10月の授業研究の会では、「手ぶくろを買いに」の教材研究を行いました。
以前教科書に載せられていましたが、現在は採用されていません。
川村先生が、指導主事訪問で複式の国語の授業に挑戦します。
川村学級ではすでに学びが始まっています。
主人公を子ギツネとし、子ギツネの「変だ」「おかしい」から大問題も見つかっています。
今回は、その大問題で学んだ場合のシミュレーションをすることにしました。
大問題は
「こぎつねが、どうして間違えた手をだしたのに慌てなかったのか」です。
答えとして
1.人間がこわくないから
2.間違ったと気付かなかったから
予想としては、1.人間が怖くないからが選ばれるだろうと考えました。
その根拠をどこから探したらいいでしょう。
母さん狐と別れるとき、母さん狐が
「つかまえておりの中へ入れちゃうんだよ、人間ってほんとに恐いものなんだよ」
と言ったことに対して、
「ふーん」
と答えています。
ここが一つ根拠としてあげられました。
ふーん=軽く同意・了承するとき。緩やかな肯定 といった意味です。
つまり、知識としては分かったけれど、心ではそれほど怖いと思っていないと言うことです。
ここで、新しい問題が出てきました。
子ギツネは間違った方の手をだしたことを、どの時点で気付いたかです。
子ギツネはすなおに、握って来た白銅貨を二つ帽子屋さんに渡しました。
でしょう。
母親が、人間の手に銅貨を握らせたのです。
お金を払おうとして、あっこっちの手だったと気づいたのです。
それ以前に気がつけば、「ふーん」程度の軽い気持ちですから、狐の手と人間の手を入れ替えるでしょう。
間違ったと気づいたのに、慌てる様子はありません。
すると、
子ギツネはすなおに、握って来た白銅貨を二つ帽子屋さんに渡しました。
を調べてみて、「人間が怖くない」という子ギツネの想いが見つかればいいわけです。
切って考えます。
子ギツネは/すなおに、/握って来た/白銅貨を/二つ/帽子屋さんに/渡しました。
この中の根拠となるのは「すなお」でしょう。
子どもたちでも、この中からなら十中八九「すなお」を選ぶと思います。
素直=①性格や態度にひねくれたところがなく、人の言動などを逆らわないで受け入れるさま。
辞書的な意味だけでは、怖くないが見えません。
そこで、素直で単文をつくったらどうでしょう。
その際、「すなおに~した」「すなおに~しなかった。」の両方を一度に作るとおもしろそうです。
・先生に注意されたので、私はその注意を聞いていたずらをやめました。
(先生を尊敬しているから従う)
・先生にいたずらを注意されたけれど、わたしは素直に聞かずに心の中であっかんべーをしました。
(先生の権威があるから従う)
・「迷惑になるから走ってはダメ。」と注意されて、素直に走るのをやめました。
(その通りだと思うからやめる)
・「走るな!」と注意されたけど、素直に聞き入れずにそのまま走っていました。
(怒られたから素直に聞けない)
つまり、人が素直になれるのは、相手が好きであったり、相手の言うことを信じる気持ちがあるときです。
だから、素直に手を差し出すのは、人間に対して、不信感を持っていないからだと思うのです。
お母さんの言うことを真に受けていたとします。
狐の手を出したことに気付きます。
つかまって檻に入れられると恐怖に想い、一目散に逃げ出すはずです。
素直にもう片方の手を出したのですから、怖くないのです。
第35回 | 2013年11月9日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
第36回 | 2013年12月14日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール |
第2会議室 |
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