昨日まで、ごく普通に生きてきました。「きっとこれからも普通に生きていくのだろうな」と思っていました。
しかし今日、あなたの目の前に「ヒーローとして生きていく」という選択肢が突然現れました。なぜならば、他人とは明らかに異なる力が身に付いてしまったからです。その力は、困難に陥っている人々を、間違いなく助け出せる資質を秘めています。
さて、あなたならどうしますか?
昨日、『スパイダーマン2』という映画を見ました。今年下半期の話題作ですね。予想に違わず、実に面白かったです。
ピーター・パーカー(スパイダーマン)役のトビー・マグワイアが、実に良かったです。蜘蛛の能力を身につけたスーパーマンとはとても思えない、気の弱さと見た目の情けなさ。
相思相愛のヒロイン、M.J.を演じたキルスティン・ダンストは、正直言って美人ではありません。トビー・マグワイアも美男とは言い難い。平凡な(平凡に見える)二人を主演にキャスティングしたところが、この映画の巧いところです。
ピーターはスパイダーマンというヒーローではあるものの、それで賃金を得ているわけではありません。いわばヒーロー業はボランティアなのです。学生としての生活を成り立たせるために、アルバイトをしなくてはならない。ところが、彼のやることなすこと、ことごとく裏目に出ます。スパイダーマンとして活躍すればするほど、アルバイトの時間はなくなり、授業にも遅刻し、愛する人と会う時間も少なくなる。
劇中、彼は様々な危機に直面します。ストーリー上の敵役、ドクター・オクタヴィアスはもちろんのこと、旧友のハリーとの諍い、M.J.との関係を手放しそうになる自分自身への苛立ち、蜘蛛の能力を失いかけるという恐怖、エトセトラ、エトセトラ。
スパイダーマン2という映画は、単なる勧善懲悪のアクションではなく、ピーターという青年の挫折と成長とを描き、M.J.との恋愛模様をも映し出す、優れた映像作品なのです。
最新のVFXは確かに素晴らしく、息を呑むアクションが堪能できます。でも、やっぱりこの映画をアクション映画と呼ぶことには抵抗があります。
平凡な青年が手に入れた非凡なヒーローという能力。しかし、そのために失われたものは何であったのか。
“Gaining through loosing”
世界一不幸な笑みを浮かべるヒーロー、スパイダーマンの勇姿を、あなたも劇場で見てみてください。
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