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「男女別定員制の緩和」とは

[2019年12月15日 更新]
都立高校一般入試では「男女別定員制の緩和」というものが存在する

◆男女別定員制の緩和で合格するのは、ほぼ女子である

読んでもよく分からない人は、安心して欲しい。
分からなくても、合否にはほぼ影響がない。


男女別に募集人員を定めている高等学校において、男女間の合格最低点における著しい格差を是正するため、募集人員の9割に相当する人員を男女別の総合成績により合格候補者として決定した後、募集人員の1割に相当する人員を男女合同の総合成績の順に合格候補者として決定する制度として、平成10年度入学者選抜から導入した。平成30年度入学者選抜では、31校で実施した。
<都教育委員会ホームページより>


「男女別定員制の緩和」のある高校では、このように合格者が決定する。
 1. 定員の90%は男子、女子それぞれの成績上位から決まる。
 2. 定員の10%は「1」に漏れた受験者のうち成績上位から決まる。


具体的に見てみよう。
toritsu046.png

左の表は「男女別定員制の緩和」がない場合。
男女それぞれ、点数の高いほうから合格者が決まる。灰色の網掛けが合格者だ。

中~下位レベルの高校では、女子の方が内申点が2~4点高い傾向がある。
よって女子の方が得点が高いのだ。
そうすると、男子で合格する生徒より女子で不合格な生徒の方が総合得点が高い
なんて事も起きてくる。左の表だと女子の11番目の不合格者より、男子トップの方が点が低い。

「これは不平等だ」という意見もあり、うまれたのが男女別定員制の緩和制度。


右の表は「男女別定員制の緩和」がある場合。
定員20名のうち18名(90%)は、男女それぞれの上位9名が選ばれる。水色の網掛けだ。
のこり2名(10%)は男女関係なく、先ほど18名に選ばれなかった者のうち上位2名が選ばれる。これが緑の網掛け。

そしてこの男女別定員制の緩和で合格するのは、ほぼ女子である。
女子の方が総合得点が高いからだ。


最後に面白い表を紹介しよう。
2018年度入試で、「男女別定員制の緩和」がある高校の男女それぞれの合格数である。
toritsu045.png
何が読み取れるだろうか。

23区内では、例外を除き男子より女子の方が多く合格している。
男子の方が女子より定員が多いにも関わらず だ。
男女別定員制の緩和枠は、ほぼ女子が使っていることが分かるだろう。

例外1 定員割れしている の3校
例外2 男子の応募者数が多い。葛飾野は21名、江北はなんと50名も男子の受検者が多い。


Vもぎの結果で、男子の方が女子より合格基準の偏差値・内申点が低いのはこういうわけである。

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