日曜日は自身では4回目になる「トヨニ岳」に行って来ました。
昨年はホワイトアウト寸前で、過去一番の雪も全然楽しめず、今年こそはリベンジで。
メンバーは、タカシと自分。
タカシはこの日まで、初体験の南日高のBC にワクワクが止まらなかっただろう。そんな彼に素晴らしい眺望と滑走を味わってもらいたいものだ。
6時出発。ヘッデンスタート。周りは少し明るくなってきてる。
トンネルの横の施設が解体されて無くなっていた。奥の沢の状態が気になるが出発時には確認できず。トンネルの上の斜面を登る3つのヘッデンの明かりが見えた。先行者は野塚に向かうようだ。
我々は彼らとは反対に川を下りていく。がっ、P帯から下流もすっかり姿を変えていた。中洲的なところの木がほとんどなく、平らになっている。残っている木も軒並み倒されていた。いつもの渡涉のルートが無駄になる。2つ目の橋ぐらいからは被害も少なくいつものルートを取れるが倒木に進路を邪魔される。
二股のスノーブリッジは立派。いつになく楽勝。取り付き地点までも支障は無かった。
南東尾根に取り付くが、やはり積雪は少ない。一番登りやすい斜面は笹がかなり出ている。東側から登り出す。第一の関門、取り付きの登りだ。ここからいきなりの高度を上げる。決して最初から楽な登りではないが、まずはここを上がらなければ始まらない。
尾根上に上がると陽は当たらないが、素晴らしい天気なのはわかった。今年は全体的には雪は少ないが、尾根上には例年より雪がある。そのままシールで進む。タカシと一緒なため、なるべくはシールで上がりたかったので好都合だが、さてさてどこまで上がれるやら?
という自分もスノーシューを忘れてきてしまい、結局はタカシと同じ装備で上がるしかない。
1つポコを超えるたびに小休憩を入れる。シールで上がってはいるが、ズリズリだ。細かくジグるもコース取りに手間取る。
1つポコを上がるたびに高度感が増し、対面ルートの稜線がだんだん上の方まで見えてくる。そのたびにタカシは感激していた。 そうだ自分も最初の時感動した景色かだんだんと広がってくる。次期に野塚も見えてきた。タカシは西峰が偉く気に入っていた。チャンスがあれば一緒に行こう。
だが、東峰に乗り上げなければ南峰も吊り尾根も北峰もピリカヌプリも見えない。
さすがにタカシもペースは上がらない。それでも必死になって東峰まで登り上げた。
東峰からの景色にタカシは「うお~、スゲー!」と大感激していた。この風景は写真で見れても、自分の目で見なければ、その迫力、感動は味わえない。また一人、ここの虜になった野郎が増えたことだろう。
東峰の登りからは樹木もその姿を変貌させていた。樹氷で真っ白だ。ここまで来るとぐっと気温が低い。一気に指先が痛くなってきた。
吊り尾根を渡り南峰に到着。ここまでずっとシール。だが、いつもよりかなり時間がかかっている。タカシと次来るならば装備の検討をした方がいいだろうという意見に合致した。自分単独時は途中からスノーシューで上がってきている。そのタイムと比べたら1時間近く時間がかかっていることになるからだ。今後の課題とした。
多少雲が出てきたが最高の天気だ!素晴らしいロケーションだ。この景色はここ特有のものだろう。浦河側も大樹側も海が見える。北側にはピリカヌプリ、自分にはまだ山座同定できぬ山々がづらりと肩を並べているのが見える。まさに日高山脈の中にいるのだ。
雪屁の陰に隠れてセットアップ。
それぞれ違うドロップポイントを落とす。
まずは自分から。また同じピークからのルンゼに吸い込まれていく。
二股までは大概雪がそんなに悪くないことを今までの経験でわかっている。雪は薄く硬めではあるがターンに支障はない。一気に急に狭くなるルンゼの滑走を楽しみ二股でタカシを待つ。タカシは二股のもう一方の吊り尾根からのルンゼを下りてくる。
こちらの方が雪が良かったのだろう。タカシの切った斜面が多少雪崩れた。タカシは小規模で危険はないが初の体験だったようだ。雪的にはこちらの方が気持ちよさそうだった。
二股からは日陰になっていく。
この先は雪が少なく、あまり雪面は良さそうには見えない。おそらくは硬めだろう。
それはルンゼの中の風景で察しがつく。自分が先頭で様子を見ながら慎重に下りていく。
やはり雪面は硬く、気持ち良くターンが出来ない。タカシには残念だったが、ゆっくりと安全に下りていく。
大きく雪崩れた跡もなく、雪が足りなくあちこち大きなボール状になっていて、いつもならないであろうところから口が空いて水が流れている。この時期にこんな光景は初めてだ。
いつも藪が酷くなるところまで滑り下りて、左岸の平野部に乗り上げるだが、そこまで滑り下りれず、途中でシールを貼った。
尾根末端を回りこみ、取り付きまでのトレースに戻り川をテクテク帰った。
いい天気だったはずだったのに、上部には雲が押し寄せていた。いいタイミングだったようだ。
トンネル横にあった施設は、道路の反対側に移設されたようだ。
今回タカシは、ここに大変行きたがっていたので、その眺望には満足してくれたようだ。滑走は残念だったが、ここを気に入ってくれたようだ。良かった。
行けるであろう、滑れるであろう人には是非とも来てほしいところだ。
自分もそうであったように、きっとBCの世界観が変わるだろうと思う。しかし、危険なところでもあるので、十分な安全策はとるべき。
最後にタカシが言った言葉には納得した。
「ここは体力、気力、登行技術、滑走能力、あらゆる山に関する知識が試される場所だ」そして「これほどの充実感があるBC は初めてだ」と・・・
自分も連れてきた甲斐があったと安心した。
それでは
2月のトヨニ岳は,すっかり恒例になりましたね
動画を見ると,少し雪面が硬そうですが,天気とロケーションは最高ですね!
急傾斜の南東尾根からの登りは,相当,大変だったんじゃないですか
最後までシールで登ったというのは,たいしたものですわ
私は昨日(2月11日),野塚と西峰のコルまで行ってきたのですが,やはり雪は硬く,登りも降りも難儀しました
去年の2月には,野塚でナイスパウダーに当たっていたので,期待していたのですが…
パウダーシーズンも残り少なくなってきました
天気を読んで各地の情報を集めて,何とかパウダーを当ててみたいです
では,また
今年行動を共にする10歳年下のタカシを連れて行きたくて、今年も行ってきました!
天気と眺望は最高でしたが、滑りの方は残念な結果になりました。二股まではまぁまぁ楽しめましたが、その下は雪不足で結構修行となりました。
シール登行は思いのほか厳しく、かなり時間がかかってしまいました。やはりシューのほうが、時間も疲労においても得策かと・・・
hidekinさんの活躍をいつも見て感心していて、勇気とモチベーションをいただいています。これからもよろしくお願いします。
今年一緒に行動している連中もhidekinさんには、驚嘆と羨望の的になっています。
またどこかでお会いできることを楽しみにしています。
それでは、お気をつけて!