おちょこな日々

「器の小さき事、御猪口の如し」 器の小さいおちょこ床宗の日記です 

懐中時計(3)  SEIKO 鉄道時計 別注品

2016年02月09日 | 時計

リサイクルショップの店頭でまたもや珍しい懐中時計を見つけてしまいました。

ケースデザインやサイズはSEIKOの現行鉄道時計と同じですが、文字盤は見たことがないデザイン。「なんだこれは!」と思い見せてもらうと、どうやらSEIKOにオリジナルデザインで発注した別注品の鉄道時計らしく、何とも言えないレトロな感じの文字盤が良い味を出していました。この文字盤のデザインに惹かれて思わず購入。お値段、1万円です…。

現行品とは違い、ちょっとレトロな感じの数字のデザインが非常に気に入りました。本体の状態は傷も少なく、なかなか良い状態だったのですが、風防は傷だらけでした。そのためポリウォッチで丁寧に磨いてみたら、小傷が随分と消え見やすくキレイな状態に! プラ風防の小傷にはポリウォッチがお薦めです!

針は懐かしいブルースチールの様な青色。長針と短針は昔の針のように少し湾曲した質感の高いタイプのデザインとなっています。また画像では分かりにくいですが、文字盤中央部分は波模様のデザインが入っています。日に当たる場所に置かれていたのか、文字盤には少しヤケが見られますが、これがまた良い感じです。

裏面にはこの時計の発注元の手がかりとなる刻印がありました。調べてみると東京に本社があるリネン関係などを取り扱っている繊維商社、(株)廣瀬商会が創業100周年の記念として2005年に作った懐中時計である事が分かりました。記念品として関係者に配られた物の一つが何らかの事情で売却され、リサイクルショップに流れ付いた物だと思われます。ちなみにムーブメントは現行と同じクオーツの7C21で精度は申し分ありません。強化耐磁性能もあり磁力にも強いです。

レトロなデザインの文字盤でありながら、非常に正確な時を刻むこの懐中時計は、私が所有するクオーツ懐中時計の中で一番のお気に入りとなり、無くてはならない時計として愛用しています。廣瀬商会とは全く縁もゆかりもない者が偶然手に入れて愛用しているとは、不思議な巡り合わせですね。