学校に音楽はよく似合う

お客様の車を送り出すため校舎外に出る。

空を見上げる。
きれいな青空だ。

どこからか、素敵な歌声が聞こえてくる。
何年生の歌なのだろう。
軽やかで、つややかで、明るくて．．．．
この青空の青が、ますます青く感じられるような、歌だ。

改めて、校舎の外から歌声を聞いてみると
学校に、歌声は「とてもよく似合う」と思う。

歌声の主を捜してみたくなる。

だれもいない授業中の廊下。
その向こうから、歌声は響いてくる。
音楽室らしい。

それぞれの教室の中では、真剣に授業が行われている。
歌声は、その向こうから聞こえてくる。
その各教室の息づかいと、遠くからかすかに漏れ聞こえる歌声。
ここちよい、調和を感じる。

やはり、もう一度
歌声の響く学校っていいなと思う。
国語も、算数も、音楽も図工も、体育も、いろんな教科が調和する。
そして、一つの空気を生み出していく。
それが学校だ。

ところがよく聞いてみると、別の教室からも歌声が聞こえる。
さきにそちらを覗いてみる。

6年生が、全校合唱の2部合唱の練習をしている。
担任の先生がオルガンをひき、音をとっている。

このクラスも空気が澄んでいる。
先生と子ども達が一つになっている。
と感じる。

いよいよ、音楽室をのぞいてみる。

2年生が、表現の練習を行っていた。
体育館はおそらく別の学年が練習しているのだろう。

狭い部屋に70人の子ども達が入り歌っている。
先生と一緒に何度も同じ歌をやり直している。

「あとちょっと」でいいところまで行くんだけど、その「あとちょっと」は何だろう？
歌いながら、その「あとちょっと」を探している。
私にはそのように見えた。

幸せな気分になる。

そろそろ、職員室に戻らなければならない。
と、音楽室を後にする。

階段を下りていくと、別の音楽が聞こえてくる。

そこにも、熱心に指導される先生と、のめり込むように一緒に学ぶ子ども達がいた。

学校に音楽はよく似合う。
なんだか、あらためてそう感じた。