「ちまちま」のゲーム日記。

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ラジカセバックアップを極める

2017年09月01日 07時40分47秒 | レトロゲーム

ソフトのバックアップはデリケートな部分なので今回も一応書いておきましょう。

このバックアップ方法は、経年劣化でカセットテープが破損する可能性が高い為、資産を保護する為の方法です。
原盤無きバックアップの使用は著作権法違反になりますのでご注意下さい。
またバックアップテープの配布や、他人のバックアップテープの使用も罪に問われる可能性がありますので
くれぐれも本来の目的以外でバックアップを作らないよう、ご注意下さいませ。


さて、前回DR-320の修理をした時にX1ゼビウスをミニコンポ「DENON D-07」で起動させてみると
左の再生専用のドライブではロードエラーになり、右の録音ドライブでは起動しました。

「この差は何なのかな?」と思い、DR-320の修理時に再生速度を見る方法を覚えたので
DENONミニコンポの各カセットドライブの再生速度を見てみると
右側(2番ドライブの録音側)は3kHzからホボ動きませんが、左側(1番ドライブ再生のみ)が時々3kHzを切る時があります。

つまり、シンクロダビングしている時も、ホンの少しですが再生速度がズレた状態でダビングしていた事になります。
左右のデッキに差が出ている原因とし考えられることは、昔は左側の再生のみのカセットデッキばかり使っていた記憶があるので
使用頻度が多かった方が、より劣化やグリス切れが起こりやすく再生速度がズレるのではないでしょうか。
なので再度バラシて調整してみる事にしました。今回はベルトも交換してみましょう。



●DENON D-07の再調整

2,3度バラしているので特に難しい所もなく。
ベルトも比較的交換し易く、フライホイールやモーター等を外す必要がありません。
古い個体で特別高価なレア物でもないので、道中は省略。

組み直しながら適当な所で動作テストです。(完全に組むと調整が出来ないので)


まずは再生速度から。

ベルトを交換した事で、左右とも若干再生速度が低下した様なのでモーターの裏ネジで調整。
カセットデッキに使われるモーターには、大抵モーター自体に調整機構が付いています。


カセットデッキと基盤の構成によっては窮屈な作業になるのでショートに注意。
柄がプラスチックのドライバーか、精密ドライバーにテープ等を巻いておくと少しは安心。
このミニコンポは写真の反対側に基盤が縦付されているため、奥のデッキもこちらから調整する必要があり
通電したまま手を突っ込むので結構危険です。


両方のデッキを同じに調整。これでシンクロ率が上がったはず!!


お次はアジマス調整。
データレコーダーはモノラルなのでこの様な波形にはなりませんが、ステレオデッキなら可能です。
・左の再生専用デッキ


・右の録音デッキ

同じミニコンポ内の左右のデッキで、これだけの差がありました。
斜め一直線が正しい位置なのですが、右の録音デッキの精度が絶対的に正しいと言う訳ではなく
この録音デッキで録音したテープを再生しているので綺麗な波形になっているだけなのです。

しかし今回問題になるのは、”左右のデッキの差”ですので、多少狂った位置でも左右同じ状態であれば
シンクロダビングすれば基本的に同じカセットテープが出来上がるはずです。
もちろん音量が狂うぐらいアジマスがズレている場合は別の話ですので誤解しないように。



●バックアップの作り直し

早速、読み難かったX1ソフトのバックアップを作り直してみます。。
これで読みやすくなると、今までもシンクロダビングの時点で速度の微妙なズレがあった事になります。

再度バックアップを作り直した「カムイの剣」をX1C実機でロードしてみましょう。
これは90分テープと長く、今まではシンクロバックアップではタイトルまでも行かず
JODAN-DOSとHuBASICを使って無理やりタイトルまで起動させるのがやっとでした。

おっしゃータイトルまで起動!!
 
その後のロードも問題なく進みゲームスタート!!

アプコンのせいで凄い縞々ですが、無事に起動確認出来ました。
以降はデータ毎の短いロードなので劣化していない限りエラーは出にくいはず。

にしても相変わらずの描画速度でw
1場面移動毎にカセットテープのロードと描画の待ち時間が生き地獄。
昔の人は良くこんなのでアドベンチャーゲームなんて遊んでたなぁ~って関心させられます。

はっ!自分のアドベンチャーゲーム嫌いって、ひょっとしてコレのせい?w
まぁ今思うと、トラウマになっていても不思議は無いレベルです。
特定のコマンドしか受け付けて貰えないってのも、子供には難易度高すぎなんですよね。

実機でも読み難かった「ばってんタヌキの大冒険」も試してみます。

問題なし。これで、それなりに高い精度のバックアップが取れる事が実証されたのではないでしょうか。

しかし調整前から読めていたソフトも多々あるので、これがボーレートの差なのでしょうか?
ボーレートが高い=短い周期の波形で沢山のデータを読む事だと思っているので
少しのズレがロードエラーに繋がるのではないかと。
ソフト毎に変更出来るものなのか、詳細な所は素人の自分には分かりませんが...
もしくは、単なるテープの劣化で精度が上がったから読めただけなのかもしれません。



●まとめ

何とか所持するソフトの全てのバックアップを取る事が出来たので、いつでも安心して実機で遊べるようになりました。

結論として、ラジカセバックアップに必要な事は「アジマスと再生速度を、再生デッキと録音デッキで揃える事」でした。

唯一の問題点は、ステレオ録音って所でしょうか。
モノラル>ステレオバックアップになるため、デッキのアジマスの位置によっては実機で読めない可能性はあります。
自分の様に実機のアジマスを調整すれば原盤もバックアップも両方読める様になりますが、
失敗すると全く読めなくなる可能性がある上に調整方法も確立出来ていないので、実機側の調整は万人にはお勧めはしません。
それでもダビングバックアップを使いたい場合、捨てるつもりでカセットデッキ側のアジマスを調整する手はありますね。

その後、カセットプロテクトについて調べている時に発見した記事
どうも、原盤を読めるギリギリのレベルにまで調整し、ダビングによる劣化を考慮したプロテクトもあったそうです。
インフォメーションブロック手前からノイズの様なものが入っている「ばってんタヌキの大冒険」は
ダビング防止の為にワザとノイズを入れているのかもしれません。
実際に原盤ではロード可能なのに、シンクロダビングでは極端に読み難くなるソフトはいくつかありました。
また、この手のソフトは実機では問題なく読めているのに、カセットアダプター経由のデータレコーダーでは読めない事があります。


今回のバックアップのポイントは、調整されたWカセットデッキ(理想はシンクロダビング機能付き)があれば
バックアップ自体は簡単に取れると言う事。
精度が高く無駄な音質変換をしていないWカセットデッキほど、より良いと思われます。
もちろん、過去にも書きましたがカセットテープには色々なプロテクトがありますので、そちらの対策は必要です。

テープ劣化などで音量が低下してしまったものや、ダビングを意識したノイズプロテクト的な物には今回のバックアップは向きません。
音量低下の場合は2つのデッキを使用しての音量UPバックアップをする事になりますが、これまた色々大変なので
追々テスト結果などを上げて行きたいと思います。


ボーレートが高いと言われるX1ソフトが起動すると言う事で、
MSXやPC6001、FM-7やその他のカセットテープソフトも同様にバックアップが取れると思います。

「CZ-8RL1が高くて買えねぇ!」
「そもそもケーブル作れねぇ!」
「カセットテープ実機で遊びてぇ!!」
「でも原盤使い続けるの怖ぇ~!!」

って方には、割とお勧めのバックアップ方法ですので、使わなくなったWラジカセで実験してみては如何でしょうか?
(まぁアジマス調整と再生速度の調整出来る器用さなら、専用ケーブルも作れそうな感じですが...)

以上、Wカセットデッキによるバックアップでした。


関連記事:~X1C専属ミニコンポ「D-07」
     ~X1ソフトの新たなるバックアップ方法
     ~X1ソフトのバックアップ最終調整


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