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京都レポート~護持の念

 ある教場で、コンサートを組み合わせた法話会が催されました。

 京都府の山間部は、かなり山深いところが多いです。そんな地域でも寺は、文化・コミュニティーの拠り所として必ず存在して来ました。ところが、このような京都府の山間部は、携帯の電波が届かないだけではなく、単独として、住職が住む寺の存続の危機を迎えています。常時は不在で他の寺院と兼務する住職さんが多いのです。
 寺を守り維持に努める檀家の組織を「護持会」と呼んでいますが、住職の常駐しない寺院の日常の管理は、護持会の役員さん方によって運営されていることが多いのです。この度の巡回では、このケースが多くありました。檀家数が十数軒、多くても30~40軒という地区も多くありました。伽藍の保守改修、周辺の整備なども大変なことです。地域の方々の、先祖伝来の護持の精神には、頭が下がります。

 そんなある教区の法会で、住職さん方が企画され、山深い寺院の堂内で、バイオリンとエレキギターグループによるコンサートが法話とジョイントで計画されていたのです。題して「まごころに生きるコンサート」。



 当寺院ではこの法会に合わせ、各所の整備準備をされたとのことです。山門前参道の石段の改修工事、近隣のハイキングコースを訪れる人の為も兼ねての外トイレの施工。客室の増改築、畳替えなどなど・・・。

       改修された石段

 そして、この地に他地区から訪れる道しるべにと、仏旗(ほとけさまの旗)を数キロ手前から要所に点々と掲げる配慮もされていました。

  
本堂前の仏旗                    道かどの仏旗、寺は正面の山の中腹

 山深い寺の堂内に響くロックの音楽と歌声。地域の方も若者のミュージシャンライブに目を白黒といったところ。曲目には「浜辺の歌」「なだそうそう」など御馴染みの曲も盛り込まれ、ご住職からのリクエストのみなみこうせつの新曲「まごころに生きる」も唄ってくださいました。 こういう企画を毎年されているようで、仏教の興隆、寺を守る護持の念を強く感じた丹波路の旅でもありました。


護持会の方々         演奏グループ「ミューズ」のメンバーと総代さん、教区長老師
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コメント
 
 
 
地域によって (kenryu)
2006-10-13 08:35:29
teraさん、ご無沙汰しました。今月上旬は岩手県北上市と北海道木古内町で相次いで晋山結制があり、天候に左右され(濃霧や低気圧による強風と豪雨)散々な目にあってきました。両方とも列車に乗り遅れ、三時間から四時間遅れで随喜した次第です。

過疎等による護持の大変さは、拙寺の地域も同じこと。兼務している寺も、昨年末の雪害禍の修理を始めましたが、費用捻出に頭の痛いところです。更に今回の組階査定で未承認事項によるペナルティが加算され、内情のわからない兼務に戸惑いも。いつの日か護持会の管理下となるのでしょうかねぇ。

最近年のせいで、疲労回復が遅くなってます。
 
 
 
地域密着型 (某子)
2006-10-13 14:17:38
ひと口にお寺と言っても、大小さまざま、状態もさまざまでしょう。このご報告を拝見すると、檀家が極めて少なかったり、また過疎の問題などもあるでしょうが、しっかりと地域に根ざしたお寺なんだなぁとつくづく思います。



近所に烏山寺町という、お寺が26も集まっている地域がありますが(関東大震災の後、浅草などの下町にあったお寺が引っ越してきた)、地域に根ざしている感じはありません。静かで落ち着いた地域ではあるのですが、ただただ静かすぎ(別の意味で)という気もします。
 
 
 
→kenryu兄 (tera)
2006-10-14 00:15:34
ご無沙汰でした。相変わらず、北に結制の友あらば・・・で、奔走の日々、ご苦労様です。あの嵐の時でしたか、大変でしたね。

級階査定、慣れない兼務寺院の寺務処理等・・・、大変なことでしょうね。

そちらも、雪や水の被害から寺を守ること、ほんとうに御苦労様です。こちらでは恵まれていることを思い、反省しきりです。

疲労回復、確かに遅くなりました。回復以前に、疲労が出るのも遅れてドッと出る傾向にあります。
 
 
 
→某子さん (tera)
2006-10-14 07:29:40
ほんとうにさまざまな形がありますが、懸命に維持・信仰の活動がなされてきたことは共通ですね。

全国に、寺町と呼ばれる寺が密集している地区が沢山ありますが、いろいろ歴史的な経緯があるようですね。東京は震災の影響で出来たところがあるのですね。弘前では、町内すべてが同一宗派寺院で構成している地区があり、たたずまいは静かで公園地帯のようですが、檀家さんの競合とか、日常生活に支障はないのか心配になってしまいました。

それぞれに苦労はあるのでしょうが、歴史と文化の力はすごいなと思っています。
 
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