本日のデータレコーダーテスト用機体はMSX2(FS-A1MK2)です。
MSXやPC-8801は機種が多すぎて何が何やらサッパリ分からないのですが
幸いにも手持ちに1台あったので、整備してみようかと思います。
●特殊な電源アダプターを自作してみる。
このMSXの電源アダプターは特殊で、DC9Vと、AC18Vが同時に出ているんですよね。
なんで交流なんて要るのかと調べていると、交流から+12と-12Vを作りだしている様です。
一時、普通のACアダプターをMSX用に改造する動画などが有ったようですが
色々問題があったのか、自分が見つけた時には既に削除されていて見る事が出来ませんでした。
「自分でも作れないかなぁ~」と原理を色々調べてみるものの分からず。
電源廻りは下手に触ると火災の原因にもなるので、アダプターの改造は安全の為に断念しました。
他にもMSX用外部電源ユニットの同人ハードとか出ていて電源が壊れても使える安心感は有難いですが、
同人ハードは一期一会で、欲しい時に買えない事も多いのが残念な所ですよね。
今は仮に動けば良いと言う事で更に検索していると
どうやら+9Vだけでも動くらしい。しかし3本入る特殊なアダプター端子が無いんですよね。
有るか無いか分からないアダプターの端子を探しにジャンク屋を駆けずり回ったり、
端子の為だけに合うか合わないかの別のアダプターを買うのもアレなんで、結局アダプターの端子は自作する事にしました。
妄想としては 「金属端子を突っ込んでグルーガンで固めて引き抜く!」 シンプル!
頭の金具だけ欲しかったのですが適当な物が見当たらなかったので
バッテリー等に使われる電源用かと思われるコネクターを購入。
そして分解して金具だけ取り出すw
何か良い素材は無いものでしょうか?
そのままでも大丈夫かもしれませんが、念のため絶縁板を挟んでおきましょう。ただのプラ板です。
一度バラしてから、端子(本体側)にワセリンを塗りたくります。
過去記事のコントローラーの改良に使用した「ワセリン」ですが、何故だか最近「引っ付かない安全な素材」としての出番がw
引っ付かない様にする為なので、プラにダメージの少ないシリコングリスかラバーグリスとかでも良いかと思います。
再び端子を刺した状態からグルーガンを流し込むだけ。
根本の方にまで行き届く様に注意して、ドロドロの内に押し込む様に埋めて行きます。
カチカチに固まるまで、そこそこ時間を置いた方が良いと思います。
コード部分は熱収縮チューブを重ねて耐久性を上げておきました。
引き抜いてみるとホボ理想形に仕上がりました。ただ、もうちょっと絶縁板が短い方が良かったみたいorz
抜き差しも割とスムーズですが、なにせグルーガンなので耐久性はかなり低いと思われるので、普段は刺しっぱなしでも。
どの道アダプターを汎用にするので電源はそちらで脱着。
思ってたより簡単にカプラー完成♪
色々探さずに、最初っからこの方法でいけばよかった。
問題無く動いてそうです。
このままディスクドライブを付けてみても普通に起動してます。
FDDが外部電源なので結局自分には交流18Vは必要なかったと言うオチでよろしいですか?
●MSX2がお亡くなりになりましたか?orz
中を掃除してたら、何かが転がってきた...
ぎゃ~っす!コンデンサが液漏れ&腐食で脆くなってた様ですorz
中古の電解コンデンサを付けて電源を入れ直してみると、黒い画面が一瞬点く感じにはなるけれど黒いまま。
「壊れたぁ~!!」iiiorziii
電源ランプは点灯してるので、中のレギュレータが飛んだとかではなさそう。
コンデンサが取れた個所が何なのか調べてみると、どうやらコンポジット&RF表示やら音声やらの回路らしい。
と言う事は、表示以外は動くのか?って事でカセットを差し込んでボタン連打で適当にスタート。
おぉ~音声は生きてるっぽいから、その他も大丈夫そう?
ハッキリ言って、この上乗せ基板回路全てが腐食気味で、丸々交換したいぐらい。
しかし、どっかのブログの修理過程をみてみると、チップ抵抗やらIC交換しても上手く映らなかったりで大変そう。
コンポジ関連の回路なら、RGBだったら関係ないのかな?
と言う事で、X1で表示可能なカーナビモニターへの接続を試みる。
同期信号が複合同期なので、X1と違ってストレートで繋ぐだけで良さそう?
ん~、この「カーナビRGBモニター(15kHz)」が意外に役に立ってるw
普通に15KHZを映せるモニターがある人には必要無いのでしょうがC-SYNCなので、分離回路が必要なくて良いんですよね。
X1みたいにHとVが分かれてるやつも、簡易的に合成が可能なのでソニーのAVマルチ端子付きのTVと同じ様に扱えます。
●MSX2(Panasonic A1mkII)の延命処置
コンポジットが映らなくなってから1年ほど放置していました。X1Cイジリが楽しくて楽しくて...
再度現状を確認しておきましょう。
RGB出力よりカーナビ15kHzモニターで表示されますが、RFやコンポジット出力では表示されません。
出来れば修理したい所ですが、電解コンデンサを交換しても映らなかったので、どうすれば良いのやら...
今はコンポジット表示の所だけ電解コンデンサを交換しただけで
このままだと、このMSXも寿命を待つだけになりそうなので全ての電解コンデンサを交換しておきましょう。
○分解手順メモ
・裏面の4本のネジを外すと表のカバーが外れます。
・キーボード左上のネジを外すして、右側のキーボードフレキ配線を抜きます。
・メインボードのネジ(端子部分も含む)を全て外します。
・バックアップ電池の端子が付いてるので、基板を持ち上げつつ、端子を引き抜きます。
・メイン基盤が取れたあとはヒートシンクを外さなければ全ては見れません。
・レギュレータらしき部品のネジを外して、基板裏側のヒートシンク止めを捻じって外します。
・ヒートシンクが外れたので作業開始
・完了!!
コンポジット基板は既に映らなくなっているので怪しいですが、
最初に取れてしまったコンデンサ以外のコンデンサも交換して基板洗浄をしてみました。
パターンが剥がれて酷い状況です。
キーの反応も鈍いので少し掃除しました。(それでも渋いキーが残ってました)
アダプターが出て来たので電解コンデンサを交換しておきましょう。後付けFDD用のもついでに。
まぁ、一通り整備が終わったので動作テストです。
コンポジット:映りません。
RF:映りません。
XAV-2s:問題なく表示されます。
ナビモニター:問題なく表示されます。
ん~RGB以外の表示が出ないのは残念ですが、現段階の自分の腕では復活は難しそうです。
RGB表示が出来ているので、特別困る訳ではないのですが何となく動かないのは気になりますよね。
暫くナビモニターで我慢しましょう。
●MSX2(Panasonic A1mkII)のコンポジット出力を修理。
前回の整備から半年ほど放置していたのですが、データレコーダーのテスト用に再整備してみます。
レストアレベルもそこそこ上がってきた気がするので、再びRFコンポジット回路の修復を試みてみましょう。
この基盤は電解コンデンサの液漏れがあり、壊れてしまう事が多々ある様です。
丁度ヒートシンクの真下で熱源に近いので、早くにお亡くなりになる可能性。
一応導通は確認したつもりでしたが、腐食によりハンダが侵食されて見えない導通不良があるんじゃないかと思い
基板を外して徹底的に洗浄しながらハンダの盛直しをしてみましょう。
これ、基板に付いたままコンデンサを交換しようとすると、ヒートシンクを外す必要があって大変でした。
しかし、基板の足を外してしまうと、ヒートシンクはそのままでゴッソリ外れるので、こっちの方が断然楽だったと言う...
まぁ、過去に開けた時はハンダ吸い取りのスッポンを持ってなくて、ハンダコテも安物。
吸い取り線の扱いも怪しい腕だったので基板外すのも大変だったからなのですが。
綺麗に盛る事が出来ないので、ちょっと大盛り目でw
ICの足を特に念入りに盛りなおしてみました。
いざ、スイッチON!!
うわぁ~いいういいいい!!!11!RFコンポジット回路復活したぁ!!
と思ったら、何故かボタンを押した途端にフリーズする...
「本体壊したぁ~~~~~」orzorzorzorzorzorzorzorzorz
トリトーンの場合、タイトルは普通に動くのだけれど、スタートした瞬間コウモリも自分も動かず音も出ない。
内蔵システムもMSXの文字が出てメニューまでは行くのだけれど、何かボタンを押した瞬間反応がなくなるorz
キーボードが悪いのかと思って、差し替えてみるも変わらず。
外したまま起動しても同じなので、どうやら原因は別の所にありそうです。
まぁ触った所は例のボードしかないので、再び外します。
どうも気になってたのがこのボードが若干反ってる感じで、そのせいで何処かのパーツが接触不良になってる可能性。
ハンダが綺麗に乗らない所も結構あるので、もう一度ハンダを盛り直して動作確認。
「ふぃ~」何とかキーが効くようになりました、何だったのだろう....
今の自分のスキルレベルでは、この基板やその他のパーツを交換する事は難しそうなので一旦保留。
しかし、このまま行くと何時かはまたダメになると思うので
チップ抵抗やチップコンデンサの交換も容易に出来る様に、日々スキルアップに努めたいですね。
●MSX2(Panasonic A1mkII)のコンポジット出力を修理。その2
一応映ってはいるのですが、かなり危うい状態。
いつかは壊れてしまうと思うので、少々危険ですが原因追及の為に通電しながらのテストです。
各パーツを竹串で小突いてみるも、特に変わらず。接触不良だったらこれで反応あっても良いと思うのですが。
基板自体を軽く押さえると画面が消えた...
基板の端子は全く問題無さそうなのですが、液漏れでハンダが弱っているのと合わせて
基板が反り返っているのが一番の原因な気がします。
とか書いてた矢先、ブログ書きながらテストしようと思ったら、またもやコンポジットで映らずorz
前回の修理から半年ちょっとは経っていると思います。
もう何度目だろう....
しかし、今回の自分には新しいハンダコテと、PC-98の表面実装コンデンサを換装した経験値があります。
映像廻りのチップコンデンサと、チップ抵抗を外して掃除して付けてみるも変わらず...
左の写真の辺りを押さえると映像に変化があるので、この辺りなのは間違いありませんが
写ってる範囲のパーツは、あらかた掃除して付け直したんですけどねぇ...
「もうICしか残ってねぇ!!」
って事で、初めて表面実装のIC脱着に挑戦です。
新しいコテとコテ先(K型)が表面実装のICと、すこぶる相性がイイ!!
無事に綺麗に剥がせました。足回りはコテコテなのでICの足は軽くペーパーをかけます。
ICの端子部分は軽く削ってハンダでメッキしてから取付っ!!
やっと直った~~!!!!
修理完了記念で、久々にアレスタを起動しました。
●MSX2(A1mkII)でデータレコーダーのテスト
本当の目的はコレなんですけど、修理に手間取り過ぎましたw
カートリッジがあるのに、ワザワザデータレコーダーで遊ぶ人は少ないと思いますが
FDDが無いモデルだと、プログラムの保存などには結構便利だと思います。
本日の動作確認デレコは、AIWAの「DR-20」です。
DR-2の後継機で、通常音声を聞けるphone端子がついていて機能的には結構良いと思うのですが
見ため的なのかカラーリングなのか、DR-2の方が人気あるんですよねぇ。
どちらもデータ用の基本音声は波形整形されている為、X1ではロードテスト出来ませんでした。
入手したゲームはハイドライドです。全体的にボロボロで送料の方が高いパターンw
無事に起動しました、カセットもデレコも本体も大丈夫な様です。
MSXにはカセットテープを倍速で読み込む機能が付いている機種もあり
標準では1200ボーである所を倍速再生する事で2400ボーで読み込めるらしいです。
対応するデータレコーダーが必要で(本体も?)、データレコーダーを倍速設定にしておくと
勝手にMSXが倍速に合わせて読み込んでくれる様です。
X1の2700ボーは通常の回転速度でデータを詰め込んでいる形なので、読み取りヘッドと波形の正確さが必要ですが
ある意味こちらの倍速再生は、機械的な精度も求められる事になりそうですね。
実際にハイドライドでロード速度の違いを計測してみました。
モニターをONの状態にして、最初の音声が聞こえてからスタートです。
○ノーマル時間:
音声のスタートから枠描画まで:約1分50秒
枠描画からゲームスタートまで:約3分30秒
合計:約5分20秒
○倍速時間:
音声のスタートから枠描画まで:約53秒
枠描画からゲームスタートまで:約1分44秒
合計:約2分37秒
倍速付きデータレコーダーが人気な訳ですね...
●まとめ
今見返すと「色々とショボイ事をやってるなぁ~」って感じですが
当時の自分(約2年ぐらい前)の身の丈にあった整備だったとも思いますね。
色々な経験値を積んだ結果、やっと最近修理出来るまでになりました。
MSXも多分に漏れずコンデンサの液漏れがありました。
この機種(National A1mkII)では特に表面実装の固体コンデンサの液漏れが多い様で、
RFコンポジット表示や音声出力に不具合が出る事が多い様です。
普段からRGB表示している場合は気が付くのが遅れる可能性があるので、現状動いていても早めの整備をおすすめします。
まだFDDドライブの整備などもしていないので、MSXも追々触って行きたいですね。
本体が軽い上に比較的小型で扱いやすいのですが、RGBが複合同期ってのが少し自分の環境に合わない感じ
同期分離回路を作ってみたいとか色々妄想先行で中々進まないのは、この世界の常なのでしょうか?
流石ホビーパソコンの王者だけあって、色々な機種や情報が溢れ返っている為
昔の改造本(要するにバッ活など)を見て色々いじくるのが楽しそうな機種だなぁ~と言う印象でした。
ネットでは特に「にが」さんのサイトのハード面の情報が凄く、検索をかける度にちょくちょく訪れる事になり色々楽しめますね。
普通に使う分には仕様が分からずに苦労する事は無さそうです。
しかし、それだけ人気機種でもあるため最上位機種や一部のソフト等は価格が跳ね上がってしまっていますね。
turboRや2+などは、お高くて手が出しにくいですが、MSX2なら特殊な電源アダプターが無いものは比較的安価に入手出来るので、
自分でアダプターを作って遊んでみては如何でしょうか?
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