◆「都立離れ」が始まっている
まずは以下の表を見て欲しい。
東京都の高校入学者数を
・国立高校
・都立高校
・私立高校
に分けて集計した。
右はじの"割合"は、高校入学者全体における都立高校入学者の割合である。
東京都の高校の入学者数なので、「他県から東京の私立高校に通う生徒」は含まれる。
「東京に住んでいるが、他県の高校に通う生徒」は含まない。
以下分析は基本的に"2009~2018年度の10年間"で行っている。
まず国立(こくりつ)高校の入学者数。
毎年1100名前後で大きな差はない。
中等教育学校である
・東京大学教育学部附属中等教育学校
・東京学芸大学附属国際中等教育学校
・東京学芸大学附属国際中等教育学校
は含まない。
おおよその定員は、
筑駒 160名
筑附 240名
学芸大附属 320名
東工大附属 200名
東京芸大附属 40名
お茶の水女子 120名
筑附 240名
学芸大附属 320名
東工大附属 200名
東京芸大附属 40名
お茶の水女子 120名
中学校からの内部進学がないのは東工大附属と東京芸大附属のみ。
筑駒は120名が内部進学である。入学面では高入生は冷遇されている。
ついで私立高校。
おおむね59000名で、プラスマイナス1000名程度。
そして都立高校。
2009、2011年を除き46000人を超えていた。
2018年はついに45000人も下回っている。
都立高校入学者の割合は42.6%と最低水準に。
都立離れは着実に進んでいる。
2019年の結果が出たらまた報告するが、おそらく都立高校入学者の割合は43%を超えないだろう。
◆都立離れの理由は?
何回も言ってきたが「私立高校授業料の実質無償化」と「私立大学入学定員管理の厳格化」により、
都立の中下位高校に行くくらいなら、私立大学付属の高校に行ったほうがいい
と考える保護者や高校受験生が増えたからだ。
しかし、「都立に入りやすくなった」と考えるのは早計である。
これは、都立高校の偏差値別「受験倍率」を集計したものだ。
※偏差値はVもぎ60%合格率
偏差値50以上の高校は倍率1.5倍を超えている。
1.5倍とは「3名受けたうち1名が落ちる」ことを意味する。1/3の確率で落ちるのだ。
33名なら11名が落ちる計算だ。
逆に偏差値39以下の高校は1.1倍以下。
1.1倍とは「11名受けたうち1名が落ちる」ということ。
33名なら3名が落ちる計算だ。
つまり倍率1.5倍は倍率1.1倍より、落ちる受験生数が3.7倍も多いということだ。
偏差値39以下は普通科が少ない。
人気が下がっている工業科などが中心である。
普通科に進み、大学進学を考えているのなら偏差値50以上の高校には入ってほしい。
キミが中1~中2なら、まずは定期テストのみでいい。
国数英社理の5教科は当然だが、実技4教科の点数も取れるようにしておかなければならない。
中3で急に、テストの点を取れるようにはならない。
すでに自分の勉強方法が見つかっていて、結果が出ているならそれを続けるといい。
時おり、見直すことだけは怠らないように。
もし実技教科の勉強方法が分からなければ、素直に誰かを頼るといい。
塾でももちろんいいのだが、実技教科を教えてくれる塾はまずない。私の塾でも実技教科は指導できない。
実技4教科の定期テスト対策なら「スマイルゼミ」が現時点ではいちばんいいと思っている。
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