北海道県警(道警)の裏金を暴きだした北海道新聞(道新)が出版した本に対して、ささいなことで道警総務部長が名誉棄損訴訟を提起し、なんと一審で道新側が負けてしまったことについては、何度か取り上げましたが(※)、取材班リーダーだった高田昌幸記者(上記事件の被告でもある)が月刊マスコミ市民4月号で語ったエピソードに衝撃を受けたので、紹介したい。
エピソードは、札幌地裁で判決のあった日、高田記者がコピー機を借りようと司法記者クラブに入った際、モーセの十戒の如く海が割れるように、人混みが左右に割れ、コピー機に辿り着くまでの道ができたというものだ。コピーしている間も、若い記者やテレビ局の記者は黙ったままで話しかけてこなかったという。
高田記者は、「裁判の当事者がのこのこ現れたわけですから、ふつうなら、会見で聞けなかったことを、聞こうとするじゃないですか。あるいは、名刺だけでも交換しようとか」と述べたうえ、「現場の記者が意味もなく委縮している、まさに今のムードを的確に表していると感じました」と感想を述べている。
私も正直、がっかりした。これまで、システム(クロスオーナーシップ、総務省による放送行政、巨大広告代理店の存在など)に問題があるから、日本のメディアは政府批判、権力批判ができにくい構造にある、という趣旨のことを書き続けてきた。その姿勢について、制度ばかり批判するのではなく、メディアで働く者の自覚をもっと促すべきではないか、などという指摘を受けてきた。それでも私は、やる気はあるはず、環境さえ整えば力を発揮できると言い続けてきた。
しかし、判決のあった日に裁判の当事者に近寄ってこないのは、やはり、自覚の問題というほかない。システムだけの問題ではないようにさえ思えてしまう。
あなたが、司法記者クラブにいたら、どう対応したでしょうか?現役の記者皆さんに考えて欲しい。
※「道警幹部に裏金関係で失われる社会的評価があるのか~対道新名誉毀損訴訟判決を読もう!」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5532b0a690a29ad29388f0251acb50bb)
「道警幹部名誉棄損訴訟で証拠として提出された「マスコミ関係者」の見解って、記者クラブは抗議したのか?」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/66ac411faa9d2bccbb9afc8fec769ec1)
【ツイッターアカウント】yamebun
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。
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高田記者は、「裁判の当事者がのこのこ現れたわけですから、ふつうなら、会見で聞けなかったことを、聞こうとするじゃないですか。あるいは、名刺だけでも交換しようとか」と述べたうえ、「現場の記者が意味もなく委縮している、まさに今のムードを的確に表していると感じました」と感想を述べている。
私も正直、がっかりした。これまで、システム(クロスオーナーシップ、総務省による放送行政、巨大広告代理店の存在など)に問題があるから、日本のメディアは政府批判、権力批判ができにくい構造にある、という趣旨のことを書き続けてきた。その姿勢について、制度ばかり批判するのではなく、メディアで働く者の自覚をもっと促すべきではないか、などという指摘を受けてきた。それでも私は、やる気はあるはず、環境さえ整えば力を発揮できると言い続けてきた。
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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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