とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
北の寺院
ふたたび、北海道リポートです。寺院事情について紹介します。
写真は、ある寺院の手前が本堂、奥が納骨堂会館。このような寺院が多く見受けられます。
北海道寺院は、多くが明治期以降または江戸末期の建立です。函館や札幌の寺院を中心にして、開拓地に信仰の拠点として築かれてきたようです。ですので、歴代の世代も4~5代目といったところが現在の住職様です。
本州以南の寺院と大きく違うのは、寺請制度(檀家制度)を背景としていないということが言えるかと思います。そのため、地域所属の管理寺院的な役割というよりは、信仰の舞台として根付いた機能を現在に展開していると言えます。
この表は、ある寺院の年間法要表です。ほぼ毎月、法要が行われ、このうち3回は全教区寺院が随喜(参加)して行われます。各法要には、檀家の方々が当番で、食材を持ち寄り、食事を提供します。
そのために、寺院の建物空間も、各寺が充実したものになっています。ミニ僧堂といった具合です。事業所、会社といったような公共性を限りなく備えているといえましょう。堂内は、全館暖房型で、とても温かです。
寺務所 厨房
法要が頻繁に行われるため、各寺院には配役表が備えられていて、その日の当番が表示されています。
因みに、宗門の専門用語でいうならば、開山歴住忌、三仏忌差定は日常ごとに行われ、出班焼香、略歎仏、楞厳呪読誦などは普通に営まれています。行持綿密です。
本堂と同時に、納骨堂も立派に整備されていて、ここでの法要も行われます。
信仰の舞台は寺院だけではありません。住職さん方は、毎日、お檀家さんを月詣りとして回っているのです。
このように、信仰の拠点としての寺院を支える人々、そして日夜布教教化に取り組む住職方。本来のあるべき寺院の姿がこの北の地にあるのかも知れません。
学ぶべき点の多い、北の寺院活動でした。
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拙僧も、友人や先輩後輩、多くの方が北海道に、知り合いとしておりますけれども、皆さん気合いを入れてお寺さんをしておられますよね。頭が下がりますし、我々が本来あるべきお寺として、目標にすべきであろうとも思います。
ほんとうにカルチャーショックを受けて参りました。頭が下がります。現在の人々ももちろんですが、基盤を築いてきた先人の方々の努力も並大抵なことではなかったかと思います。逆移入したいものです。