とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
公園墓地事情
近くにあった遊園地が、市営の公園型墓地に変わって数年が経ちました。近くの寺としては、三番目以内には入る距離の故か、最近、納骨読経依頼の問い合わせが多くなりました。
60㎝×60㎝くらいのスペースがぎっしりと詰まって、芝生の下に納骨され、上には、ほぼ平らな石の板が載せられるといったミニ西洋型墓地ですが、競争率は高いらしく久々に訪ねたら、かなりいっぱいになっていました。
ところがこれらの墓地に納骨される各家は、菩提寺を持たないケースがほとんどです。むしろ寺墓地を避けてこのような霊園を求めてくるといった方が妥当かも知れません。予想される理由は、金額の問題、不透明な檀家付き合いからの回避、後継者がはっきりしない、景観が良くて墓参が楽しい・・・・といったところでしょうか。
そんな事情から、僧侶とのつながりに希薄さがあります。
もともと寺院住職は、檀信徒との人間関係をつくり地域と密着した活動を展開することが多いので、霊園型の供養依頼には慣れ親しみづらい習性があるのかも知れません。その時だけのお経読み屋さんみたいで力が入らないのです。
ですので、近隣寺院でもこのような依頼を受けないところも多くあります。わたしもどちらかというとそうなのですが、お話を聞いていて、ほんとうに供養してあげたいご遺族の気持ちが伝わると、やはり、仏教による心の安らぎを伝えてあげたいと思って受けることがあります。
先日もそんなことがありました。私が不在の時に依頼があり、普段の私の考え方を知っている家族は、丁重にお断りしたようなのですが、再度の依頼に対して、
「一周忌に併せて納骨をというご希望ですが、あそこの霊園は法要をする場所が無いので、お墓の前でご供養するだけでは無くて、どちらかで法要されてからにしたらいかがですか?」
「場所はどうしたらよいでしょうか。自宅はスペースがないのですが」
「お寺に来られたらどうですか?」
「檀家さんでなくてもいいのですか?」
「はい、ほんとうに供養したい心がおありでしたら、そういうお気持ちでご利用ください」
・・・・ということで、寺で法要を済ませ、納骨に移動しました。案の定、その日は日差しが強く、炎天下、座るところもなく、お年寄りは大変なので、短く切り上げて納骨は終了しました。
別れるときに、
「またお寺の方にもお参りに行きます」
「はい、お願いします」
と、いうご仏事依頼の一コマでしたが、何となく清々しくご供養させていただきました。すべてがこのようには行かないのですが、あゆみよるということは必要かも知れないと思いました。
因みにこのときの質問の続きですが・・・・、
「お布施はどのくらいに・・・?」と、恐る恐る聞かれるので、普段の檀家さんからいただく例を申し上げますと、
「それなら、檀家さんで無いのでそれに上乗せして考えればよろしいでしょうか?」
「はい、そう考えられてよろしいかと思います」
と。実際にこの金銭の問題が不透明で、寺離れが進むのかも知れませんが、今回の例では、その煩わしさを乗り越える供養の心があったことに敬意を表したいと思います。
実際、不透明と思われるかも知れませんが、その時だけの僧侶だのみをして、一過性のように見える供養をしようとする心の方が不透明で判りづらい!
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> 実際、不透明と思われるかも知れませんが、その時だけの僧侶だのみをして、一過性のように見える供養をしようとする心の方が不透明で判りづらい!
まさに仰る通りですね。それに、我々としても、檀家さんに対し、お布施を「代金」として、料金設定できれば、非常に楽なんですけど、それをしたら収益になるので出来ないという事情も、ご理解いただきたいところですよね。
さて、15日、来場をお待ちいたしております。tenjin95さんも、何卒宜しく!
15日、盛況におわるといいですね。
私たち家族は貴寺の檀家とまではいかない微妙な位置にいると思うのですが、いつも良くして頂き、本当に感謝しております。
一過性の供養という言葉になんだか考えさせられました。そうならないように、お盆には、ペコと一緒にお経をとなえたいと思います。
ここのところ、いろいろ考えさせられることが多くて、過激な(笑)書き込みが多くてすみません。お盆にはまたお伺いいたします。
記事拝見いたしました。
霊園とお寺の関係ですよね。
本当にそうだと思います。お寺側の意見は地域密着で
霊園を買われる方は檀家さんにはなりたくない。
でも宗教者がいないと、お布施は・・・
時代の流れですかね。霊園の管理の方の話を
聞くんですが、お寺を紹介してくださいと依頼が来る
そうです。でも本堂が立派なところがいいと・・
何で霊園を買ったのでしょうか?疑問を持ちましたが
参列者の方に見栄を張りたいだけで、檀家さんと
しての付き合いはしたくない**のひとだったそうで
す。
これからは、時代が変わりそうですね。。
では
霊園開発
kaihatsu.seesaa.net/
でした。
おおくくりで言えば、寺と霊園は同種・同業、同一業界内の関係と言えましょう。お互い持ちつもたれつが望ましいと思います。
それにしても仰る通り、利用者側のクールでちゃっかりした考えには驚きます。
持ちつもたれつの関係を強化する上でも、霊園側は、寺を持たない安易な契約僧侶に頼らないで、本堂の立派な(笑)、近隣の寺院に根気強く折衝するとか・・・、寺側は、低価格で敷居を低くして門戸を広げ、新人類層に積極的に布教教化をする・・・・などのあゆみよりが必要なのではないかと思います。
私個人的には、寺の墓地も少ないですし、霊園に墓地がありながらもその上に、寺の檀家としてあるいは檀家に準ずる希望をいだくようなご縁を築きたいと思っています。
ページ見させて頂きました。確かに横浜市の霊園規制は大変かも知れませんね。
これからも貴重なご意見をお寄せください。