「消えゆく戦争体験」想い出紙芝居 追記
●数日前に発表した企画…消えゆく戦争体験を思い出紙芝居で後世に残そうという私の記事・ハウツー本に対し、多くの方からメッセージを頂戴した。その内容を少し書いてみる。
●先ず第一印象は「驚愕!」である。なにが驚愕か?
メッセージの多くは、
一、「これに深入りすると、後でどんなことになるか判らない、つまり、巧妙なサギではないのか」ということだ。大変いいことを提案しているようだが安易に足を踏みいれるとなにが起こるか不安た。きっと何かが仕組まれている。
二、時流を利用した新種のサギかも知れない。だから、近寄らないほうがいいと思う。
●ざっとこんな内容だ。わたしの受けた衝撃は計り知れないものとなった。約二十年前、この種の体験談企画を発表したときは、
「いいことですね。書く用意があるので、その時はよろしくお願いします。」
「書きたいと思っています。物になるか判らないが、やってみたい。」
「仲間がいるので、一度説明会をお願いできないでしょうか?」
等々、前向きなお便りを頂いた。しかし今はどうか。二十年経って社会構造が変形してしまった様子だ。なんでもかんでも注意!注意!の連呼の世にな ってしまった。人心の荒廃としか言いようがない。平成元禄、たるみきった指導者達、学校教育の崩壊か?
●こんな世の中に誰がした♪…歌の文句じゃないけれど、もはや大変な世の中になったものだ。今になって慌てて学校教科に「道徳教育」をとりいれなければという、ドロボー捕まえて ナワを綯う如き醜態をさらしている。当たり前が通用しなくなった現在社会……なんと悲しいことか。
●わたしは二十八年間、文章・文学・作文・創作を愛する方々とお付き合いをし、数えきれないほどの生原稿を拝見したり、文章表現に激論をたたかわしたりしてきた。皆、それを楽しみ、お互いに勉強してきたものだ。今回の如き、初っ端から「疑念」を抱く人など皆無だった。
●時代の変遷……仕方ないさ……そういって片付けるには、あまりにも虚しい。「消えゆく戦争体験・思い出紙芝居」の冊子でどのように説明しても、もはやどうすることもできないほどに人を信じない疑心暗鬼の刹那主義が支配する平成天国?になりさがってしまったようだ。
●それでも、心ある人は数人は居た。多少の救いにはなった。その方々からのご質問にお答えする。
質問「あなたの冊子を読んだが、まだ制作する自信がない。」
「もっと、具体的に説明して欲しい」
「本当に、費用は掛からないのか?」
「説明会のようなものがあるのか?」
等々。
●これらのことにメールでお答えしました。
一、当時の写真などを取り出して、見つめて下さい。きっと何らかのメッセージがわき上がって来る筈です。
例えば、亡くなった戦友の声・空腹の環境・恐怖感・寒さ・家族からの手紙など、ロケーションが異常であったが故に、後から後から湧き出してくるのではないでしょうか。それを音として或は声、叫びとして一行でも二行でも書き出せばいいのです。その作業の連続が、一幕・二幕と重なり想い出 紙芝居、つまりは、真実の記録となるのであって、決して名文でなくてもいいのです。否下手にいじくりまわさないほうが真実味が増し、それに接する現在人には新鮮に伝わるものです。特に、青少年諸君にはなおさらです。彼らには驚きなのです。
二、冊子に書いている如く、作者には一切の費用がかかりません。ただし、ご自分で保管される場合は当編集室は何ら関わりがないわけですが、世間に公表する場合は、それなりの覚悟が必要です。
仮に、出版する場合は、その編集手数料として廉価で販売した売り上げの中から経費として頂戴します。売れればの話ですがね。
とに角今回の企画はわたしの自分史制作二十八年の総決算でもあります。今やらなければ今後こういったことはできないと思われるからです。
三、説明会的なものは、ご要望があればスケジュールがつき次第、無料でおこなっていきたいと考えておりますが、制作内容的には郵便等のやりとりで殆どのことは解決できるのではないかとも考えております。
●本日の記事は、一昔前には想像だにしなかった反響に只々驚愕したため、慌てて書いた次第。
今後、誠意あるお便りをお待ちしております。
よしいふみと