心景色のままに

花、空、人・・・こころのあるがままに書き綴った詩、写真。

※著作権法に基づき無断転載・複製することはご遠慮ください

思い出探しの旅

2004-09-19 05:38:49 | Weblog
                           2003/08/24








初めての北海道の第一歩は
晴海埠頭から一日半のフェリーの旅で
夜の暗い海が恐かった・・
大きなリュックを背負って
霧の釧路に上陸

雑誌で見た喫茶店「停車場」を捜し
「バターたっぷりのトーストとコーヒーを注文」からスタート
阿寒湖、摩周湖、屈斜路湖、美幌峠、知床、網走、旭川、札幌、登別、函館・・・。
あれは何年前になるのだろう・・

次の年は、上野から夜行列車で青函連絡船に
函館、大沼公園、小樽、積丹、札幌、利尻島、礼文島、稚内、岩見沢、札幌、洞爺湖、支笏湖、函館、青森、十和田湖、三陸海岸、岩泉、盛岡、・・・。

あれから・・・何年経っただろう・・・

今年は、羽田からジェット機で千歳に
一緒に旅する人は友ではないけれど・・
昔の思い出と一緒に来た事ある町を旅しているよう

記憶をたどって歩く私の・・前を歩いているのは
あの頃のわたし

あのお店でおみやげ買って
この喫茶店でお茶を飲んだ・・
あの峠の景色に感動した

想い出見つけの旅のよう

今年の夏の新しい思い出は
わたしが行きたいと言っていった・・・
美瑛と富良野の美しい丘
ラベンダー畑

ひろーい広い青空と白い雲と
万年雪を抱いた大雪の山々
緑の大地に咲く色とりどりの花

今度来る時は・・・
あの美しい花の丘に
想い出見つけの旅をする


江戸の秋

2004-09-19 05:26:02 | Weblog
                           2003/11/24(Mon)







其処は下町の路地を入った
戦前からの寺町

お不動さんの前では
賑やかに臼でお餅を搗く音
近所の人たちが賑やかに集まり

心地いい日差しの中
ゆったりとした時間が流ている

赤く染まった桜の葉がハラハラと
11月というのに暖かな ぬくい空気の中を
日向ぼっこでも楽しむように
裏に表に舞い落ちてくる

郊外のイベント広場のような所では
行列が出来て、大きな音で音楽や放送が流れる
集う人の心もハイテンションで
笑顔は・・・疲れて見える

昔ながらの深川の町は
ゆったりとした時間が流れ
楽しそうな笑顔とあたたかな会話が聞かれ
懐の深さを感じる

木漏れ日の下を通り抜け
ふっと後を振り返ると・・・
幼い頃に訪れた・・・遠い記憶が
スライドショーのように蘇えって来た

今日からはここに来れば
懐かしい人に逢える

一期一会

2004-09-19 05:22:23 | Weblog
                     2003/12/13(Sat)







12月9日、昨年の今日は
雪が降っていたっけ・・・
思い記憶が蘇えってくる

月日は一日も欠けることなく
同じ日付が巡ってくる
時計の秒針のように音をたて
規則正しく時を刻む

避けて通り過ぎたい日
待ち遠しい日
時は巡って来るけれど・・・

今年は欠けてしまったことがあり
二度と会えない人がいる
二度と会えない自分がいる

一期一会を噛み締めて
時を刻んで行こう

冬枯れの林

2004-09-19 05:12:04 | Weblog
                     2003/12/19(Fri)







冬枯れの林
遠くの方まで・・・ずっと続く暗いその中を
何処までもひとりで歩こう

ザワザワと風の音を聞きながら
落ち葉を踏む 乾いた音をたてて
パキッパキッと枯れ枝を踏みながら

時折 空を見上げると
高い空からスポットライトのように
日が差し込んで
その日差しの通り道では舞い落ちる落ち葉が主役

地面に積もるその瞬間までの短い出番
オーケストラは小鳥達のさえずり・・・
切り株に腰をかけ 頬杖をついて
クルクル舞い落ちる様をぼんやりと見つめている

時の流れが止まる

そういう大人で・・・

2004-09-19 05:01:35 | Weblog
                        2003/12/22






いつまでも、子どもの輝いている瞬間に
気付ける大人でいたいな。
輝きを見つけてあげたり
輝ける可能性を見つけてあげられる大人でいたいな。
輝いている事に気付かせてあげられる
一緒に輝ける・・・大人でいたいな。

輝きが曇ってきたら
黙って、肩を並べて一緒に歩き
夜空に広がる満天の星を眺めてみよう

そして、うーんと心に寒さが沁みるようなら
大きな掌でその小さな掌をそっと温めてあげよう
温かい涙が頬を伝って零れそうになったら
もっと大きく掌を広げて
優しく頭を撫でてあげよう
幼い頃のように・・・

そんな大人でいたいな

ホワイト・クリスマス

2004-09-19 04:52:54 | Weblog
                    2003/12/23(Tue)






今年は叶うと信じてた
ホワイト・クリスマス
吸い込まれそうに暗い空から落ちて来る
白い・・白い・・雪が舞落ちて来る

時計の針が 夜空をさすの
ライトに照らされた向こう側
キラキラ輝く 雪が降る
ホワイト・クリスマス


今年は叶うと信じてた
ホワイト・クリスマス
むかし出逢った あの喫茶店
キャンドルの灯りを見つめてる
静かな窓の外には
白い・・白い・・雪が舞い落ちてくる

冷たい指を温めてくれた
キャンドルの灯りが微かに揺れる
冷たい手袋で 雪が解けていく
ホワイト・クリスマス

今年も無いかなと思っても
心のどこかで待っている
ふたりだけの
遠い記憶の
ホワイト・クリスマス・・・

朝の世界から

2004-09-19 04:46:15 | Weblog
                       2003/12/26(Fri)







暗いビロウドのような空に向けて
朝の世界から赤や紫、黄色の
少し落としたスポットライトが当る
朝焼けの空を背に

落葉樹の木々のシルエットが
黒く浮かび上がる
どこかで見た写真のような森を下って行くと

目の前に銀色に光る広い芝の海・・
白々と夜の明けるほんの少しの間だけ
そこを通った人だけが
見つけることのできる 光る芝の広場

真夜中の雪景色

2004-09-19 04:35:13 | Weblog
                  2003/12/27(Sat)






だぁれもいない真夜中の世界に
こっそりと・・ひっそりと・・
雪が降っています

真夜中の世界から
音も立てずに降ってきて
木々の葉や草の上に積もる時
ちいさな音をたて

忍び足でそーっと
静かに・・静かに

白い妖精たちがこっそり
遊びに来ています

傷心の君へ

2004-09-19 04:32:25 | Weblog
                 2004/01/19(Mon)






一人ぼっちの孤独な戦いも
肩を並べるライバルや
わが身の事のように応援してる
仲間や家族が後押ししてくれている

君の背中を目標に
歯を食い縛る後輩達がいる

あした目覚めたら
また、新しい目標に向い
走り始めよう  君らしく

爽やかに走り始めよう
君らしく・・・自信を持って

遠くの目標をしっかり見定めて
自信を持って
君らしく


掌  Ⅱ

2004-09-19 04:18:11 | Weblog
              






冷たく凍えた掌からサラサラと零れ落ちる
銀色の砂は・・・
風に流れて舞上がる

頬を流れる涙も風に流れて・・
流れて消える
ただ、込み上げて溢れた時の
温かな記憶だけが・・・私の宝物


冷たく凍えた掌からサラサラと零れ落ちる
銀色の砂を・・・
受け止めてくれる

風になびく長い髪を
優しく撫でてくれる
そっと、触れた瞬間の
指先の温かさだけが・・・私の宝物

てのひら

2004-09-19 03:58:00 | Weblog
                   2004/02/16(Mon)





小さな掌をそっと握った日の
柔らかな温かさを
憶えていますか

細めた目に小さな寝顔が吸い込まれる
マシュマロみたいに甘い頬
思わずくちづけてみる

小さな掌は私の指を力いっぱい握って
かわいい口を思い切り
この時とばかり開けてる・・・

世の中の不安は、思いきり広げた掌で
穏やかな心安らぐ瞬間は
両のほっぺの横にふわっと握った掌で

何故かふと、思い出したあの日


    

妖精に出会った日

2004-09-19 03:49:14 | Weblog
                    2004/02/29(Sun)






笑顔と笑顔の間に
小さな両手にしっかりと抱えられた
カシミヤのようなウサギの
ふわふわのぬいぐるみ
乳母車に乗った子は ずっと
嬉しそうに目を細め、頬擦りしてる

芽吹き始めた 柳の
しなやかに垂れるその枝は
若草色のビーズを通したように
時折 吹いてくる風に
音もなく優しく揺れる 春首飾りを
にっこり微笑んで 指差す妖が・・・

夜桜に

2004-09-19 03:34:28 | Weblog
                 2004/04/06(Tue)







花冷えの桜並木

枝の先に 手毬のようにくっきりと

白く浮かび上がる 夜桜に

ほのかにあたたかな 月明かり

散りゆく桜を そっと見上げ

小さな声で願い事をひとつ・・・

月の微笑み

2004-09-19 03:31:24 | Weblog
                    :2004/04/06(Tue)





賑やかだったお祭りも終わり

散る花吹雪に胸がトックンと脈打つ

桜のトンネルの真上には

二筋の雲を 薄っすらと従えた

丸い 大きな月が出て

にっこり笑って見ています

静かな夜にくっきり浮かぶ

夜桜の白さが 美しくって

優しい眼差しを注いでくれているのでしょう

サクラソウ

2004-09-19 03:16:03 | Weblog







息を弾ませて坂道を上がると

若草の絨毯の中に

ぽっ・・・と頬を赤らめた乙女のように

ピンク色に染まる柔らかな野が広がる

近づくとそれは

初めてつけた紅の色・・・


小さなハートの花びらが、五弁輪になって

寄り添いながら咲いている

春の日差しに照らされ

眩しい程に私を照らす

爽やかな風にそっと目を閉じれば

甘くて優しい・・・野ウルシの匂いがした