先日、「春一番」からのぉ北西の強風・・・。
北海道や東北で多くの被害を出した、強烈な季節風。
そこで、ふと思ったのは日本古来の風の呼び方。
菅原道真の「東風(こち)吹かば 匂いよこせよ・・・」で、ある意味有名なのは、東風を「こち」と呼ぶこと。
・・・ちなみに、梅の花が咲く2月後半3月前半に東から風が吹くことはめったにないでしょうネ。
あとは、南風を「はえ」と呼ぶことも知られている。
沖縄の地名で南風原(はえばる)、というのもある。
ただ、なんとなくではあるが、「こち」も「はえ」も西日本での呼び方のような気がする。
ま、江戸幕府ができるまでは、日本の文化は西日本中心だったのでしょうから、「古来の呼び名」は西日本に馴染んでいても不思議はない。
では、冬の季節風・・・。
そう、西高東低の気圧配置で吹きまくる北西の風は何て言うのかな・・・?
どうやら西日本(近畿以西)では「あなじ」というそうだ。
「あなじ(乾風) 冬に近畿以西で吹く、船の航行を妨げる強い北西季節風。あなぜ。あなし。」
でも、これは「乾風」。 北陸や東北の日本海側に吹く豪雪などの被害をもたらす季節風の呼び方ではないようだ。
東・北日本では、「玉風(たまかぜ)」というらしい。
冬,北日本の日本海側で吹く,北よりの風。豪雪をもたらし,海上は大しけとなる。束風(たばかぜ)。
う~~~ん、 激しい風なのに「玉風」って、ちょっと迫力に欠ける名前のような・・・
まぁ、同じ冬の季節風でも、新潟では「玉風」として豪雪をもたらすけど、山を越えて群馬県に入ると「空っ風(からっかぜ)」になっちゃうんですけどネ。
あっ、話を戻すと、日本の地理的、天候的条件では、東からの風っていうのは何か特別な意味を持っていたんだと思います。
冬は北西からの季節風があたりまえ~
。
夏は太平洋高気圧から吹く、南風があたりまえ~
。
・・・だから、関東以北では「はえ」なんて呼ばない。
当たり前の風は、特別な名前で呼ばれなくなっちゃうんでしょうネ。
「こち(東風)」だけは、きっと特別なんですね。