
この物語の題はなぜカレーライスなのか、が残された課題です。これを話し合いながらこの物語の主題を考えてみたいと考えました。
①お父さんとひろしを仲直りさせたのがカレーだから。
②カレーが好きだから。上手だから。
③毎回カレーだから。
の3つの意見がでました。
①の根拠は、最後にカレーを一緒に作ることで仲直りできた。
②の証拠は、お父さんは下手だけど特製カレーって言っているから上手なつもり、
などと出ました。
そこで、6の場面を音読しました。
ここで感心しました。「 」の中を、自然に気持ちを込めて呼んでいるからです。
何度もくり返す所は、声の大きさを変えています。
そこで中辛という言葉がキーワードとして出てきました。そこで、この日は子供たちに任せるのではなく、教師の思いを少しぶつけてみました。
「最初は甘口だったんでしょ。甘口がいやなら辛口にすればいいのに、どうして作者は中辛なんて中途半端な言葉を使うの?これは、作者の仕掛けだよ!」と投げかけます。
「好み。」
と、ポロッと声がしますが、いやいや、作者が主題に迫るために、わざと使った言葉だのはずだよ!! と、打ち消してみます。
カレーらしくておいしいから。
ほんのり辛いから。
真ん中。6年生だから。
辛口だと辛すぎる。
お父さんは、「中辛だぞ。辛いんだぞ。」って心配している。
でも、ひろしはいつもはお母さんと中辛を食べてるんだよ。
お父さんだけいつも仲間はずれなんだよ。おかあさんとひろしは中辛なのに、お父さんが作ると甘口なんだよ。
何かを、お父さんに教えたいんだよ。もう、ひろしは 中辛を食べてるんだと教えたいんだよ!!
という意見がでたので、もう一押ししてみます。そうだ。でもただ中辛を食べてるって教えたいんじゃないよ。作者は、何を教えたいんだろう??
子供でもないし、大人でもない。甘ったるいのはかっこわるい。辛口は、辛くて食べられない。と出てきました。
ここで「辛い」を辞書で引いてみて、とお願いしました。「きびいしい。」ここでは「大人の厳しさ」と分かります。甘いをひくと「きびしくない。」とでてきます。
今までお父さんの作ったカレーは、厳しくない。まだ、子供だと思っている。弘の選んだのは、中辛。辛すぎても、甘すぎても、二人で食べれないから。
前に「甘ったるくてしかたない」と甘いのを嫌ってると意見が出ました。「甘ったるい」を辞書で引くと、「甘くてそれ以上は食べられない。それ以上食べるのは、いやだ」と載っていました。甘ったるいは、甘すぎていやなんだ。ということが分かりました。
作者は、カレーの味のことを言ってるんじゃないよね、と投げかけると
お父さんが、ひろしを子供扱いしてるのがいやなんだ。甘ったるいカレーのように、甘やかすのはやめてほしいんだ。オーブントースターしか使わせてくれないって、甘やかしてるよね。お子様あつかいが、甘口のカレーだよね。
ひろしは、もう6年生として扱ってほしいのに、お父さんはいつまでも心配性なんだ。子離れできないんだ。かわいい子には旅をさせろって言うけど、旅をさせられないんだ。
ひろしは、いきなり大人扱いは困るけど、ちゃんと6年生としてのひろしを見てね、6年生として扱ってねって言いたいんだ。と、分かったところで、拍手拍手、パチパチ!!
ここでもう一度、題はなぜカレーライスなのかにもどります。
怪しいところを音読します。カレー!!
ちょっと、弱い。そこで、ほっぺたが熱くなるように読んでよ!!熱くなるのは、向きになってるんだよ。
答えは、今度も考えるより先に出た。「カレー!!」
3回もカレーが重なっているところは、3回の声をどう変えるの?と確認してもう一度読ませました。
カレーにこだわっています。
カレー食べたらお父さん元気になった。栄養があるんだ。食べ物の栄養だけでなく、「治ってほしい」っていうひろしの気持ちがこもってるんだ。
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