にわかに月の障りとなり、参拝を断念しようとした女流歌人・和泉式部を、熊野権現が快く受け溶れたという伝説もあるそうだ。

 

 

 伏拝王子の石祠

 

 

和泉式部の供養塔 

 

和泉式部の歌

 晴れやらぬ 身の浮き雲の たなびきて 月の障りと なるぞかなしき

 

 王子社跡から熊野本宮を望む。写真の右中の白い点に見える所が本宮の旧社地「大斎原」らしい。

 

 伏拝王子跡から三軒茶屋跡に向け、地道の古道に入る。

 爽やかな緑に囲まれた、緩やかな下り道が続いて行く。

 遠くに見えるは熊野古道小辺路ルートの果無山脈。

 

 

 

三軒茶屋・九鬼が口関所跡

 

 三軒茶屋跡は、熊野古道小辺路との合流点、関所があったと伝えられている。

 

 

 

祓殿王子跡

 

 現在の熊野本宮にほど近い所に、ご神木に守られるように立つのが祓殿王子社だ。

 本宮大社の旧社地「大斎原」までも数里しかなく、他の王子社とは異なり参拝の直前に身を清める潔斎所としての性格を持っていた王子社と見られているようだ。

 

 

後鳥羽院の歌

 はるばると さかしき峯を分け過て 音無川を けふ見つるかな

 

 

 川を渡ることが禊。潔斎や垢離。

いよいよ聖地大斎原へと入る。

 

 

 

 

大斎原

 

 大斎原は、熊野本宮大社の旧社地。

 熊野本宮大社は、かつては熊野川・音無川・岩田川の3つの川が合流する大斎原と呼ばれる中洲にあった。およそ1万1千坪の境内に五棟十二社の社殿、楼門、神楽殿や能舞台など、現在の数倍の規模だったそうだ。

 

 

 ところが、明治22年(1889年) 8月の洪水により、大斎原にあった熊野本宮大社の社殿の多くが流された。

 

 大斎原には、流失した中四社・下四社をまつる石造の小祠が建てられている。

 

 

 

熊野本宮大社

 

 全国の「熊野神社」の総本宮にあたる熊野三山。

 三山の中でもとりわけ古式ゆかしい雰囲気を漂わせるのが、聖地熊野本宮大社だ。

 古の都・京都から、長い道のりを歩く熊野詣。厳しい中辺路を経て、最初にたどり着く聖地。

 現在の熊野本宮大社は、大斎原にあった社殿の流失を免れた上四社3棟を明治24年(1891)に現在地に移築・再建したのだそうだ

 

 

 

 

熊野本宮大社 社殿

 門をくぐって、向かって左手の社殿が牟須美(むすみ)・速玉(はやたま)の両神。中央は主神の家津美御子神(けつみみこのかみ)。そして右手は天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られている。

 

 

 

湯の峰温泉郷 つぼ湯

 

今宵は温泉で疲れを癒そう・・・

 

 

 

次回は熊野速玉大社から

 

 

 

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