I~これが私~

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『死神』9.死神の説明<1>

2011-10-21 18:40:28 | 小説『死神』
死神

9.死神の説明

<1>

「な、なんでよっ!」
「仕事だから。」
「そうじゃなくて~!!別に、お父さんは死ななくったっていいじゃない!」
「違うんだって。」
さっきから迅とルリの言い合いが続いている。
何が違うんだよ!と怒鳴りたいのはやまやまだが、迅がこんなにも言うんだから、理由があるんだろう。
だがルリは、分かってないし…。
てか、分かるつもりないんかな?
「迅。」
仕方ないから口を挟む。
「あ?」
「理由が、あるんでしょ?」
「ちょ、ルカまで…!」
ルリが慌てたように言う。
以前ルリが迅のこと「バカ」って言ってたけど、どっちもどっちじゃないかなぁって思った。
「ルカ…。」
迅が驚いた顔でこっちを見つめてきてるし。
あー、この視線うざいわ。
「早く言えば?あんた、『時は金なり』ってことわざ知ってるわけ?」
知らず知らずのうちに毒舌になっていた。
迅が柔らかく苦笑する。
「あぁ、そうだな。」
「…え?」
「……。」
少しその笑顔に、自分が見とれてしまったことに気付き、自分の頭を思いっきり叩いた。

ルリは間抜けな顔して、1人首を傾げていたけど。


written by ふーちん


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