「ちまちま」のゲーム日記。

現在は、シャープX1と、レトロPC&ゲームの記事が中心です。

DR-320(PC-6082)の修理-その1

2017年08月12日 08時17分43秒 | レトロゲーム

ついに新たな趣味の領域に踏み込んでしまった...
X1Cのカセットテープデッキの理解を深める為に、別のデータレコーダーで遊んでみようと言う企画。

動作未確認のジャンクハードを購入してみました。
PC-6082(DR-320)で、PC-6000シリーズのオプションとして販売されていたデータレコーダーの様です。
ちなみにX1Cにはカセット関係の外部端子は一切ない為に直接的には全く使えません。

外装も綺麗ではなく、通電するけどカセットが回らない格安ジャンク品でした。




●分解と清掃

まずは検索、そして検索。
このデータレコーダーは修理方法が掲載されているページが幾つかあるので、不具合箇所を探すのは割と楽そう?
素人には大変助かります。
ネットを徘徊していると、ベルトが切れているのは当然として
どうもこのシリーズはグリス等固着で機械部分が固くなりやすいのと、電解コンデンサーも悪くなりやすい様ですね。

その前に、根本的に動くのかどうかすらわかりませんが...
取り合えず、掃除をしながら中をみてみましょう。

底面のネジを4本外すだけなので簡単です。
しまった、愛用のドライバーだと届かない罠orz


裏蓋を開けてみると、自分が思ったより良い品な気がします。
ベルトが切れたままなので、長期間放置されていた様です。


まずはベルト周りの大掃除から。
綿棒ですくうと...ぎゃーっす!
 

このまま綿棒の反対側を使うとドツボにハマって真っ黒くろすけになるのでご注意を
自分は半分に切って、1回拭いては捨てを繰り返し。


そのまま捨てられるゴミ箱があると便利です。

ある程度取れたらクリーナーを付けてさらにふき取ります。


モーターのプーリーを掃除し終わって、次のプーリーを掃除し始めて分かりました。
この巻き取り駆動プーリーも浮動式やん!
てか、この頃のカセットテープドライブって、これが普通なのでしょうか?
これはまたベルトで難儀しそうなヨカン...

「うぎゃー!!」あれだけ注意してたのに、指がいつの間にか黒いorz
どうやら、フライホイールのドロドロが付いた様です。
フライホイールを外すのには、それなりに分解が必要になりそうだったので
まずはこのままの状態で綺麗にしました。
 

次に確認するのは電解コンデンサー
液漏れしていては、基盤にダメージが及ぶようです。
 
底のアルミ板?と基盤を外すと、大きなスイッチ機構がありました。
かなり大きいですが、カセットスロット付近に長いスプリング付きワイヤーで繋がっています。

見える範囲でコンデンサの液漏れも無さそうなので
一度電源を入れてモーターが回るかテストした後ベルトを付けて動作テストをしてみたいと思います。



●初動テスト

内容に「電源コードは付属しません」と書いてたのに、ちゃんと付けてくれるツンデレちゃんでした。かわいい。

まぁ良くある達磨型の電源コードなので、無くても入手は簡単です。

通電は勿論OK、モーターも無事回りました。
ベルトは最終型自作ベルトでテストします。
 

片側のネジを緩めるとフライホイールの軸受に隙間が出来るので、今回はここからベルトを入れます。
 
奥にもう1本ベルトが付いていますが、ブチル系では無く使えそうなので取り合えずそのままで。

カセットテープを入れなくても再生すると回る様です。
X1Cにはテープが入っているかどうか判定するスイッチがありましたが、これにはありません。
早送り、巻き戻し、一時停止、停止、ライトプロテクトスイッチを押せば録音スイッチも押せます。
ちょっと停止スイッチに違和感がありますが、止まらない訳では無さそう。

ん~、割とアッサリ過ぎるけど恐らく問題はココから...



●録音と再生のテスト

その前に、カセットスロットが上蓋と一体らしく、ヘッドとピンチローラーの掃除がやりにくい...
どの道、一度バラして大掃除はするつもりですが録音と再生に異常が無ければ大掃除にも力が入るってものです。
なのでヘッドとピンチローラーを適当に掃除して、実験してみましょう。

取りあえずワカメになった要らないデータテープを回してみると、「CMT OUT端子」に繋いだヘッドホンから普通に聞こえます。
しかし、いつものピーギャラギャラ音と少し違う様な?
そこで、X1へのロード実績のあるD-07で再生してみると、明らかにDR-320の音が高く聞こえるので再生速度が速いのでしょうか?

それと、MONITOR LEVELの調整レバーがありますが内蔵スピーカーから全く音が出ません。
故障なのか仕様なのかも不明...


次に試してみるのは録音です。
方法は、DENONミニコンポ「D-07」のシンクロダビングを使って
JODAN-DOSをカセットアダプターへダビング
そのカセットアダプターの音声をDR-320で拾ってみます。
シンクロダビングとカセットアダプターを使う理由は、録音レベルを一定にしたかったからです。

同じ長さのテープ(10分テープ)でダビングしているのに、シンクロダビングよりDR-320の方が2分近く早く止まった気がします。
そして録音した音声を再生してみると、音声の方は録音されてますがノイズがとても大きく
さらに籠った音になっていて、このままでは使えそうにありません。

以上の事から追加で修理が必要な個所は
・「MONITOR LEVEL」か「内蔵スピーカー」不良
・「モーター速度の調整」
・「録音時のノイズ取り」
の3本でしょうか

モーター調整はやり方も載せてくれているので出来るかもしれません。
内蔵のスピーカーは、別に無くても良いですが可能であれば修理してみたい。
「録音時のノイズ取り」は何が原因なのか分かりません、電解コンデンサの交換が必要なのでしょうか...
さてさて、初心者のワタクシに直せるのかしらん?



●NEC PC-6082(DR-320)の修理に挑戦!!

まずは故障し易い所と修理方法を色々検索して、ノイズ取りのヒントを探します。
そこで、PC-6082で検索してみると、割と簡単にそれらしきものがヒット。
X1の検索難易度と違って、流石に後の後継機がメジャーをかっさらって行くだけはあります。
ユーザーの数の違いでしょうか?それともX1ユーザーがシャイでOUTPUTしないだけなのでしょうか?(面倒臭がりの可能性もw)

 「Framのレトロハードメンテナンス記録」さんによると
どうやら最初にみた大きなスイッチは、再生と録音の回路を切り替えるスイッチの様です。
そして、このスイッチが結構接点不良になったりするらしい。

録音がオカシイと言う事で、まずはこのスイッチを掃除してみましょう。
と言っても、エアーで吹いて接点復活剤をかけてガシャガシャ動かすだけ。
その他の差し込みジャックも接点清掃しておきました。
掃除後、何度もグリグリ動かしているうちに録音も正常に出来る様になり、
「録音時のノイズ取り」は意外とあっさりクリア。


続いて再生速度の調整です。

こちらのページを参考に。と言うか、写真付きで丁寧に書かれているので、そのまま実践すれば良いぐらい。
「BAKUTENDO」さんの手順を見てみると、PCで波形を見て調整するっていうフリーソフトを使う様です。
再生速度の基準テープを自分の手持ちで最も信頼出来る「DENON D-07」のミニコンポで作成しました。

あれ?モータの速度調整部分ですが、封印らしきテープに穴が開いています。
一度調整された感じでしょうか?古くなって速度が遅くなるなら分からないでもないですが
再生速度が凄く早くなっていた原因は前の使用者が調整したからなのかもしれませんね。


バラバラの状態でないと調整出来ないのが不便ですね。狂う度にそれなりの分解が必要になります。

調整終了。


調整前


調整後

一応範囲内の再生速度になっていると思いますが、時々再生速度が下がるような気がしないでもない。
あとは通常時から結構なノイズが聞こえるけど、大丈夫なんでしょうかねぇ。

実際の動作テストですが、生憎自分にはX1Cしかありません。
なので、データレコーダーで「X1ソフトを再生>カセットアダプター>X1C実機でロード」と言う回りくどい手法で確認したいと思います。

まずは手持ちで一番短いテープのJODAN-DOSでテストしてみましょう。
IPLからインフォメーションブロックは問題なし。ロードも無事に完了してアッサリ起動確認。

「おぉ~!使えるやん!!」

これじゃ皆さん納得しないだろうと言う訳で
皆大好き「X1ゼビウス」でロードテストです。

しかし、ロードエラーorz
いきなり欲張りすぎた....

次に試してみるのは
イナブキさんのBattleBattleです
IPLからのインフォメーションブロックは完璧なんですけどねぇ。

なんと、これまたロードエラー!
どうもチェックサムで蹴られている様ですね。
やはりノイズが多いからなのか、それとも再生速度にズレが生じている可能性があります。

そこで再度、再生速度を見てみると若干基準よりも遅くなっている様でした。
一応最初の時に合わせたはずなんですけど、今回は3kHzを下回らないギリギリで調整。

あと気になっていたのが、アースが貧相な気がします。
ケースはプラスチックで仕方ないのですが、ノイズシールドが弱く手に持った時にノイズが消えたりする事もあるので...
って、パーツを一つ付け忘れてましたorz

シールドの表と裏を繋ぐだけの金具なんですが、やはりノイズ取りアースが必要でした。
これを取り付けてみると、ノイズがかなり軽減された感じで何だかいけそうな気がする!!

再度イナブキさんのBattleBattleです。10分テープにX1C実機でSAVEしたバックアップ。
うほほい!余裕のロード完了。


次に、ゼビウスを試してみます。60分テープ。シンクロダビング法。
インフォメーションブロックすら読みません。

次は、ばってんタヌキの大冒険。20分テープ。シンクロダビング法。
インフォメーションブロックすら読みません。

次は、バルダーダッシュ。10分テープ。JODAN-DOSによるバックアップ。
余裕のロード完了。


シンクロダビングテープがシビアな感じでしょうか?X1Cの時も最初そうでしたね。
とすると、次にJODAN-DOSでバックアップが可能で、30分テープを使用したTROP-WAYでテストです。
インフォメーションブロックを無事通過。
このソフトは内蔵HuBASIC(mini?)を読み込んだあと、追加でデータを何個かロードするタイプ。
HuBASIC部分のロードが完了した後、少しの間プログラムが走る様でその後にロードが再開されます。
なので、その間だけ一瞬手動でカセットを一時停止させてみました。
その後のロードでも一瞬停止して再ロードを繰り返すのですが、そちらはそのまま放置。
で、問題無く起動しました。
 

やはり、シンクロダビング法のテープが全く読めない様です。
気になる点はインフォメーションブロックすら読まない所。
普通は読みにくいテープでもインフォメーションブロックは読めるけどロードエラーと言うのが一般的。

他のソフトで試してみました。
おぉ?マリオブラザーズスペシャルはインフォメーションブロックを通過しました。無事にロードも完了。

ふと気になった事を試してみましょう。
最近はソニーのカセットアダプターを使っているのですが、最初に買ったカセットアダプターはBluetooth化してしまったので
テスト用にカシムラのカセットアダプターをもう1個購入しました。
このソニーのカセットアダプターはヘッド位置を調整出来る為に、本来の性能以上のロード精度を発揮する可能性があったからです。
早速、カシムラのカセットアダプターで同じマリオをロード。
どうやら思い過ごしだったようです。無事にどちらでもロード可能でした。


何はともあれ、シンクロダビング法のテープも読める事が分かったので
あとはDR-320の精度やノイズの影響か、原盤テープが弱っていてバックアップが正常ではない可能性があります。

モノラルと言えばLチャンネルからしか音が出ない様ですが「モノラルをステレオに変換する事で、読み込み帯域が広くならないかな?」
と思い、間に変換コネクタを噛まして疑似ステレオでカセットアダプターに流す作戦。

配線を探してみましたが、モノラル<=>ステレオのケーブルが有ま.....せん!
ジャンクから何とかステレオジャックっぽいのをGETして
LR両方にLチャンネルが流れる様に配線して、モノラル<>疑似ステレオ変換ケーブルの完成♪

ゼビウスでリベンジしてみましたが、インフォメーションブロックすら読みません。
結局、ステレオ化は意味なかった模様?w

と言う訳で、シンクロダビング法の別のゲーム(パンチボールマリオ)を起動してみましょう。
無事起動しました。この起動するソフトとしないソフトの差が分かりません。
  
原盤テープにダメージを与えたくないので試していませんが、恐らくは原盤テープなら読める気がしないでもありません。

根本的にバックアップテープ自体が悪いのが原因かな?と思い
DR-320でインフォメーションブロックすら読まない「シンクロバックアップX1ゼビウス」を
試しに、DENONの「D-07」で再生してみました。
再生専用の1スロットではエラーが出たので、録音した2スロットで再生してみるとインフォメーションブロックは通過しました。

なんと、そのままPCG定義部分も通過。(PCG定義中はカセットデッキを一旦停止させました)

そして起動w

恐るべし、DENONのミニコンポ...


これでステージ開始位置さえメモっておけば、ミニコンポからゼビウスが起動出来る事が分かり
「30年前のデータレコーダーより、20年前のミニコンポ」(ただしリモートなし、どの道DR320だとデッキ制御手動)
と言う、再生速度の安定性、音声のクリア度ともに音楽再生用を舐めちゃいかんと言う結果になり
このデータレコーダーをどうしてやろうかと言う思いだけが残ったのでありました。


つづく


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