過去にPCへのWAV取込みを目論見ましたが、ノイズが多いのか上手くいきませんでした。
そこで登場、リニアPCMレコーダー。
これに録音すればノイズの多いPC本体に取り込まなくてもカセットのバックアップが簡単に出来るのでは?と言う考え。
存在自体は知っていましたが「レトロゲーマーへの道」では安く上げる為にあえて使わなかった品物です。
1万円ぐらいする物と思っていたのですが、機能が最低限のものなら新品で7000円ぐらいまで下がってたので購入してみました。
普通のICレコーダーは安価にありますが音声データが圧縮されてしまう事でデータが読めなくなってしまうそうなので
「リニアPCM録音」(要するに非圧縮)が最低条件の様です。
PCの様に内部ノイズに悩まされないのと小回りが利くのがよさげです。
今回購入した本体の型番はSONY「ICD-UX533FA」です。
これを選んだ理由は、
・44.1kHz16bitのリニアPCM録音が可能
・USB接続でPCへ簡単にファイルを取り込める。
・USBで充電出来る
・マイク入力とヘッドホン出力に普通のステレオジャックを同時に刺せるタイプ
・集音する訳では無いので高性能マイクが付いていないシンプルな形状
・単四電池1個で駆動する。
・充電可能ニッケル水素電池(単四)が付いている。
・上記を満たした中で値段が一番安い。
まぁ、この辺り。
基本的にICレコーダーの用途が会話の録音がメインになっているので
無駄に高性能なマイクが付いていたりすると使わない機能なのに金額だけが上がってしまう感じでした。
あとは、著作権の関係かどうなのかPCとのデータのやり取りが面倒な製品があるので注意が必要そう。
普段からICレコーダーを使っている方には作りが安っぽくて付属品も少なく機能的にも不満点があるようですが、
自分には必要十分な商品です。
一つ問題点を挙げるとすれば、MP3のモノラル録音はある様ですがリニアPCMでモノラル録音が無さそうな点。
エミュレータで読めるイメージにする場合の条件にモノラルである必要があるので、録音後にモノラル変換する必要があるのでしょうか。
今回は特にエミュレータ用のイメージ化の事は考えていなくて、カセットテープのバックアップをデジタル保存するのが目的です。
その他の機能として、シンクロ録音機能と言うのがあって無音部分でファイルを自動分割してくれるそうです。
ファイル単位で分割出来るのでBASICなどで短いファイルが大量にある場合は便利かもしれませんね。
シンクロダビングしたバックアップのゼビウスをステージ3までストレートで録音してみました。
DENON D-07(ミニコンポ)ヘッドホン出力>リニアPCMレコーダー
そのままレコーダーの操作なしでロードテストをしてみましょう。
リニアPCMレコーダー>カセットアダプター>実機X1C
超絶余裕のロード完了...
ステージを分割しても良いかと思いましたが、ステージ毎にファイルを選ぶのが面倒です。
またX1Cがデータなしと勘違いして巻き戻すのもアレなんで。
このPCMレコーダーには「トラックマーク」と言う機能があり、ファイルの途中でマークを付けて簡単に頭出しが出来る機能もあるので
そちらの方が現実的かもしれませんね。
APSS(X1の無音検索頭出し機能)などでファイル数を数えていたら無理ですが、ゼビウスの様に普通にデータを探すだけのプログラムなら
このマークを呼び出して再生すれば、さながらテープ制御している様になる気がします。
その他のソフトで、実機でも読み難かったバックアップテープ「ばってんタヌキの大冒険」でもテストしてみました。
こちらも全く問題なく起動しました。
シンクロダビングでは不可能だった「音量UPによるバックアップが可能になった事」で、劣化したテープにも使えそうです。
リニアPCMで録音する時に、適正レベルメーターがあるので
これを頃合いの音量に設定する事でテープの劣化によるレベル低下に左右されず、取り込める様になりました。
シンクロバックアップで読み難いテープは原盤の音量が少し小さい感じなので、録音レベルを調整してあげると良さそうでした。
念の為、書き戻してみましょう。
取りあえずは音量そのままでリニアPCMレコーダーのヘッドホン出力からDENON D-07のライン入力に入れて録音してみました。
その書き戻したテープを実機のX1Cに入れて再生すると、余裕でロード完了....しないorz
インフォメーションブロックすら読みません。
試しに音声を聞いてみると、音量がかなり小さいです。
と言う訳でライン入力ではなく、マイク入力から書き戻してみる事にしました。
このDENON D-07ミニコンポの欠点はレベルメーターが無い事。
録音レベルが全く分からないんですよね。
ヘッドホンの音量はアンプを通した後の音なのでボリュームに左右されてしまいますが録音には反映されません。
取りあえずマイク入力レベルを真ん中にして録音してみましょう。
ん~まだボリュームが小さそう。
なのでマイク入力レベルMAXで再度録音してみましたがそれでもボリュームが小さめな気がします。
案の定、チェックサムで蹴られました。
リニアPCMレコーダーのボリュームを上げれば問題ないと思いますが
再生ボリュームが「直接再生」と「書き戻し再生」で違うと色々面倒なので、他の手を考えます。
次に試す事はカセットアダプターを使った書き戻し。
音量を同じにするにはこれが一番かもしれません。
前回、左右同じになる様に調整したので信頼してみましょう。
左の再生デッキにカセットアダプターを入れて、右の録音デッキにカセットテープを入れます。
シンクロダビングをスタートして、リニアPCMレコーダーを再生。終了時は録音側のテープエンドで止まります。
実機でロードしてみると問題無く書き戻しが可能な事が分かりました。
しまった、起動した所の写真が無いorz
まぁ何かが繋がってる訳でもなく、何の証明にもならないから必要ないと思って撮ってなかった可能性。
夢の中の出来事だったら困るので、別の日にもう一度書き戻してみました。
ゼビウスとばってんタヌキの大冒険ですが、どちらも1発ロード完了です。
(やはりレコーダーを置いてるだけで、何の証明にもならなかったorz)
信じるか信じないかは、あなた次第!!
●まとめ
完璧ではありませんがカセットテープのデジタル化が完了してテープの劣化の心配が少し減りました。
DENON「D-07」の録音カセットドライブが安定してゲームロードも可能なので精度が高そうです。
なので、この安定したカセットドライブから全てのソフトをリニアPCM録音してPCにバックアップを作りました。
40本ほどのソフトですが、DVD1枚で収まりきらない大容量にw
カセットテープのA面B面と分けてバックアップしたので、2枚に分けて保存しました。
単純にこのWAVをカセットテープに書き戻せば問題ないはずです。
ステレオ録音になるので完全ではありませんが、”再生速度が正確なカセットデッキ”があるなら
バックアップとしては使えると思いました。
再生速度が正確では無くても安定さえしていれば、録音可能なデッキで再生しリニアPCMでバックアップしておけば
録音時と同じデッキへ書き戻す事により再生速度が同じになるはずなので理論上は問題ないと思います。
注意点として、書き戻し時にカセットアダプター経由で戻す方が、音量調整が不要なので成功率が高そうです。
この場合はカセットアダプター側のモーター速度は加味されないため、左右のデッキの速度差は気にする必要がなく
録音デッキの再生速度さえ合っていれば問題無い事になります。
ただし、アジマスの問題があるので100%どのデッキでも可能な方法とは言えませんが調整は可能でしょう。
バックアップ以外の用途として、カセットアダプター経由で実機に流し込むことにより
カセットデッキの機械的な部分が問題なのか電子回路的な部分が問題なのか、原因切り分けにも使えそうです。
自分が購入したこの機種はx1tapeなどで変換したWAVファイルの場合は直接再生出来ません。
しかし「SoundEngine Free」などで簡単に44.1kHz16bit2チャンネルに変換できるので
「リニアPCMレコーダー+カセットアダプター」で記録メディアとして十分機能しそうです。
また、取り込んだWAVデータをBluetoothの使える機器に入れておけば、
自作のBluetoothカセットアダプターを使ってワイヤレスロードが可能となります。
特殊な制御をしているソフトはそのままでは不可能ですが、無音部分でファイルを分割しておけばゼビウスなどは遊べる事になります。
今回はバックアップが目的だったのでエミュレータで使えるイメージ変換は試していませんが、
別の機会にtapファイルへのイメージファイル化が可能なのかチャレンジしてみたいと思います。
追記:
X1CにはCMT出力が無いのでカセットアダプターを多用していますが、
その他の外付けデータレコーダーに保存する機種の場合は、直接繋げば良いだけなので利便性は高いと思います。
問題点は、音量の調整が面倒かもしれない事と、直接他のメディア(カセットやエミュレータ)に移動するには
ステレオ録音が障壁になる可能性がある事です。
まぁ、ステレオ問題はソフトなどでカットすれば良いだけの話かもしれませんけどね。
ハイテクなのかローテクなのか分からないリニアPCMレコーダーによるバックアップなのでした。
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