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特別研修

この度の日光での会合では、特別研修が組まれました。

このメインは、正法眼蔵の写本の閲覧です。普段は非公開ですが、私たちの今回のグループは、宗門関係者、仏教・禅学研究者、布教教化関係者などの研鑽を目的とするということで、拝読させていただくことができました。
        
正法眼蔵は、60巻本、75巻本、12巻本等の系統で伝わっていますが、当R本は、75巻本と言われていましたが、故団野弘之師の研究によって、60巻本のものに、75巻本の後半の15巻を付け加えた60巻本系列の写本であることが判っております。
確かに今回、閲覧させていただいた75巻のうち、表紙や書体などが、前半60巻と後半15巻でははっきりと違っているのが分かりました。また、書写した人が僧侶ではない人の手によるもの(一説には天海僧正の弟子)という、他の写本とは違う性格のものであることも分かっています。
                 
団野先生は、この写本を見せていただくのに30年かかったと述べられていますが(『正法眼蔵写本の書誌学的研究』)、時代が変わったとは言え、私たちがこうして見させていただくのは、申し訳ないように思いました。
しかし、直接、目で触れることによって、仏法を求め伝える祖師方、そして、宗派を越えて名書の編纂に尽力された天海大僧正のご遺徳をしのぶことができました。
 
江戸初期の写本の割には、保存状態が良く、寺宝を守ってこられた方々のご労苦に感謝申し上げたいと思います。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (kameno)
2008-05-23 06:42:38
これは!・・・・
貴重なものを目にすることができたのですね。
尊いことです。
 
 
 
→kamenoさん (tera)
2008-05-23 14:28:33
そうなのです。思わぬ機会が巡ってきてびっくりしました。今回の研修では、当時(江戸初期)の情勢がよくわかりました。眼蔵の存在も宗派を越えて高僧の間では知られていたようです。
 
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