南部吟遊詩人の写真館

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遠野小景~よばれ石~

2009年05月08日 00時21分29秒 | 遠野小景
「民話のふるさと」遠野――――

あまりにも有名になったその場所でも、まだ、人に顧みられない場所も
あると思います。

例えば、--「呼ばれ石」って知っていますか?
↓場所(だいたい)

ここは国道293号線。まっすぐ行けば誰もが知っている「千葉家曲がり家」に出る国道です。
盛岡から行くとその千葉家の手前にこんな石があります。

道路を走っていると突然に現れます。
事前に案内板も何もありませんから、たいがいの人は通り過ぎてしまい、
「あ、何かあったな。でも、面倒くさいから戻らなくていいや」
となります。
もちろん、観光案内にも載っていません。
そんな石のお話です。


昔、このあたりで山仕事をしていると、ふもとからお昼御飯をよぶ声(「昼呼ばり」というのだそうです)がしたり、返事がされたりします。
どうもそれはこの巨岩から聞こえるらしい。
狐狸(こり)の仕業ではないかと、里人は猟師に頼んで、鉄砲を一発この岩に打ち込んでもらいました。
それ以降、昼呼ばりの声はしなくなったそうです。
里人は今でも、胴に鉄砲傷のあるこの岩を「呼ばれ石」というのだそうです。


そんなお話です。何ということはない素朴な話。ただそれだけの話。
でも、そんな不思議をいまだに語り伝えているところが、とても面白いと思うのです。

あんまり有名でなくてもいい。ひっそりと語り伝えるだけでいい。
そんなお話が数多く残る国であってほしいと思います。


【おまけ画像】「遠野の春」千葉家曲がり家にて(2009.5.5)


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