「ちまちま」のゲーム日記。

現在は、シャープX1と、レトロPC&ゲームの記事が中心です。

PASOPIA7(パソピア7)のレストア

2019年06月14日 21時17分11秒 | レトロゲーム

なかなか手に入らなかったのですが、自分が欲しいと思ったキーボード一体型の8bit機の内の1台です。

何故探していたかと言うと、ローズレッドのX1マニアタイプ(CZ-800C)を修理する為に、電源不良のジャンクX1を購入したのですが
その中に何故かパソピア7のカセットゲームが入っていたのです。
しかし、一部磁性体が虹色になっていて、長い間これが読めるものなのかどうなのか凄く気になっていました。

過去記事 : CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その3



到着しました。
 
写真では分かり難いですが、黄ばみがかなり凄い? もともと黄色味がかった色って事もあるのでしょうか?
最近知った機種なので、原型が全く分からない....

でも、恐らくこっちが本来の色な気がしないでもない...w

とりあえず軽く掃除からです。



●PASOPIA7の分解清掃

と言っても順番に外して行くだけ。底面ネジ3本、背面ネジ3本を外してカバーを外します。

キーボードはフラットケーブルから端子に繋がっているだけで留めはなし。
 
次は電源後ろのネジを3本外して、電源がキーボードの土台ごと外れそうです。
この土台が何気に穴開き鉄板を切り出したままで、かなり危険ですw

キーボード


電源とスピーカー(キーボード台)

裏面を見て気が付きました。電源を左にスライドさせると先に外れる模様orz

メインボードを取り外して掃除しました。チューブコンデンサも漏れてる様子は無さそうです。
 

電源の埃が半端ない...
どの道、コンデンサは交換予定なので電源はその時に綺麗にしましょう。
今回はハケでササっと掃くだけで一旦組み付けます。
 



●仮の動作テスト

掃除と軽く点検した感じ、特に悪そうな所も無かったので映像映るか試してみよう。

さて、映像出力はどうするか...
出力端子が意外と?豊富で「カラー」「白黒」「液晶」とあるんですね。
しかし、この時代に液晶とか普通にあったのでしょうか?
調べてみると、どうやら専用液晶があった様ですが今の液晶TV等と関連があるとも思えず...

一番手っ取り早そうなのがコンポジットかRFと思われる「白黒」

どちらの信号か分かりませんが、まずは同じ形状のコンポジットから試します。

おぉ~いきなり映ったw コンポジット白黒でも良ければ、そのまま繋ぐだけ!!

取り合えずはメンテすれば使えそうな気配がありますが、問題はこの後の運用にありそうです。
スペックはソコソコ良いものの、X1よりマイナーだったらしく情報が中々検索にかからない風なので、色々苦労させられそうですw



●カセットテープの修正

次の問題はソフトです。
取り合えずX1のオマケで付いてきた「ザ・スパイダー」が一部虹色で
読めるかどうか怪しい感じだったので、もう1本ソフトを確保してみました。

しがぁ~し!! これが酷いハズレテープで、ザラザラした埃が付いてる上に折り目も付いてる感じ。
 
これは、なかなか厳しい...

取り合えず色々トライしてみましょう。
これだけバリバリだと、問題はノイズですよね。 ノイズを減らす為には極力、平らに均さねばなりません。

まずは分解してみましたが、ワカメ状態が酷くテープがバネの如く飛び出してきましたorz
慎重にハケでザラザラの埃を掃除しました。

中の紙も湿気で曲がってしまっているので、かなり保存状態が悪かったのは間違いなさそう。
取りあえず、元の状態だと引き出されたテープがこの紙に擦れる感じなので
この紙がテープを擦らないように、裏返しにしました。
これで巻き取り軸の部分が当たる様になるので、かなり負担が減ります。

テープエンドを見てみると、明らかに切った様な跡があり
「勝手にテープをイジクリ倒したハズレテープかな?」とも一瞬思いましたが
手持ちのエニックスのX1ソフトの「ドクロンの館」も新品から中身は触ってないけど同じ状態。

どうも、この仕様のソフトは空白部分を無くす加工がされている様です。


次に張りを出す為にカセットデッキで早送りと巻き戻しを2往復程度繰り返しました。

最後に、指で更にキツく巻いて引っ張る感じで止めます。
若干テープが伸びる心配が無いとは言えませんが、
シワが張られて真っ直ぐになる事を期待して、このまま数カ月放置してみましょう。

多少伸びても速度調整でカバー出来るかもしれないし、現状よりは可能性が上がるはず。

2カ月ほど放置しました。
かなりピーンと張った感じは出ていますので、このままシンクロバックアップを取ってみましょう。

音声データは、X1に近い感じ。
「ピーギャ。ピーギャラギャラギャラ~」と、ヘッダ部分からデータのみに移行する感じですね。
一番最後にチェックサムらしい「ピーギャ。ギャ。」が入って即テープエンドになりました。



●パソピア7のホワイトニング

普通に撮ったらそれほどでもありませんが、実際の色合いに近いのはこちら...キーボードもドロドロ。
 

どぶ漬けする容器も液量もないので、キッチンペパー法です。

1日目終了。
同じ状態で続けるとムラになった時に困るので一旦外して確認します。
それなりに色は取れたけど黄ばみが濃いと流石に1日では厳しい様で、もう1日やろう。
願望としては側面のグラデーションがある程度無くなって欲しいですねぇ。


もう1日やりましょうか。


ギゃーっす!!2日目でPASOPIA7のホワイトニング失敗しとぉわ~orz
洗ったあと、スグに拭き取った時にまだ塗装面がヤワヤワだった様です;;;;;;;
はひ。一応、仮に誤魔化すw
 
一つポイントを学びました「引き上げた直後は絶対印刷部分に触らない事!!」
流水で、やさしく液を洗い流して塗装を剥がさないようにしませう...

全体的な漂白度は、まぁまぁ良い感じ?


ホワイトニングから1年ぐらい経過しましたが、本体部分の黄ばみがかなり戻っていました。
こりゃダメージがキツ過ぎてダメなタイプだなorz




●グラフィックシールの補修


さて、キーボードから剥がしたものの、これは絶対綺麗に貼れないよね...

もともと付いてる糊にはゴミが沢山ついてるので一旦剥がしてみると、ただのフィルムみたいになりました。


接着方法は素材にダメージが少なく、かつ強力な物でないと剥がれそう。
などと呟いていると、印刷出来るフィルムラベルがあると教えて頂いたので作る方向で練習を兼ねて試してみましょう。

PASOPIA7のグラフィック文字は、スキャナーでそこそこ綺麗に取り込めた模様。

この3つだけヅレてるのはミスプリ?画像検索したら本来ズレは無さそうなのでハズレシールだったのかな...
いや、ある意味アタリなのか。

あとはこれを印刷するだけ。
ネット上で「100均のラミネートフィルムに印刷出来るかも?」と言うのを見かけたので試してみました。
それなりには印刷されましたが、ベタ塗りに弱い様です。
掃除すれば使えそうではあるけどエーワンのシートを買おう...


新しいグラフィックシール作成の目途は立ったので、次は元シールを綺麗に貼り直す方法が無いかの実験です。
手元にある素材でダメージが少ないもので浮かんだのが「木工用ボンド」「レジン」

クリアファイルに張り付けて実験してみた所、


木工用ボンドは乾燥までにかなりの時間が掛かる割に付きが悪い。


レジンが割といけるかもしれない。

フィルムが巻いてるのは仕方ないとして、カドが折れ曲がっていると見栄えも悪く
付けても捲れてきそうなのでひと回り切り落として実際のキーにレジンで張り付けてみます。
キートップ側は強力にレジンが張り付いたけど、フィルム側がちょっと弱いかな...
 
隙間なく付ければ持ちそうだけど、爪で引っ掻くと割と簡単に剥がれてしまいそう。

もう少し丈夫に付かないかとフィルム側を掃除して、もう一度挑戦してみると良い感じに仕上がったかも?

シワもクスミもあるけど、取りあえず剥がす前の状態よりは綺麗になったかな。
液量が多すぎるとカチコチになったレジンの掃除が大変だった...


何とか全部仕上げて良い感じになりました♪

スキャナーでの取り込み具合にもよりますが、グラフィック文字のシールは作り直した方が綺麗だし楽そうですね。



●基板のメンテナンス

PASOPIA7の抵抗が何気に可愛いw
  
最初、青いのは全部コンデンサかと思ってたのですが、違うんですよねぇ。何の為に色分けしているのかすら?

取り合えず、メインボードと電源の電解コンデンサは交換完了。電源廻りは結構漏れてました...
  

ちょっと気になったのがヒューズ横にある四角いコンデンサ?ですよね?が
バッキバキで交換したいのですが、良く分からないので今回は保留。パーツ屋行った時に見てみよう。
 



●PASOPIA7、動作テストからの...

問題は、まともなソフトが無いのが...手持ちのソフトはバリバリと虹色orz

まぁ本体は前回表示テストしていたので、起動は普通にOKでぃす。
今回の表示はRGBでテスト。
いつもの中華アプコン(GBS8200系)、サンコーRGB21-HDMIからのVGA変換、ともに問題なし。
RGB端子も特殊な接続をしないならPC-6001mkIIやMZ-700と共通で大丈夫みたいです。
 

このままではプログラムを組めない自分は何も出来ないので、早速ゲームをロードしてみたい。

パソピアのデレコと言えばコレかな?「PA7230」
しかし掃除も何もまったく整備していないので今回はお預け。いつもの安定したRQ-8100で行こう。

 もともとPC本体を集め始めた理由が、「本体とデレコに相性があるらしい?」
って事でデレコの動作テストをする為に本体を集めていたと言う、メインが完全に逆な感じだったのですよねw


とかPCでメモを取ってると、急に背後から「バシュシュ~!!」と音が聞こえた。

見てみると、PASOPIA7が物凄い量の煙を吹いてたorz
即電源を落として窓を開けて部屋を換気しましたが、なかなか焦げ臭さが消えませんでした。
幸い、煙だけで出火は無かった(見えなかった)ので良かったですが、昔の機器を扱う時のリスクを体感しました。
残念ながら?焦って写真どころでは無かったです。ほんと、音と煙は手持ち花火(勢い強め)そのものでした(滝汗)

落ち着いた所で煙を吹いた原因が何か気になる。
「コンデンサ逆接続とかしちゃったのだろうか?」と思いながら分解してみました。

電源を見てみると、一発で分かりました。
例のアレですフィルムコンデンサ?まさか爆発するとは思わなかったけど...w

100V部分で派手に煙を吹くのでご注意下さい。

容量の表記から何となくフィルムコンデンサと思ってたのですが同じ形状の物が売って無かったので
ツイッターで助けを求めたら、メタライズドフィルムコンデンサで大丈夫みたいです。
元々と同じ感じのフィルムコンデンサが良い場合は、「Rifa PME271M 610」で検索すると色々出てくるみたいですね。

煙上したパーツの代替えを買って来ました。青いパッケージは壊れる前に買ってあったものですが、
足が短く延長するのは怖かったので交換しなかったが為に大騒ぎにorz
どちらも幅が狭いんですよねぇ。
 

まぁ無難に新たに買って来たものを取り付けました。
 

そう言えば、煙上した時は組み付けた状態だったから良かった?ものの、電源だけで稼働させてたら確実に火傷コースだった気がする...
なので今回もPC本体よりも保身で組み付けて動作テストしました。

う~しっ!特に問題無さそうで修理完了♪
良かった良かった...まぁ、前回もこの状態で暫く動いてた訳ですがw



●PASOPIA7でカセットテープのゲームをロードする

デレコはナショナルのRQ-8100です。
「LOAD」コマンドだけだとエラー出るし、コマンド分からんw
あ、CLOADで通ったっぽい。ヘッダが読めたのかな?RUNしてみる。

うほほぃ!!ジャンクX1に入ってて一部磁性体が虹色になってた「ザ・スパイダー」起動したぁ~♪


もう一つのゲーム「ドアドア」をロードしてみたけど、ここから進まない...


B面でロードしたら動いたっ!しかし、そういえば音が全く出てないorz
後ろにあるオーディオ出力からは出てるので、ちょっと点検する必要がありそうです。
 



PASOPIA7の音が出ない原因を探る

まずは、スピーカーから配線パターンと辿ってみるも断線は無し。
パターンの先に背面のオーディオ出力ジャックがあったので、排他仕様でジャックを刺せばスピーカーから音が出ない仕様だと判断。
ジャックを点検するもちゃんと切り替わってそうです。


となると、どうもスピーカー自体が怪しい?

一応コーン紙まで伸びてる線まで導通はあるけど、表側はシールドされてて分からないんですよねぇ。
スピーカーって壊れるもんなんでしょうか?
替わりのスピーカーが無いかと、手近にある機体で目に飛び込んだX1Gのスピーカー繋いだら普通に鳴りました。
 

「犯人はお前だぁ!!」
 
代替えスピーカーを探す前にダメ元でこのスピーカーを修理出来ないかチャレンジしてみたいと思いま~す。

コイルの両端子間に導通は有りません。

赤○-赤○、黄○-黄○、青○-青○同士は導通があります。
黄○-青○は導通がありますが、赤○-青○は導通がありません

難しそうだけどコーン紙の表面で繋げる事が可能なら直せるタヌキの皮算用。

この黒いシールドが無水エタノールで擦ると溶ける様なので、地道に削って行きます。
無水なので紙への影響を最小限に抑えられるのです。


またコイツのお世話になるのか...髪の毛ほどの細さのエナメル線。
リレーを分解したエコリサイクルですw


問題はどうやって繋げるか...ハンダが一番最初に思いつきましたが、紙の上なのでちょっと怖い。
細い線を弄ってて、ふと閃いたのが手術用の結合って細いし応用出来るんじゃ?と調べてみると
「手結び」と言うのが図解であったのでチャレンジ。
先に被覆を捲っておきます。団子結びに似てますが、引っ掛ける所が違う模様。
そのまま反対側にも巻き付けます。イマイチ接触が悪い気がしないでもないw


動作テストしてみると、無理やり捻じったら何とか振動にも耐えられるぐらいの強度になった感じで
やっぱハンダした方が良いよねって事で何事にもチャレンジ。
アルミホイルを引いてハンダ付けに成功!!

レトロ基板ハンダを溶かせない15W極細ハンダコテが役に立つとわっ!w

同時に配線を被覆する為のゴム糊っぽいのを作れないか色々試してたけど、これと言って出来ず...

またまた教えて頂いたマニキュア絶縁が無難ですかねぇ。
100均でマニキュアを見てきたのですが、近場で黒色は置いてなかった...
ラメ入りっぽくて絶縁とか大丈夫か気になったのですが、大丈夫そうです。黒見つけた!と思ったらレジンだったorz
取りあえず色だけ塗って完成♪
 
これにて、無事に音が出るようになりました♪



●まとめ

どうやら煙上したコンデンサは初代パソピアにも使われている様で、非常に高い確率で同じ症状になる可能性があります。
パソピア本体を手に入れた方必ず、電源内部を確認して
該当コンデンサが交換されているか確認してから使用する
事をオススメ致します。

今回試した中で、マニキュアとレジンは接着用や保護用としても結構使えそうな感じで、
どちらも100均で手に入るのもお手軽で良いですよね。

ひとまずPASOPIA7のメンテはこれにて一旦完了。
次にコノ機体でやりたい事は、キーボード割り込みタイプのジョイスティック接続でしょうか。
今の所、地べたに置いて遊ぶ事が多いので、ちょっとキーボード操作がし辛いです...
あと拡張端子の部分的な黄ばみ取りとか。


動作テストも兼ねてPASOPIA7版ドアドアを遊んでみましたが、初期ハイスコアーすら超えられなくて下手過ぎワロエナイ...

遊べば遊ぶほどプレイヤースキルUPが実感出来る仕様は、ゲームとして熱中し易い良ゲーですよね。

ちょいマイナーで情報が少ない機種ですが、逆に動作テスト等の役に立ちそうな気がします。
コンデンサが煙噴いたりスピーカーが断線してたり、修理自体をなかなか楽しめた機体なのでした♪



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