5月11日(日)、奈良女子大学記念館にて、奈良日仏協会 創立20周年記念式典・講演会が開催され、その中でピアノ演奏をします。
演奏曲目
武満 徹: 雨の樹 素描Ⅱ
三善 晃: アン・ヴェール
ラヴェル: 洋上の小舟
ドビュッシー: 亜麻色の髪の乙女 沈める寺 花火
(奈良日仏協会会報 「Mon Nara」3-4月合併号より)
武満 徹 (1930-1996)の「雨の樹 素描Ⅱ」は、メシアンに強い影響を受けた武満が、1992年オリヴィエ・メシアンの追憶のために作曲したものです。格調があり精神的な宇宙世界を創り上げています。
三善 晃 (1933-2013)作曲の「アン・ヴェール」は、「韻文で」という意味です。緩ー急ー緩からなり、鋭いリズムや12音技法的な中にも、日本音階が随所に鏤められどこか懐かしさが感じられます。詩的な情緒漂う優しさがあり、三善 晃のピアノ曲の代表作となっています。アンリ・デュティユーにも学び多大な影響を受け、近代フランス音楽の影響を強く受けながらも、現代音楽を推進させました。
モーリス・ラヴェル(1875-1937)作曲の[洋上の小舟」は、「鏡」の第3曲です。大海原での波のうねり、その中で一艘の揺れる小舟の光景がラヴェルの心のなかで映されたものとして描かれています。
クロード・ドビュッシー(1862-1918)作曲の「前奏曲第Ⅰ集」より、可憐な美少女の肖像を美しいメロディーで描いた「亜麻色の髪の乙女」、ブルターニュ地方の海にのみ込まれた寺が時々海上に浮かびあがっては、また海底に沈んでしまうという伝説から着想された幻想的な「沈める寺」、「前奏曲第Ⅱ集」終曲より、パリ祭の夜空を輝かせる「花火」。最後は静かに遠くからフランス国歌「ラ・マルセイエーズ 」が聞こえてきます。
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