南部吟遊詩人の写真館

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「北川家のオシラサマ」顛末記(怒り心頭)

2012年03月18日 06時24分32秒 | 遠野小景
「北川家のオシラサマ」というのを御存知だろうか。
地図やガイドマップにはあるが、近くまでいっても案内板も標識もない。
したがって、どこにあるかよくわからない観光スポットである。
↓昭文社「県別マップル・岩手県」の地図


↓遠野市観光協会のガイドマップの地図


「オシラサマ」は遠野はじめ北東北に独自の神様である。
形状は一本の棒の先端に馬や人の顔が彫ってあり、それに服を着せる。
養蚕の神様である。
詳しくは当ブログの記事「伝承園のオシラサマ」を参考にされたし。
→伝承園の記事へ

その「オシラサマ」を民家の家に飾ってある「ナマ」の状態で見られるのが
この「北川家のオシラサマ」である。
民俗マニアには垂涎の的というわけである。

今回、それをぜひ見たいと思って、遠野観光協会に電話をすることにした。
なにしろ民家だから、見学をさせてもらうには先方に予約を取らねばならず、
その電話番号はもちろん公開などされていないので、
観光協会を通じて電話をしなくてはならないのである。

今回のブログはその一部始終を記録したものである。

【電話予約一日目(木曜日)】
仕事が終わった3時過ぎ、遠野市観光協会に電話する。
若い人が出る。
北川家の予約を取りたい旨を告げ、名前を名乗る。
私「○○と申します。」
観光協会「○○さんと申されるんですね?」

申しますが、何か!? (゜Д゜)
なんだか敬語がヘンだ、この人。
話していると、「少々お待ちください」を
「ちょ少々お待ちください」と言うし。
「失礼しました」を入れろよ!!
Σ( ̄□ ̄;

「ちょっと」って言いかけて、言い直すなら、ちゃんと訂正しろおおおお!

言いたかないが、田舎だから仕方がないのか?そうなのか?

ともかく、先方に連絡を取るから、予約が取れるまで待って欲しいと言われた。
うん、しょうがないね。待とう。

30分後…電話来ない。う~ん、時間かかるのかな…?
1時間後…まだ?何してるの?
2時間後…結局来ない。この日は連絡来ず。
だめならダメで、報告があってもいいのに…。

【電話予約二日目(金曜日)】
再び3時過ぎに遠野市観光協会に連絡を取る。
私「昨日はどうされたんですか?」
観光協会「いや、すいません。なかなか北川さんが捕まりませんので、予約が取れなかったんです。」
私「でしたら、その旨、あなたが帰る前に報告していただいてもいいんじゃないですか?」
観光協会「わかりました。以後そうします。」
いちいち仕事のやり方まで教えなきゃいかんのか、この集団は…
┐(-д-`;)┌ ヤレヤレ…

そこで、こちらの都合のいい時間を告げ、もう一度連絡を取るように頼む。

夕方…今度は電話がかかってきた。
観光協会「連絡は取れましたが、○○さんのご指定の時間は、用事があって、都合が悪いそうです。」
私「毎日、全部ですか?」
観光協会「はい」
う~~ん、ハードル高いな。
私「それなら、これこれの時間はどうでしょう?それで提案してみてください。それと、ブログ用に写真を撮りたいので、それもOKか聞いてみてください。」
観光協会「わかりました、それでは、私は土日休みなので、週明けにお電話します」
観光協会が土日休んでどうする!!!
Σ(゜Д゜;)

土日は観光客がいないのか?そうなのか?遠野!!??

かなりあきれて、電話を切る。

【電話連絡3日目(月曜日)】
観光協会は今日も話がまとまらないという。何をやっているのだ。何を。

【電話連絡4日目(火曜日)】
ようやく見学日時がまとまる。土日も入れれば6日目のことである。
しかも2週間後である。
しかも撮影OKかどうかは聞くのを忘れたという。
おいおい、どこまで仕事がユルいんだ?┐(-д-`;)┌ ヤレヤレ

【電話で場所を聞く(見学1週間前)】
そういえば、詳しい場所を聞くのを忘れていた。せっかく予約が取れても、たどりつけなきゃ意味がない。何度もその周辺は地図を頼りに行ったにも関わらず、まったく標識も何もないのでわからないのだ。せめて目印が欲しい、と思って、電話すると、おじさんらしい人に代わった。どうもこの人が詳しいらしい。
私「すいません、『北川家のオシラサマ』の詳しい場所を教えていただきたいのですが…」
おじさん「北川マサズミさんのところ?」
しらねーよ!!
なんで下の名前まで知っている前提で聞き返すんだよ?
(;゜ Д゜)

私「よくわかりませんが、観光マップで××の近くにある『北川家』です。」
おじさん「ああ、それなら北川マサズミさんのところだよ。それで?何?」
なんで『知らないの?』的なニュアンスなの?しかも『詳しい場所を教えてほしい』って俺、いったじゃん!
私「ですから、詳しい場所を教えていただきたいんです。」
おじさん「詳しい場所といってもね…和野のバス停から2分くらい、500mくらいのところだよ」
半径500mの民家をすべて捜索しろというのかあああ!!??(´Д`;)
私「目印とかありませんか?」
おじさん「目印ねえ…、最近、物置を新しく作ったなあ…。」
物置??物置と言ったな、貴様!!??
上等だ!なんて素敵な目印だ。ローカルだな!!!
そんなもんが見つかるかYO!!
・゜・(PД`q。)・゜・

もう血管が切れそう。

あきらめて、電話を切る。
駄目だ。当日に付近の様子を見ながらもう一度電話しよう。
今度は別の人に聞こう…。
固く心に誓う。

【見学日当日】
案の定、「北川家」はよくわからない。新築した物置といってもどれのことだか…。
仕方なく、もう一度電話する。また代わられる。嫌な予感…。
あじさん「なんだ、またあんたか?」
「あんたか?」じゃねーよ!!!
また、あのおっさんだ~~。∑(=゜ω゜=;)
なんてフレンドリーなんだ!!
田舎だからか?
そうなのか、遠野?

また、雲のようにつかみどころのない会話をしながら、なんとか「北川家」を特定することに成功。
近くまで行って表札を読み取るとそう書いてある。
ようやくだ。いよいよだ。
呼び鈴を探す。
ない。仕方なく大声で呼ぶ。
「すいませーーん」
「ごめんくださーーい」
「どなたかいらっしゃいませんか~~?」
なんど呼んでも応答がない。御年輩だから、耳が遠いのかな?
戸に手を掛ける。開いた。なら、人がいるだろう。
玄関先に入って今度は呼んでみる。
「ごめんください。遠野市観光協会に予約していた○○と申します。」
「すいませーーん」
「どなたかいらっしゃいませんか~~?」
返事無し。どうやら本格的に留守らしい。しかも、戸締りなし!!!∑(=゜ω゜=;)
なんだこりゃ?????
玄関からすぐの居間には壁一面に神棚やらなんやらがある。目をこらすと右側にオシラサマらしきものが収まっている食器棚らしきものもある。その前には「遠野市観光協会協賛金」やらなんやら書いてある貯金箱か賽銭箱みたいなものも見える。「観光のためご協力お願いします」とやらなんやら書いてある。
表札といい、家の中といい、ここに間違いはなさそうだ。しかし、家の中に人の気配は全くない。

遠野市観光協会に電話してみる。
私「すいません、北川さん留守なんですけど。」
おじさん「あんた、前日に電話して確認したかい?」
確認!!??そんな話は聞いてないぞ??∑(=゜ω゜=;)
私「確認も何も、私は北川さんの電話番号知らないんですよ。そんな指示は初耳ですしね。だから、観光協会を通じて見学の予約をとらなきゃいけないからこうして電話しているんじゃないですか」
そうしたら、おじさん、いよいよ面倒くさいと思ったのか、
おじさん「そしたらおたくさんが電話してみてくださいよ。電話番号教えるから。」(なぜかキレ気味
私「教えていいんですか?」
おじさん「おーおー、電話してみてください」
…なんでキレ気味なんだ…!?Σ(´Д`;)
なんだか、教えてくれるらしい。個人情報じゃないのか?いいのか?
とりあえず、聞いた。
夕方、電話してみるしかあるまい…


【そしてその夕方…】
電話してみた。おじいさんが出た。
私「すいません、私○○と申しまして、遠野市観光協会を通じて見学の申し入れをさせていただいてました。今日がその日だったのですが…」
おじいさん「何!??そんな話は聞いてねえな。」
なんだ?ハナシが違う。Σ(´Д`;)
私「すいません、観光協会の方から話が行ってないんですか?」
おじいさん「うちはただの農家だから、観光とかなんだとかはやってねえんだよ。」
根底からハナシが違うΣ(´Д`;)
私「では改めて、見学をさせていただきたいのですが…」
おじいさん「お宅が何様か知らないけど、○×△□#$(方言がひどくて聞きとり不可能。なんだか怒っているらしい。)」
ガチャ!!
切りやがった!!!!Σ(´Д`;)

【結論】
……と、いうわけで、ここは観光できないようです。
まあ、遠野市観光協会に電話してもあのフレンドリーなおじさんがでてきたら、きっとこういうだろう。
「そんなもん、向こうが観光させたくねえ、って言ってるんだから、仕方ねえべ?」
う~~ん、俺の言いたいのはそういうことじゃないんだが…。



2012年3月現在、岩手県は県をあげて観光誘致キャンペーン“岩手デスティネーション・キャンペーン”(通称「岩手DC」)を実行中…。ちなみに「デスティネーション」は「目的地・行き先」の意味だそうです。
しかし、こんな状況ではわれらが達増知事も真っ青だな…。
言えるのは一つ。
遠野市観光協会恐るべし。

ただ、思うに…、
「サムトの婆」編といい、遠野の人はあんまり自分たちの「生活」の場を「観光」で立ち入ってほしくないんじゃないかな?
そうだとすると、俺みたいにミーハーな気持ちで観光に来る人間はうざったくて仕方ないんだろうな…。
そう考えると、今回のことはある意味、勉強になる…。

いやいや、
だったら、
観光協会とかつくるんじゃねえよ、遠野市!!!!!!
仕事がユルすぎるんじゃああああああ!!!!!!

プギャー ヽ(`Д´)ノ

ただ、この記事の当時は見学できたようですね…
→ググって見つけた記事
このサイトも面白い。センスが私と似ている…。
→珍寺的遠野物語

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