とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
祖師方の遺偈
前の記事に続き、祖師方(曹洞宗)の遺偈を調べてみました。
如浄禅師 六十六年* 罪犯彌天*
打箇孛跳 活陷黄泉*
咦
従来生死不相干*
道元禅師 五十四年* 照第一天*
打箇孛跳 觸破大千*
咦
渾身無覓活陷黄泉*
孤雲懐奘 八十三年如夢幻 一生罪犯覆弥天*
而今足下無糸去 虚空踏翻没地泉*
徹通義介 七顛八倒 九十一年*
蘆花覆雪 午夜月圓*
瑩山禅師 自耕自作閑田地 幾度売来買去新
無限霊苗種熟脱 法堂上見挿鍬人
義雲禅師 毀教謗禅* 八十一年*
天崩地裂 没火裏泉*
峨山韶碩 合成皮肉 九十一年*
夜来舊依 身横黄泉*
通玄寂霊 算計甲子 満七十年*
末期行脚 両脚踏天*
西有穆山 老僧九十 言端語端
末後の句無し 月冷やかに風塞し
森田悟由 耕雲種月 八十二年*
脱落脱落 一箭離弦*
佐藤泰舜 八十六年* 如是因縁*
即今脱落 踏破一天*
余語翠巌 任運日月 隨縁誑人
真如不昧 行脚永新
宮崎奕保 慕古眞心 不離叢林
末後端的 坐断而今
いやあ、壮絶な心境が伝わるようです。道元禅師は師の如浄禅師の句をふまえての遺偈であることもわかります。徹通禅師は「七顛八倒」と書いたところで、後を瑩山禅師が続けて筆を執って書いたということです。
遺偈は四言絶句で通常は作られ、時には七言絶句も使われます。韻は二句目と四区目が通常のようです。その韻を調べてみますと、多くが「一先」(*)であることがわかります。
「一先」はおよそ80ほどありますが、代表的なものは次の通りです。
先、前、千、天、蓮、田、年、眠、辺、研、玄、泉、遷、仙、鮮、然、禅、綿、川、縁、船、専、円、伝、扇、単、便・・・・
いざという時のためにも覚えておいておきたいものですね。
(この記事作成にあたりましては、布教師のK師の研究資料をもとにまとめさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。)
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祖師方の遺偈は方丈様のおっしゃられるとおり、壮絶な心境が伝わるようですね。
自分もそろそろ作っておいたほうがいいかなあ・・・
この冬の風邪がなかなか抜けないため、気弱になっているためでしょうか、このような祖師方の句が身にしみる昨今です。
私の師匠も正月遺偈派で、何年も書いていましたので、見習いたいと思っています。
禅僧の遺偈、独特の特徴ある文化であることを痛感しますね。
遺偈の中には、禅僧の生き方が凝縮されている感じですね。
一先の韻が多いのは、「年」という字を使うためでしょうね。
人ごととは思えませんね。。。