2年生の「見たこと、かんじたこと」 では、3編の詩を読み、それを参考に詩を書くことに挑戦する。
3編の詩が載っているのは、比較するためだと思う。
どの詩も、繰り返しの言葉や様子を表す言葉が入っている。
その楽しさを感じてから、創作に取り組むのだ。
詩を作る活動を見据えて詩の読み取りをすることになる。
まだ2年生であるので、おおいに「詩っておもしろい」と思わせ、「僕も作ってみたい」へと関心をつなげていきたい。
詩は、作文と違って短い言葉で書かれている。
メロディをつければ歌になるように、読むリズムが大事になると思う。
また、短い言葉で全ては説明できないが、大事な言葉で想像して説明されていない部分を補うたのしさもある。
そこで、私は詩の学習方法は、大きく分けて2通りあると考える。
次の2つを学ぶのだと思う。
①音読の楽しさ
②内容の楽しさ
「きんぎょのあぶく」で、この2つの学び方を考えてみたい。
①音読の楽しさから様子を学ぶ
次の4つの詩を掲示する。
順に読ませてみる。
最初の詩を1班、次の詩を2班、3つめを3班、最後を4班などとグループごとに読ませて、聞いてみる。
T:どれがいい?
T:どうして?
T:本当? 何度も声に出して読み比べて、どれが一番金魚の様子が分かるか教えてよ。
こんな発問をしていく。
すると番目が一番いいと言うことになっていく。
だって、金魚はずっと1カ所にいるわけでなく、同じ姿勢でいるわけではないからだ。
4回金魚の様子を表現することで、金魚の色々な様子を想像することができる。
作者は、金魚をよく見ているから、4通りのパターンを見つけたわけだ。
4つのパターンを比べることで、4通りの行動パターンあある良さを発見できる。
また、次のようなパターンもおもしろそうだ。
この3つを比べることで、泡の様子を思い浮かべることができる。
声に出して何度も読んでみる。
子どもたちは、喜んで読むだろう。
目をくりくりして、いたずらそうに嬉しそうな顔をして、おかしな抑揚をつけて歌うように読みだすだろう。
2年生は、声に出して読むのが大好きなのだ。
「ぷく」だと、泡が一つしかない。
「ぷくぷく」だと、2つ。
「ぷくぷく ぷくん」だと、最初に2つ3つあわがでて、やや間があってもう一つ最後に..という様子が見えてくる。
「ぷくぷくぷく」だと、ずっと同じように泡がでるけど、一度止まって最後に一つというニュアンスを感じる。
子どもたちがのってきたら、いっしょに替え歌を作ってみたらどうだろう。
げらげら笑いながら、楽しそうに読むだろう。
ぷくぷくだと小さな丸い泡の感じがする。
ぶくぶくだと、大きすぎるし何だか汚い感じがする。
ぽぽぽぽだと、ゆっくりでなく、どんどん上にあっという間に上がってしまう気がする。
こんな感想を述べあううちに、
「やっぱり、金魚の泡は、ぷくぷくガにあっているね。」と納得するだろう。
ここまで、楽しく音読をして活動したなら、どうせならもっと替え歌にして楽しんでみたらどうだろう。
緑の部分を変えてみると、何だか楽しい詩ができる。
2年生ぐらいだと、こうして楽しく読む中で詩の良さを感じ取っていくとよいと思う。
②内容の楽しさから様子を学ぶ
もちろん2年生だって、授業者の発問次第で少ない言葉を手がかりにして、言葉から様子を楽しくイメージすることができる。
たとえば、最初の「金魚があぶくを ぷくぷく ぷくん」を読んで、問題をたくさん作ってみる。
T:何が見えた?
S:泡と 金魚
T:金魚から問題を作ろうよ。
S:どんな金魚? 金魚はなんびきいる? 金魚は何をしている? どっちを向いているの? 何をしているの?
T:泡から問題をつくれる?
S:どんな泡? 泡はいくつ? どうして泡があるの? 泡の大きさは? 何色? いつから?
「あぶくでおはなし ぷくぷく ぷくん」は、子どもたちと絵を考えてみるとおもしろい。
T:何匹いる?
S:話をするから少なくても2匹。
S:あんまり多いと、話ではなく話し合いになるから、2匹出いいと思うよ。」
T:どっち向き?
S:話をするから向かい合っているよ。
S:お互い、顔を見合える位置だね。
S:泳いでいると話ができないから、止まっているか、ゆっくり泳いでいるよ。
T:そのとき、泡はどうでるの?
S:お話ししているみたいだから、交互に出てる。
S:大きいあわや、小さいのや、早いのやいろいろあるんじゃない?
「ないしょばなしも ぷくぷくぷくん」 は「あぶくとおはなし」と、どう違うのだろう。
S:距離が近くないと、内緒にならない。
S:泡も、小さく見えにくいと思う。
S:水草の陰でこそこそするようにしているんじゃないかな。
S:こっちにおしりをむけて、あっちを向いて内緒話をしているような気がするな。
「あぶくでおうたを ぷくぷく ぷくん」はここまで学んできたら、それぞれに絵を描かせてみたらおもしろい。
S:同じ方を見ているよ。
S:視線の先に指揮者がいるんじゃない?
S:口をいつもより、ぱくぱく大きく開けてるんじゃない?
S:泡も、大きいのや小さいの、リズムよく出るのなど、話すときとは違う出方だよ。
こんなふうに、問題を作りながら話し合うと、全員が詩に対して同じイメージを持てるようになる。
2編目の詩として「でたでた月が まあるいまあるい......」が載っている。
これも、①音読の楽しさ ②内容の楽しさの二通りの勉強の仕方がありそうだ。
①音読の楽しさでは、音読と言うより、何度も歌ってみるといいと思う。
どこを大きく歌うといい? スタッカートと伸ばすのとどっちが合ってる?
嬉しそうに歌うのと、悲しそうに.......どれがいいと思う?
色々な歌い方をしながら、この詩に合う歌い方を模索してみたらいい。
②内容の楽しさ
T:月って何?
T:この詩の月は、次の5つのどれに近い?
S:2と5はちがう。まん丸じゃない。
S:4はあり得ない。丸い丸いまん丸いって3つあるんじゃなくて、3倍丸いと思えるぐらい少しもいびつじゃない丸のこと。
S:1と3なら、3だね。すごく丸くて驚いているんだから、大きくよく見えるんだよ。
この月は、どこにあると思う?
S:出たは、「出る途中」じゃなくて、出終わったその瞬間ってかんじだね。
S:まん丸って分かるんだから、姿が全部見えるはずだよ。
月をかくした曇って、次のどんな雲だと思う?
S:隠れるんだから、3のように空一面の雲じゃあ、最初から見えないから隠れられない。
S:あんまり小さいと、真っ黒くなくて透けて見えてしまうと思うな。
S:それに、雲の周りから光が漏れ出てしまう。
S:だから、ある程度の大きさの雲だね。
月は、雲にどのように隠れたのだと思う?
月が隠れた位置は、どのあたりだと思う?
絵や図をかきながら、少ない言葉を手がかりに話し合うと、詩のイメージがかなりはっきりしてくると思う。
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