30万頭もの牛や豚が、生きている光景と死んでいる光景。
たった数週間で、現実にそれが起きたという事実。
口蹄疫。
牛さんや豚さん、そして彼らを養っておられた酪農家の方々へ、
心からお見舞い申し上げます。
肉食がいい悪いという話は置いといて。
酪農家さんは、自分が世話した牛や豚が、
最終的には人の口へ入り、人の命を支えるものになると
重々心得ておられます。
生前、幸せに生きた命こそが、良質の提供物になると信じ、
彼らの命を絶つその時まで、食用ではなく牛や豚として扱い、
酪農家として、日々、牛や豚の生を支え、
家族同様に愛情をかけ養っていたことでしょう。
その牛や豚が、目の前で殺処分される、
泣く泣く受け入れるしかない酪農家の方々のご心痛を思うと、
とても胸が痛みます。
わたしにしても、もしも家族同様に飼っている犬が、
行政処分されることになったら・・・
そう思うと、もう、もう、何も言葉が出てきません。
酪農家さんにとって今回の出来事は、
生活もでしょうが、精神的にかなりの大打撃でしょう。
どうか今の苦境が、内なる魂までも乱すことがありませんように。
陥りやすいことですが、人間は、
食用というモノをいただいて生きているのではありません。
牛や豚の、命をいただいて生きています。
今回、殺処分になった数十万頭の牛や豚の命も、
やっぱりわたしたちがいただいています。
口に入るものだけが、いただいた命じゃぁない。
今さらながら、その命について、
どういう繋がりがあったかを感じています。
牛さん、豚さん、ありがとう。ありがとうございました。