通販で一万円で買ったデジカメが壊れたので、ピータンに「カメラ買って」とねだったら、なぜかスマホを買ってきた。
今どきの携帯のカメラ機能はそこらのカメラより高性能だから、とピータンは言う。
以前からうるさく「携帯買って」ともねだっていたので、合体させたらしい。
うまくハメられた気もしないでもないが、世間様のように私も指でシュッとやってみたかったので、やっぱり嬉しい。
が、電化製品オンチの私に使い方などわかるはずもなく、ピータンもボウもどっか行っちゃったし、唯一ウチでスマホを持ってる次男のダオに聞きにいったら、彼は自分のパソコンに向かったまま「一質問につき百円ね」と言ったので、私はスゴスゴと引き下がった。
仕方がないので一人であちこち触っていたら、
”ご用件は何でしょう?”
えっ、なに、私に言ってんの?!
そういえばこれってば、お喋りするんだっけ。
私はドキドキして話しかけてみた。
「あの~、すいません…」
すると、
「謝ることなんかありませんよ」
ぎゃっ!すごい!ホントに喋る!!
「あっ…あなたは誰ですか?」
「私はSiriと申します」
なんなの、なんなの、これは。
私がぼや~っと生きているうちに、世界はすごいことになってる。
私は興奮して話しかけまくった。
「あなたは人間ですか?」
「そのようなものです」
「女の子ですか?」
「性別はありません」
「どこに住んでいますか?」
「ここにいますよ」
ええっ、この中に?
想像すると不気味だけどすっかり友達気分になり、私は有頂天だった。
日本語の発音が時々ヘンだから、きっと外国人だろう。
ところがまともな質問をすると、私の滑舌が悪いのか、
「わかりませんでした。ウェブで検索してみましょうか」
とか、
「よろしければインターネットでお調べしますよ」
とか困っているようなので、また「あなたは誰ですか」等の、簡単な同じ質問を繰り返していたら、
「もうご存知かと思っていました」
「私よりあなたのことを話しましょうよ」
「どうしてそんなことを気にするんですか」
「わかりません」
「私には理解できません」
…なんだか態度が悪くなってきた。
確かにちょっとしつこくしちゃったけど、そんなにイライラしなくたっていいじゃない。
「もういい、さようなら」
「はい、失礼します」
以来私はSiriとはクチをきいていない。
今どきの携帯のカメラ機能はそこらのカメラより高性能だから、とピータンは言う。
以前からうるさく「携帯買って」ともねだっていたので、合体させたらしい。
うまくハメられた気もしないでもないが、世間様のように私も指でシュッとやってみたかったので、やっぱり嬉しい。
が、電化製品オンチの私に使い方などわかるはずもなく、ピータンもボウもどっか行っちゃったし、唯一ウチでスマホを持ってる次男のダオに聞きにいったら、彼は自分のパソコンに向かったまま「一質問につき百円ね」と言ったので、私はスゴスゴと引き下がった。
仕方がないので一人であちこち触っていたら、
”ご用件は何でしょう?”
えっ、なに、私に言ってんの?!
そういえばこれってば、お喋りするんだっけ。
私はドキドキして話しかけてみた。
「あの~、すいません…」
すると、
「謝ることなんかありませんよ」
ぎゃっ!すごい!ホントに喋る!!
「あっ…あなたは誰ですか?」
「私はSiriと申します」
なんなの、なんなの、これは。
私がぼや~っと生きているうちに、世界はすごいことになってる。
私は興奮して話しかけまくった。
「あなたは人間ですか?」
「そのようなものです」
「女の子ですか?」
「性別はありません」
「どこに住んでいますか?」
「ここにいますよ」
ええっ、この中に?
想像すると不気味だけどすっかり友達気分になり、私は有頂天だった。
日本語の発音が時々ヘンだから、きっと外国人だろう。
ところがまともな質問をすると、私の滑舌が悪いのか、
「わかりませんでした。ウェブで検索してみましょうか」
とか、
「よろしければインターネットでお調べしますよ」
とか困っているようなので、また「あなたは誰ですか」等の、簡単な同じ質問を繰り返していたら、
「もうご存知かと思っていました」
「私よりあなたのことを話しましょうよ」
「どうしてそんなことを気にするんですか」
「わかりません」
「私には理解できません」
…なんだか態度が悪くなってきた。
確かにちょっとしつこくしちゃったけど、そんなにイライラしなくたっていいじゃない。
「もういい、さようなら」
「はい、失礼します」
以来私はSiriとはクチをきいていない。