でも、自転車のフレームそのものの剛性、特に乗り心地や走りに関して元に戻るわけではありません。
あくまでもカーボン補修は、破損箇所を補う修繕を施しただけのこと。
だからひょっとしたらこの補修をしたことでフレーム全体の剛性バランスが崩れてしまい、
別の箇所が破損することにつながるかもしれません。
そんなことから、また補修することになるかもしれないので
自分用にメモとして残しておきます。
<用意したもの>
・カーボンクロス
カーボンと言ったら東レ。シート状で加工しやすいカーボンクロスの「トレカ・クロス」
クロスということで縦糸と横糸の種類があったりしますが、純炭素繊維で密度の高い3Kを選定。
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ホートク | |
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・エポキシ樹脂
2液混合型のエポキシは、硬化開始時間が長ければ長いほど仕上がりの接着強度があるといいます。
さらに、無色透明なエポキシ樹脂に対し、硬化剤は黄色いため色合いに注意しないといけません。
それらを考慮した結果、東邦産業のエポキシコートを選定。
東邦産業 エポキシ・コート | |
東邦産業 | |
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・ビニールテープ
フレームの保護やエポキシ樹脂の圧着などに使用。
エポキシの硬化後に剥がしやすいのはポリ塩化ビニールくらいの伸びのあるテープが良いらしい。
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3M(スリーエム) | |
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・筆
アクリルガッシュ用の筆なら樹脂にも強いだろうということで。テキトーに。
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ターレンスジャパン | |
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・耐水ペーパー
破損箇所のコーティング剥がしから、補修後の艶出しまで。コンパウンドがあれば尚良し。
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<作業内容>
・破損箇所を耐水ペーパー#400でガシガシ磨く(写真なし)
破損がひどい場合は#150とかそれ以下で一気にやっちゃってもいいかもしれません。
カーボンシートを貼りたい箇所全部のコーティングを剥がして、下地のカーボンがむき出しになるまで頑張りましょう。
・カーボンシートをテキトーな大きさにカットする(写真なし)
破損箇所を中心に左右2cm以上は覆うようにして、パイプの場合はぐるりと一周させます。
カーボンクロスは何枚も重ねたほうが良いですが、重ねた分厚みを増すので見栄えとのバランスを考えて。
今回はチェーンステーの補修のため、3枚重ねでやってみました。
カーボンクロスをハサミで切る際、端末がほどけないようにドラフティングテープを貼ったりする人もいるみたいですが
ゆっくり丁寧にカットすれば解けることはありません。
・エポキシ樹脂を2液混合し、カーボンシートに塗る(写真なし)
東邦産業のエポキシコートは撹拌4分、放置4分ととてもゆっくりした硬化なので慌てる必要はありませんでした。
(さらに、表面硬化は1時間くらいしてから徐々に始まるタイプ)
・カーボンシートを破損箇所に巻きつける(写真なし)
「巻く」とは言っても、カーボンシートの端末が浮いてしまいます。
なので、カーボンシート3枚重ねたあと、ゆっくりとビニールテープを巻きます。
この時、ビニールテープはシワにならないよう、ハンドルのバーテープを巻くような容量でゆっくりゆっくり巻きましょう。
巻きながら、内部の空気を抜くことと、余分なエポキシを絞り出すようなイメージで行います。
・一日放置
気温が20度以上ある夏の季節なら、そのまま放置でも良いかもしれません。
でも念のため、押し入れに転がっていたホッカイロ(貼るタイプ)で発熱させながら放置。
カーボンの硬化用の釜ってたしか50度って聞いた気がします。
・面出し
しっかり硬化しているのを確認してから、ビニールテープを剥がします。
思ってたよりもきれいに仕上がりました。
ここから面出しのため、怒涛の耐水ペーパー磨きスタート。
・表面処理のエポキシ塗布
あらためて2液混合したエポキシを塗ります。
ようやくカーボンクロスらしい生地が見えました。
さらに一日乾燥後、耐水ペーパーで処理。
ここまでで丸三日。ちょうど天気が悪い日が続いていてよかったです。
そのままでも完成なのですが、ちょっと目立ちすぎるためステッカーを貼って誤魔化しました。
どこに貼ろうかなやんでいた八方ヶ原ステッカーがこんなところで役立つとは。
逆側にもステッカー。
少し走った感じでは、剛性に違和感がなかったです。
これからどのくらい走ってくれるのだろう。自分で修理したから愛着がさらに湧きました。