とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
絆の再生の場
社会も経済も政治も・・・、なかなか思うようにいかない現状が続いています。大急ぎで文明を開化させ、人間生活が豊かに快適に過ごせるように急速に行ってきたツケが、いっきに回り始めたといえるのでしょうか。あるいは、まだまだ序章に過ぎないのでしょうか。
そのツケは、環境破壊や資源の絶滅の危機・・・から、経済破綻、社会的コミュニティーの解体・・・など人々の生活空間そのものに影響が及んでいます。そして、物質的なことに留まらず、寺院離れ、葬儀無用論・・・といった心や信仰といった精神・スピリッツの分野にまでも危機が迫っている現状です。
私ども寺院生活の周辺を見ましても、自然と自己、自己と自己、仏と自己の関係が希薄になり、核家族中心、あるいは家族の関係すら希薄になり個人中心の生き方が急加速に助長されているように思えてなりません。
すべてはつながりあって生きているのですが、豊かに発展した現代では、つい一人で出来る錯覚を持ち、確かにある程度は便利で楽に都合よく生活出来てしまう現実があるのも確かです。またそのような生活スタイルを追いかけるが故に、逆にそのような個々に孤立した中で懸命に生きなければならないジレンマに陥り、多方面に眼を向けるゆとりがなくなり、本来、大切にしなければいけない絆が損なわれてしまっているのではないでしょうか。
曹洞宗でも数年前から、この「絆」を取り戻すことを布教教化の方向性として重視してきました。来年度、4月1日からの平成22年度の布教教化方針の骨子がわかって参りましたが、「寺院のあり方」として次のような申し合わせの内容が予定されています。
●寺院を地域社会の『絆を再生する場』に活用しよう。
●地域社会に積極的にはたらきかけ、寺院を広く開放し、人々との様々な縁を大切にして、信仰生活を柱とする絆を構築しよう。
という内容ですが、『絆を再生する場』としたことは、かなり思い切った提言でもありますが、画期的です。また、信仰生活を柱とする絆の再生工場としての役割には、確かに寺こそが最も適した環境にあるのだと思います。
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ご無沙汰しているうちにブータンの旅に出かけ、
いろいろなことを感じて帰ってきました。
もうすっかりブータンファンです(笑)。
おっしゃるように、日本はさまざまな問題をかかえています。
一方、ブータンは急激な近代化よりも、
伝統文化・社会を守りながら国民の幸せに重きを置く、
ということを国王自らが選んだ国。
近代化の弊害が出てきているとは思いますが、
それでも穏やかな笑顔にたくさん出会いました。
伝統家屋も民族衣装もステキでした。
出発前に何冊かブータン関係の本を読み、
現地も見て思うことは、
ブータンは「賢い国」だということです。
今だからこそ、日本も見習うべきことがあると思います。
文明開化と戦後の急激な近代化・経済成長の中で
日本が忘れてしまったものがブータンにはある気がします。
また、仏教国のブータンでは、仏教が生きています。
生活の中に根付いています。
お時間があれば、ブータンに関する本を何冊か
紐解いてみてはいかがでしょうか。
と、ブータンの良さを宣伝しまくっている今日この頃です・・・。
ブータン・レポート拝見しました。行ってみたくなりました。何百回もカーブを曲がって3日なんですね。首都ピンプーンには、飛行機で着けるものとばかり思っていました。でも、そういうところだからこそ、「賢い国」としての精神文化が息づいているのかも知れませんね。
最近見た写真で、「チミラカン」というブータンの寺院の子供の僧の姿が印象的でした。興味を寄せていたところでした。ブータン関連の書籍を見てみたいと思います。
それにしても、某子さん、世界各所の良さを満喫されていますね。うらやましいです。また、レポート楽しみにしています。
ブータンへは飛行機で行くこともできます。
バンコク経由で行くのが一般的だと思います。
今回はインドのダージリンもスケジュールに入っていたこともあり、
陸路で延々移動することになりました。
まあ、それだけにブータンに入国したときは達成感があり、
「ありがたさ」も感じたのですが・・・。