「ちまちま」のゲーム日記。

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X1Cカセットデッキ修理-その6

2017年10月15日 08時02分03秒 | レトロゲーム

X1マニアタイプの修理をしていた時に少し気になった事があったので再びX1C (CZ-801C)です。

X1マニアタイプのテープエンド判定時、カセットは止まっているのにも関わらず
巻き取り駆動用のベルトとプーリーは回り続けている状態になっていました。
X1マニアタイプのテープエンド判定は正常だったのでX1Cでテープエンド判定が正常で無いのは
この辺りがオカシイからかな?と。

写真はマニアタイプのカセットドライブです。
赤丸の「金色の円盤」がフロント側(巻き取り軸を回すゴムリング)に繋がっている軸部分で、
白いプーリーはバネの力で金色の円盤に押さえつけられているだけです。(軸部分は繋がっておらず空回りする。)
プーリーと円盤の間にはフェルト生地の様なものが挟まっていて、一定のグリップ力を保っていてる様です。
巻き取り軸に荷が掛かると(テープエンドで金色の円盤が止まると)白いプーリーが空回りしてモーターの動力を逃がします。

X1Cには金色の円盤の様な物はありませんでしたが、似たような機構があるのかどうかを見ていきたいと思います。



●X1Cのテープエンド判定機構

マニアタイプとは見た目は全然違いますが、何度も見てきたデッキなので大体の想像はついていました。

X1Cの場合、コードの長さやカセットの固定などの関係で、実際に動かしながら裏面の動作を見るのが中々難しく、今まで気が付きませんでした。
見るからに、それらしいバネが有りますよねw

何とか動かしながら裏を見れる状態にして、巻き取りプーリーにだけ注目して見てみると
テープエンドになると巻き取り用のプーリ自体が停止してしまって、そこにかかるベルトが滑る状態になっています。
これ、ちょっとオカシイですよね。プーリーのベルトが滑る前提なんて...

とするとX1Cのプーリーにも本来、マニアタイプ同様の
クラッチ機構(荷がかかるとワザと滑ってプーリーが空回りする構造)が、あるのでは無いか?と思いました。

マニアタイプの巻き取り用プーリーは押さえると動くのでクラッチ機構が分かりやすかったですが
X1Cの場合、バネが外側に付いている為、どうやら引っ張るとフリーになる様です。
クラッチ板に当たる部分が内部に隠れてしまっている為、全く気が付きませんでした。

赤丸が巻き取り駆動用の動力伝達プーリー。緑丸のバネでプーリーを押さえつけています。
プーリーのスグ下にはマニアタイプの金色円盤と同じ様に軸に繋がった円盤が隠れています。

ベルトのグリップ力が低いかクラッチ機構が固すぎると、このクラッチ機構が作動しない為
プーリー上でベルトが滑り、他のプーリーでも滑りを誘発するのか回転速度が極端に落ちる為に
テープエンド判定が遅れる又は判定してくれない原因になっているのかもしれません。
X1Cのテープエンド判定機構と言えばこの場所ですね。

テープエンド判定のプーリーはベルトがかかっているので常に回転しているのですが、
テープエンド状態になって一定回転するとスイッチが入り、自動で読み取りヘッドを下ろして停止します。
ベルトの滑りにより、その一定回転に達するまで時間がかかってしまっている(もしくは回転しなくなっている)感じでしょうか。



●クラッチ機構のグリスアップとベルトの交換

クラッチの当たり面自体をグリスアップしてしまうと、通常時も滑ってしまう可能性がある為
プーリーの軸だけグリスで拭いて、クラッチ板とプーリー面は清掃スプレーのみに留めます。
何度もクラッチを切り離して軽く動く様にする必要があるのですが
バネが結構硬いので動かす時にプーリーが割れてしまわないか心配でした。


折角バラしたので、ベルトを違うものに交換してテストしてみましょう。
モーターからのフライホイール間の最終型自作ゴムベルト(天然ゴム系)でも特に問題なかったのですが
ゴムシートからの切り出し平ベルトは作り変えが結構面倒なので
以前入手した応急修理用のゴムバンドベルトを試してみます。
こちらも天然ゴム系で耐久性はありませんが切り出し自作ベルトよりもマシだと思われます。


写真右が新たに作ったゴムバンド平ベルトで
折り幅100mmのゴムバンド(ダイソーにて購入)をX1マニアタイプ(CZ-800C)同様に縦割りしました。

再度、各部グリスアップと清掃。
そして組みなおして動作テストしてみると

「うぉ~!テープエンド判定がめっちゃ早くなった!」

さらにもう一つの不具合「テープエンド判定後にさらにエンド方向に送るとバグる」症状も無事に改善。
やはりベルトが滑ってた事により、テープエンド判定がおかしかった様です。



●まとめ

どうやらカセットデッキには、形は違えどコノ種のクラッチ機構が必ず付いているようで
これのお陰でテープエンドになってもテープが千切れないんですね。
裏を返すと、クラッチ機構が固着している状態で、強烈なグリップ力のベルトを使ってしまうと
カセットテープが切れてしまう原因にもなるので気を付けた方が良さそうです。
時々、カセットテープの留めが割れて外れているものを見かけますが、
カセットテープのプラスチック自体が弱っている上、
このクラッチ機構が固着している場合に割れてしまい易い可能性はありますね。

ゴムバンドベルトも最終型自作ゴムベルトも、今の所は滑りなどは全く無く快調な様です。
何年持つかは分かりませんが、応急用としては十分使えると思いました。

これで、30年前のX1Cのカセットデッキが、やっと100%の状態で稼働するようになりました。
これもマニアタイプを触ったお陰で「経験値は重要!」って感じなのでした。



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        ~X1Cカセットデッキ修理-その2
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        ~X1Cカセットデッキ修理-中間まとめ
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2 コメント

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(メアドを消して再投稿したものです) (伊藤園)
2017-10-23 08:22:34
カセットデッキ修理に関する執念、感服いたします。
私もX1Cユーザでした。ゲームで遊ぶにしてもロード時間がかかりファミコンや88(FD機)にはとても勝てませんでしたが、特別な思い入れがありますよね。。
テープロードが終わった際の「ガチャ」っという音が正常ロードとエラーの場合で違っていた気がします。正常の場合は一瞬間があって巻き戻し、エラーの場合は否応なく巻き戻しなので微妙に違いがあったような、、気のせいですかね。。
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詳細はメールにだらだら書きましたが、まとめると (ちま)
2017-10-23 08:31:42
「ロード終了時の間」ですが、”素人見解で裏付けは有りません”が
ロード自体の処理(データの読み込みと最初の実行)はIPLが行っていると思います。
一方、ロード完了後の巻き戻しはソフトのプログラムに仕込む必要があるのではないでしょうか。

よって「IPLがエラーで即巻き戻すのとは違い、ロード完了後はプログラムが走っている分だけ巻き戻しが遅れる」
(その為に聞こえ方が違う)と言う事があると思います。
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