TKK8695F'sDiary

知っている方はお久しぶり、初めての方は初めまして。
客車列車好きな主の備忘録のようなものです。

KATO オユ11・マニ61 350番台

2022-04-10 17:34:58 | 鉄道模型レビュー(日本型)

またまた日が開いてしまいまして・・・年明けの次は4月でございます。昼間はずいぶん暖かくなりましたが朝はまだ上着が手放せません。

さて、一度発売日が延期になったKATOの郵便・荷物列車セットBが発売となりました。今回のセットでは床下機器を変更したマニ61 350番台と新規金型のオユ11が最大の目玉でしょうか。

オユ11は1957年から製造された車で、オユ10とほぼ同期。構造もほぼ同様で登場時は非冷房でした。オユ10初期車と同様、側面下部に排気口がありましたが、後の冷房化改造で埋められた車もいたようです。オユ10と比べて郵便区分室が広くなり、その関係で採光窓が左右1枚ずつ増えているのが外観上の特徴です。東京~門司間の系統で使われ、1984年に廃車となっています。

上からオユ10、オユ11、オユ14。オユ10とオユ11では単純に採光窓が増えているわけではないのが分かります。採光窓の数が同じオユ14とも微妙に違いますね。これこそ郵便車の沼・・・ちなみにオユ11でも100番台からは冷房付き、張り上げ屋根(オユ14と同様の車体)になります。

左からオユ10、オユ11、オユ14。オユ10とオユ11は共に冷房改造車であることから似た表情となっていますが、製品化された時期の違いからか若干の違いを見出せます。右端のオユ14はそもそも屋根の断面が違い、銘板の数も違います。冷房化改造されていないからでしょうね。オユ14は12系客車の断面に裾絞りのない側面と手動ドアを組み付けたため独特な外観を形成しています。国鉄の荷物車がマニ36からマニ50に一つ飛びになったのとは対照的です。

 

もう一つ、地味な目玉となるマニ61 350番台。今までの純正マニ60でも出てないはずの魚腹台枠+小型蓄電池の床下が新規に作られています。

今回のマニ61。魚腹台枠のシルエットがよくわかります。

単品発売されたときのマニ60。魚腹台枠+北海道対応の大型蓄電池を持ちます。航走対応のためという側面もあるのでしょうね。

小型の蓄電池。水タンクがないからかずいぶんスカスカに見えますね。

大型蓄電池を持つマニ60 200番台。

今後のバリエーションを期待するとしたら最初期の長型台枠や初期の車掌・貴重品室部の窓配置が違うタイプや純マニ60でも側ドアが鋼製のものになった300番台などでしょうか。似たような外見でもバリエーションが豊かなマニ60、今後どういったバリエーションが出てくるのか楽しみですね。

ではでは(@^^)/~~~


KATO 43系夜行急行「きそ」セットに手を加えてみる

2020-12-17 20:31:36 | 鉄道模型レビュー(日本型)

先日KATOより発売された夜行急行「きそ」セット。セットでは1975年~1982年の編成で、編成中にオハフ46やナハ10の試作車、ナハ10 2901(電暖装備により+2000)などが含まれたバラエティに富む編成となっています。

オハフ46 2026 名ナコ

スハ43の台車をオハネ17改造時に供出し、余ったTR23FもしくはTR23Hに交換したうえで緩急車化改造された車両。増設された車掌室とその下のハッチ、手すりとテールライトが増設された妻面が特徴です。製品はTR23Hに交換された車両をプロトタイプとしているようです。

オハ46 2673 名ナコ

元スハ43で再計量の結果オハ46に編入されたグループでアルミサッシに交換された姿。

オハ46 2669 名ナコ

元スハ43で再計量の結果オハ46に編入されたグループ。原形のままの鉄サッシ車。

オハ46 2023 名ナコ

オリジナルの鋼板屋根のオハ46。便所窓までアルミサッシ化されており、最初エラーかと思いましたがどうもこれで正しい様子。一方、現車はドア窓が天地寸法の小さいタイプのドアになっているらしく、そこはプロトタイプを外しているようです。

ナハ10 2901 名ナコ

見た目ほぼ変わらず、連結したら分からなくなる注目株という不思議な車。スライド金型によって妻面が新たに作られ、台車もこの試作車専用のものがおこされています。

オハフ45 2013 名ナコ

車掌室がデッキの外にあるオリジナルタイプのオハフ45。これがあると勾配線区の優等列車が組みやすくなりますね。キャンバス抑えがない妻面はなんとも間抜けにも見えます。

スハネ16 2101 名ナコ

オハネフ12 2034 名ナコ

寝台車2両は特に新しい点もなく、いつも通り。ただしオハネフ12は常に中間に入るためテールライトユニットは無しとされています。

マニ36 2145 長ナノ

元スハ32改造タイプ。ただし、該当ナンバーはスハ32時代の窓を流用したグループに該当し、車掌室以外の窓は600mmのままのものですが製品では図面通りの700mmグループ。ただ、当時長ナノに配置されていたマニ36はこの2145号車のほかは元オロ40で張り上げ屋根の2021番のみ。他には元スハニ32のマニ35 2066(製品化済み)、マニ60 2008、2015、2016、2023、2041、2382、2383(オリジナルのドア間4枚 製品化済み)、2054(元オハユニ63 製品化済み)、2136(元オハニ61 オハユニ63改造車と同形態)がいたので編成を手軽に荷物車を変えてみるならこの辺りになるでしょうか。

スユニ61 2033 長ナノ

元オハニ61グループ。オハニ61前期車改造グループなので本来は後方監視窓無しのグループ。長野にはこの2033のほかに同形態の2002、台車がTR23もしくはTR34に交換されて車体は同形態の2111がいますので加工するとしたらこの辺りでしょうか。

全車共通の加工はいつも通り

・屋根全般の再塗装(キャンバス屋根車はスエード調スプレー+暗い屋根グレー、鋼板屋根車は明るい屋根グレー)

・ベンチレーターの再塗装(明るい屋根グレー)

・屋根上ステップと手すりの別体化(ボナファイデプロダクツ手すり+エナメルスカイグレイ)

・客扉ステップへの色差し(長ナノ車は黒、名ナコ車は調色したエナメルグレー)

・貫通幌のゴム部への色差し(エナメルスカイグレイ、名ナコ車は渡り板に調色したエナメルグレー)

そう、地味な点ですが名ナコ車は客扉ステップと渡り板が普通の旧客と違いグレーに塗られているのです!

塗ってみるとやはりかなり目立ちますね・・・このステップがグレーになるだけでもかなり印象が変わって見えます。なんとなく新しく見えてきます。なお、マニ36の屋根ステップはパーツ切れにつき穴開けただけで未取り付け・・・

ナハ10 2901の特徴的なポイント。リブ付きの妻面は10系座席車ではこの試作車だけでした。

台車も専用のもの。コイルばねが量産車と違い1本だけです。オリジナルではサッシなんかも違うらしいですが後年のサッシ交換で普通の10系用サッシになった車両もいたようです。客扉ステップはどうも10系などの軽量客車はステップの板部分のみグレーに塗らている「ようなので」そのように。これは私なりの解釈で事実ではない可能性大です。色差しは面倒ですがなかなかアクセントになってよろしいかと。

 

さて、今回の「きそ」号、当時の客車列車の常で時代を経るごとに配置と入っている車両が変わる列車でもありました。ちょっとだけ解説。

次回は「きその遊び方」と称して編成と当時の配置を紹介してみます。

 

参考図書:RM LIBRARY134・135 マニ35・36・37のバリエーション(上下巻)、クリティブ モア 荷物車・郵便車の世界


KATO スハ32系中央本線普通列車セットに手を加えてみる

2020-12-06 22:57:29 | 鉄道模型レビュー(日本型)

再生産されたスハ32系セット、せっかく良い出来の模型なのでちょっと手を加えて見栄えをよくしてみました。

マニ60 2501 長ナノ

元オハニ61 12で、本当なら後方監視窓はないはずなのですが・・・KATOの時代設定が1971年ごろと手持ちの資料が無い時代なのでなんとも言えないのですが、少なくとも69年の配置表ではオリジナルのドア間4枚窓のオリジナルのマニ60(2008、2019、2041)が、同じ窓配置で後方監視窓がある元オハユニ63改造車の2054番が配置されているのでそちらにしたら間違いは無かったのではないかと。

スユニ61 43 長ナノ

元オハニ61 262で、1975年に宇和島で廃車となった後、救援車オエ61 51となる。

スハフ32 283 西イイ

スハ32 186 西イイ

スハ32 188 西イイ

オハフ33 2517 西イイ

今回含まれている4両の3等車は後に荷物車に改造されることもなく3等車のまま役目を終えているようです。

マヌ34 4 西コフ

今回のセットの白眉、マヌ34! と言ってもメジャーな形式なのでこれまでも数多くキットになってきた車両でもあるのですが。電気暖房化されておらず機関車にSGがついていない線区で使われる・・・と制約は多いですが、何故か人気のある車両です。当時甲府にはマヌ34のほかにもナヌ32(2~5)とオヌ33 8が配置されていましたが新宿まで来ていたかは不明。編成に手を入れてみるならこの暖房車を変えてみると雰囲気が変わるかもしれません。

さて、ここからは加工ポイントを。加工点は

・屋根上の手すり、ステップを別体化・新設

・デッキドアの蹴込部分にエナメルで黒差し

・緩急車のテールライトレンズ側の貫通幌の蛇腹部分にプライマーを塗布した上でグレーを色差し

・キャンバス屋根車はジェイズのスエード調スプレーを吹いたのち「暗い屋根グレー」を塗布

・ベンチレーターは明るい屋根グレーで再塗装

マニ60・スユニ61は屋根上に手すりのモールドがあるので最初に薄く削り取った後に手すりの穴を0.3mmで開けた後ノミで綺麗に削り取った後、屋根の塗装・ベンチレーター・手すりの取り付けと進めていきます。

スハフ32・オハフ33はなぜか製品状態で屋根上の手すりが表現されていないので写真を参考に植えています。かなり目立つもの且つほぼすべての丸屋根車にあるものなのにオハフ33にもモールドすらありません。逆に言えば格好の加工ポイントでしょうか。暗い屋根に明るいステップと手すり、ベンチレーターが実によいコントラストを作り出します。ステップまで明るいグレーなのは製品を見ていると奇異に感じますが、鉄部はねずみ色1号との規定に則るとこうなります。この角度だと幌の蛇腹部分をグレーに塗った効果が分かりますね。

緩急車3態。平妻、丸屋根、キノコ妻とバラエティ豊かなのが旧型客車の面白い点。実際の425レはあと3両足らず、所定7両+マニ・スユニとなります。あとは時代を考えつつ単品やセットの車両を足していくことになるのでしょうか。飯田町区は両数の割に配置されていた車両の入れ替わりが結構あるので皆さんお好みの時代・編成を組んでみると面白いでしょう。