[2019年11月18日 更新]
都立高校一般入試の実倍率を、旧学区ごと11年分(平成21年度~31年度)の移り変わりを見てみる。
全日制普通科(単位制を除く)のみ集計している。
なお旧3学区とは、中野、杉並、練馬区のことだ。
◆都平均とほぼ一緒
おおむね1.5倍前後。しかし徐々に下降している様が分かるだろうか。
都立高校全体の倍率も下降しており、それとほぼ同様に旧3学区も下がっている。
旧3学区、地理的には旧2学区と同じく23区の西寄り。
三鷹市や西東京市など区部に近い多摩地域からも比較的に通いやすい。
なので地理的にも倍率が上がる要素を備えている。
ではなぜ倍率が低いのか。
◆富士高校と大泉高校が原因
結論はこうだ。
都立中高一貫校が2つあり、この実倍率が低い。
そのせいで旧3学区全体の倍率も押し下げられている。
富士と大泉だけでなく、都立中高一貫校の高校入試は倍率が低い。
2017年~2019年度の実倍率を並べてみると
<男子>
大泉高校 1.51→1.34→1.24
富士高校 1.76→1.41→1.29
白鴎高校 1.18→1.24→1.48
両国高校 1.00→1.27→1.36
武蔵高校 1.34→1.25→1.50
<女子>
大泉高校 1.00→1.52→1.03
富士高校 1.50→1.38→1.27
白鴎高校 1.25→1.30→1.21
両国高校 1.00→1.31→1.09
武蔵高校 1.78→1.41→1.31
たまに高い年度もあるが、1.5倍を上回ることはほぼない。
いずれの中高一貫校も募集人員が男女それぞれ39名と少ないので、ちょっと応募者が増減しただけで倍率は大きく変動する。
特に女子は低倍率になりやすい。理由はちょっと考えれば想像できるだろう。
旧3学区は自校作成校が西高校しかない。
学力的にその次に大泉高校、富士高校、豊多摩高校とくる。高倍率になりやすい上位校が西高校しかない。
その西高校も倍率は振るわない。
2013年~2019年度の実倍率は
男子 1.74→1.82→1.69→1.55→1.63→1.65→1.37
女子 1.55→1.52→1.44→1.29→1.45→1.34→1.38
女子人気が低い。若い女子にはバンカラ風な西高校より、都会っぽい青山高校や戸山高校にひかれるのだろうか。
もったいない。
ついで中堅校。
豊多摩高校と井草高校はもとより、近年は石神井高校がレベルを上げてきている。石神井は生徒人気が高いので合格基準も上がり続けている。
今は豊島高校とほぼ同等だが、近いうちに上に抜けていくだろう。
高倍率といえば鷺宮高校も挙がる。
特に女子の実倍率はここ数年で急上昇している。
2010年~2019年の実倍率推移は以下、
1.59→1.77→1.89→2.07→2.01→1.79→1.60→1.51→1.94→2.02
女子人気が高いのだ。
悪い学校ではないが、さすがに倍率が高すぎる。
もっとも、私には鷺宮高校のよさが分からないのだ。誰か教えてくれないか。
光丘、練馬、田柄は言うまでもない。
誰でもウェルカム状態になっている。
光丘高校は2年連続で男女とも実倍率1.00倍。一般入試は全入(試験を受ければ全員が入学できる)である。
都立に入る! ツイッター 毎日の更新情報を受け取れます