◆過去5年間の一般入試 実倍率から傾向を知る
今回は、7つの進学指導重点校の倍率がどう変化してきたか。来年2020年度入試はどうなるのかの予測をする。
なお女子については次回お伝えする。しばし待たれよ。
まずは以下の表を見てもらいたい。
2015年度入試から、今春2019年度入試までの男子実倍率をまとめたものだ。
実倍率・・・受験数÷合格数 1.23倍なら「123人受けて100人が受かる」、2.11倍なら「211人受けて100人が受かる」という割合を示すもの。
オレンジ色は各年度で最も倍率が低い高校、水色はその逆である。
八王子東が他と比べ、実倍率低い理由は簡単。場所が東京の西端であり、区部から通う子はほぼいないためだ。
進学指導重点校ではないが、小松川高校も東京の東端で千葉県の近く。とてもいい学校だが倍率がいまいちの狙い目な高校だ。
逆に日比谷、戸山、青山は山手線内のやや西側に位置する。
23区からならたいてい通えるし、中央線、田園都市線、小田急線、京王線などで新宿・渋谷にいけるから多摩からでも十分通える。
よって都内あちこちから受験生が集まるのである。
国立市に住んでいて日比谷高校、戸山高校を目指す子は一定数いる。
しかし、千代田区、中央区、新宿区に住んでいて国立(くにたち)高校を目指す子は聞いたことがない。
もちろんゼロではないだろうが、まずいまい。
イナカから「都心の高校に行きたい」という若者が多く、都心から「イナカの高校に行きたい」という若者が少ないのは納得できるのではないだろうか。
逆に言えば、多摩の進学指導重点校の方が入りやすく狙い目ということだ。
"立地"という条件を除けば、国立(くにたち)や八王子東は穴場である。
西高校も杉並区にあり、東京都の中央付近に位置するのだが、アクセスが余りよろしくない。
最寄駅が京王井の頭線の久我山駅なので城東地区(練馬や板橋)からは通いにくく、城東地区(江戸川や江東)からだと都心を横断するので通勤通学ラッシュがむごい。
よって倍率もそこそこ。
西もいい学校だから、通いやすいところに住んでいるのなら狙うといい。
◆日比谷高校は最難関。しかし都立の中では群を抜いている
東京大学に入りたくない大学受験生はいないと思う。
ブランドがすごいという点もあるが、いっぺん東京大学に行ってみればわかる。やはり歴史がありオーラを感じる。
これと同じものを感じるのが日比谷高校だ。
どんな学力の子であろうと、日比谷高校の説明会や見学会には行くべきだ。
国会議事堂がすぐ近くにあり、閑静な永田町にどんと構えている学校。
他の都立高校と比べても別格のオーラがある。戸山高校や西高校にはない「風格」を感じるだろう。
生徒もガリ勉が集まっているかというとそうでもない。ただしやはり頭がよさそうな雰囲気は在校生のだれからも感じる。
(もちろん戸山、西が悪いわけではない。日比谷が特別なだけ)
ぜひ学校見学会に行ってみて欲しい。
今の成績は関係ない。「こんな高校生がいる」ということを知っておけば、大学受験のときに「最低でもMARCH」などと軽口をたたくことはなくなるはず。こんな高校生も受験する大学がMARCHというレベルなのだ。
こんな高校であっても倍率は2倍に達しない。
受験生の半分以上が受かるのだ。
努力して目指す価値がある、そう思って欲しい。
◆来年度入試、狙い目は西と八王寺東
ここからはあくまで私の予想である。ハズれても怒らないでいただきたい。
日比谷・・・上がる
戸山・・・下がる
西・・・上がる
青山・・・下がる
八王子東・・・上がる
立川・・・上がる
国立・・・上がる
戸山は今が高すぎる。とはいえ立地が抜群なので現状維持もありうる。
西は隔年現象で絶対に上がる。今年は低すぎだ。
現役大学合格実績が伸びており、結果も出している。
国公立大現役合格者が100名を超えたのは過去18年間で2回だけ。それが今年の春と、去年の春。
八王子東も今年が低すぎなので来年は上がるだろう。では1.5倍以上になるかというとそこまではいくまい。
狙い目であることは変わらない。
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