totoroの小道

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満を持して

2008-10-03 06:12:15 | 理科

理科「土地の作りと変化」

いよいよ、夏に桜井先生から教えていただいた、「地層について」の核心に迫る実験です。

こんなふうに、運動場からとってきた土を、小さなメスシリンダーに入れていきます。今までは臨場感を出そうと、樋で土や砂を流していましたが、水槽が大きくなるとかえって見にくくなることが分かりました。ですから、小さなメスシリンダーを「海」のモデルとして見立てます。薬さじは、川のモデルです。

たったこれだけの実験です。おそらくこの実験をしただけなら、ふ~ん、とたいした感動もなく見過ごされてしまい、なんとなく理解しただけで終わります。しかし、ここまで、まず身の回りの地層を調べてそこから課題を作っています。そして、①地層の中の石は互いにこすれ合ってできた物であること、②それは流れる水の働きであること、③その結果海に運ばれ堆積すること、というように、一連の流れを、細かく切って実験してきています。

本校は、国語で文を「切る」ことにこだわっています。あちこちつまみ食いするのではなく、たった一つの文、たった一つの言葉から事実を解明し、そこから全体に広げて帰って行くという読み方をしています。

これは、科学的、数学的な学習の仕方です。つまり、スモールステップ学習を国語で行っているのです。この事実を分かるには、①のステップ、②のステップ、③のステップというように段階を追って解き明かして考えていかなければならないと考えるのです。そうすれば、今まで曖昧だった解釈が、「これしかない」というピントの合った事実としての解釈になります。

これができると、今まで主人公の気持ちは「こうでもあるし、またこうでもあるように思う。」とだいたいの解釈をしどれも正解のように思っていたのだけれど、ここではこう思う以外に解釈のしようがない、といった正確な読みに変わります。

理科の「地層の学習」でも、雨が降り、土砂が流され、それが流れる水の働きで互いにこすれ合って削り合い丸い粒になり、海や川に堆積し、それが隆起して....などと、一度に学ばせてしまってはだめです。ほんの一部の子だけが分かる授業になります。まず、最初の部分、そしてその次の部分、そして...と部分部分に切り、そこが理解した上で次のステップに進むことで、次第にちょこちょこっと教科書を見て分かったように思っていたつもりになっていたことが、事実として認識していけるのだと思います。

だから、くいつきが違います。食い入るように、小さなメスシリンダーを見つめます。

「先生、見てみて。降っていく。」
と言うのです。
「降る?」
と聞き返します。
「あのね、雪が降るように、メスシリンダーの中に土や砂の粒が降っていくんだよ。」
「それでね、まず小石はすぐに落ちるんだけど、その後に砂が落ちて、最後にね、粘土の粒がゆっくりゆっくり雪みたいに降っているんだよ。」
「だからね、時間差でふってくの。」
「下に落ちた順番につもるから、大きい粒の層、細かい粒の層が自然とできていくんだよ。」
....夢中に解説してくれます。

「ほらほら先生、だからこんなにきれいに地層ができてるよ。」
「ここがね、ほら泥の部分でしょ、こっちは小石で、ここは砂だよね。」
「先生、地層って、水の中の沈む速さの違いで、こんなにくっきり模様になるんだね。」
新鮮な驚きだったようです。

だから、1時間の授業、たったこれだけの授業で、彼等はこれだけのノートをとることができました。














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1 コメント

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いいですね~ (Mrヒデ)
2008-10-03 10:11:26
「地層の学習」いいですね~。写真の子供たちの顔、子供たちのノート、実験結果から充実した学びが臨場感豊かに伝わってきます。
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