「工業分野への影響も深刻だ」 2020-10-23 00:00:00 | 日記 2020年10月23日、近年、水不足が続く北朝鮮。農業への被害にとどまらず、水力発電所の稼働もままならないため、「工業分野への影響も深刻だ」との声も北朝鮮国内から聞こえてくるのだ。特に「モネギ」といわれる田植えの時期に雨が降らず、秋の収穫が心配されている。苗も十分に育たず、海岸に近い農場では海水の逆流による塩害も受けているという。北朝鮮の専門家によると、2013年の北朝鮮国内の穀物生産量は約562万トン。前年比約32万トン増え、ここ3~4年は同程度の増産という。国内で食糧・工業用として必要な穀物生産量は約600万トンとされ、2013年の生産量が正しければ、深刻な穀物不足とまでは言えない。輸入などで30万トン余りの不足分を賄うのは、それほど大きな問題ではないからだ。実は2014年も、北朝鮮は自ら「100年に一度の大干ばつ」と訴えていた。国連食糧農業機関(FAO)なども食糧事情を不安視していたが、2014年の穀物生産量は2013年から40万トンほどの減産にとどまったというのが大方の見方だ。一方、米国の北朝鮮向けラジオ放送「自由アジア放送(RFA)」は「深刻な水不足を訴える北朝鮮だが、実情は思うほど悪くない」などの住民らの証言を伝えている。これらは中国との国境地帯となる北部での状況だ。ただ、首都・平壌(ピヨンヤン)にほど近い黄海北道(フアンヘプクト)や平安南道(ピヨンアンナムド)などでは地域によって灌漑(かんがい)の条件や気象条件が違い、収穫状況に極端な差が生じている可能性はあるが、2020年現在は・・・(井森隆)