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都立に入る!

親子で都立過去問に挑戦<4>社会 歴史

[2019年11月29日 更新]
都立入試の過去問題から、正答率の低い難問をピックアップしていく。
今回は歴史。
時代の古い順に並べるという都立社会では定番の問題だ。


◆正答率21.9%
2010年度入試 社会 大問6(問1)

16世紀以降になると,アジアに進出したヨーロッパなどの国々とも交流を始め,明治維新以降は近代国家への歩みの中で,諸外国との結び付きを重視するようになった。 とあるが,次のア~エは,さまざまな時代における我が国とアジアに進出した国との結び付きについて述べたものである。
時期の古いものから順に記号を並べよ。

我が国は,皇帝の専制政治の下で経済・軍事面での近代化を実現してアジアに進出したロシアと,樺太・千島交換条約を結び,国境を画定して近代国家の条件をほぼ整えた。
我が国は,アフリカの南端を回りインドに至る新航路を開拓してアジアに進出したポルトガルと南蛮貿易を始め,この国の人々から技術や食文化などを受け入れた。
我が国は,産業革命をいち早く達成しアジアに進出して「世界の工場」の地位を確立したイギリスと,日英通商航海条約や日英同盟を結んで,経済や政治の面での関係を深めた。
我が国は,ヨーロッパの金融・海運を支配してアジアにも拠点を広げたオランダに,長崎の出島でのみ貿易を行う許可を与え,この国の人々から多くの学者らが外国の知識を学んだ。

解答は記事の最後に書いてある。
まずは自力で考えてもらいたい。すぐググらない。


◆近い時期で比べる問題は出にくい
おそらくこの2つはささっと気づけただろう。
 イ・・・大航海時代から鉄砲が伝わってきた!戦国時代じゃないか。
 エ・・・長崎の出島! 鎖国している時だから江戸時代

残る「ア」と「ウ」で迷った受験生が多いようだ。
都教育委員会が公表した「平成22年度 東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書」によると
近代に我が国が結んだ条約の区別ができず,「イ→エ→ウ→ア」と誤答した
解答が多かった。我が国の歴史とかかわる世界の歴史の流れについての理解が不十分であった
 ためと考えられる。

とある。

確かに、
 樺太・千島交換条約(千島・樺太交換条約とも言う)は1875年。
  日英通商航海条約は1894年。
 たった19年差だ。
 もっとも日英同盟は日露戦争前の1902年だから、ここに気づけば答えられたろう。

中学受験ならまだしも、都立高校受験生で「日英通商航海条約」をきっちり覚えているものは少数だろう。
だがこの条約はとても大切。
これによって領事裁判権の廃止と、関税自主権の一部を回復させたのだ。
あの痛ましいノルマントン号事件(1886年)がきっかけで、不平等条約撤廃を要求する動きが強くなっていく。

歴史上の出来事にはきっかけがある。
そのいくつもが「人間の感情」であることは実に興味深い。

◆明治以降の時代の流れを覚えよう
明治時代からの近代・現代は短い間隔での並び替えが出やすい。
戦中・戦後(1940年代)~バブル崩壊(1990年代)は、先生にとってはリアルタイムで過ごして時期でもあるが、中学生にとっては過去の歴史である。分かるはずがない。
だから覚えよう。定期テストにも出しやすい。

来年の東京オリンピックにからめ、1964年の東京オリンピック2回の冬季オリンピック(札幌と長野)が出る可能性は十分にある。


【正解】イ → エ → ア → ウ

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