totoroの小道

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白いぼうし ~15分の授業記録~

2011-04-27 06:55:39 | 4年 国語

白いぼうし

4年生の助勤に入った。
白いぼうしのテストを行っている様子を、
担任のお留守番をしながら見ていた。

25分ほどで、ほぼ全員が終わった。
このまま、読書をさせて後の20分を過ごさせるものもったいないと思った。

そこで、
子どもから教科書を借りて、1の場面の途中まで
「白いぼうし」の本文を板書した。
そして、
テストの終わった子どもたちと、
15分ほどだったが、国語の授業を行った。

 

黒板に書いた文を読んでみましょう。
始めて読んだにしては、素晴らしい!!
上手に読めるね!!
すごい!!
「先生、はじめてじゃないよ。」
「もう何回も読んでるんだよ。勉強したんだ。」
な~んだ、どうりで上手だと思った!!

じゃあ、みんなは「白いぼうし」をよく知ってるんだね。
前から、疑問に思っていたことがあるんだけど
教えてくれる?
「いいよ!!」

あのね..
これは、何月何日のお話なの?
「6月だよ。書いてあるじゃん。」
6月は分かったけど、何日なの?
「そんなの、わかんないよ。」
そうかなあ。知りたいんだけどな。
書いてあるような気がするんだけどな。
「『今日は、6月のはじめ。』と書いてあるから
 6月1日じゃないの?」
「1日かどうかは、分からないよ。
 1日~3日ぐらいのことじゃない?」
「それじゃあ、「はじめ」にしては期間が短いよ。
 1日~5日ぐらいじゃないのかな?」
「ぼくは、1日~10日だと思うな。」

子どもたちが言うように板書します。
①6月1日
②6月1日~3日
③6月1日~5日
④6月1日~10日
そして、どれかに手を挙げてねと言います。
「ちょっと待って。」
「考えるから。」
「初めだから、最初の方だよね。」
「10日じゃあ、もう月の半ばになっちゃうんじゃない。」
「5日も、あんまり初めって感じはしないな。」

挙手します。
①6月1日
②6月1日~3日
が半々。③④は手が挙がらないので消します。
このどっちなの?
「そんなの、これ以上は分かりっこないよ。」
「どっちでも、いいんじゃない?」
いや、これは、答えが載っているんだよ。
「どこに?」
6月のはじめって書いてあるでしょ。
「だから6月の初めは、①か②だよ。」
でも、どっちかにしたいんだな。
「そんなの分からないよ。」
わかるんだな。
「じゃあ、教えてよ。」
いいですよ。
国語辞典を持ってらっしゃい。
え~と、はじめ....
あなた、読んでください。
「始めること(時)。始まった段階。最初。」
「あっ、1日だ。」
どうして1日って分かるの。
「だって、最初って書いてあるもの。」
そうだね、最初なら①の6月1日だね。


じゃあ、それはどんな日なの?
「暑い。」
「夏がはじまったって書いてある。」
「夏の最初だね!!」
「シャツを、腕までたくし上げている。」

じゃあ、この暑い中で、
松井さんのタクシーは窓を開けてるの?
「開いてるさ、暑いんだもん。」
「クーラーをつけてるかもしれないよ。」
「じゃあ、窓は閉まっているかもね。」
「ほう、夏みかんてのはこんなに「におう」...って書いてあるでしょ
 そんなに、「におう」ってことは、窓が閉まってるんだよ。」
「開いてるよ。」
「閉まっているよ。」

じゃあ、やってみようね。
シャツを腕までたくし上げているをやってみよう。
「ここまでだよ。」
そんなに、上まであげるんだ。
「だって、『うで』までだもん。」
へ~
「やっぱり、暑いんだよ。」
「我慢できないぐらい暑いから、腕まであげるんだ。」
「じゃあ、クーラーはついてないよ。」
「クーラーがついてたら、
 上着もぬがないし、シャツもたくし上げないよ。」
なるほど、クーラーはないんだ。
「そうそう。だから、窓を開けてるんだよ。」
「そうしないと、がまんできない。」
「だって、夏が始まっちゃったんだから。」
へ~、
「じゃあ、夏みかんのにおいがすごいのは変だよね。」
「窓が開いていたら、風が入ってくるもの。」

「『赤信号で、ブレーキをかけた。』って書いてあるでしょ。
 車は、止まったんだよ。」
「車が止まって、外の風がなくなったから
 ほう、夏みかんってのはこんなに「におう」って言うほど
 いい匂いがしたんだ。」

そうか、車はブレーキをかけたんだね。
ところで、じゃあ、
車が止まって、車に風が入らなくなるのはどこなの?
「信号が赤なので.....」
「あれっ、でもさあ、その前から
 『いいにおい』がしてるよね。」
「うん、信号が赤になる前から
 『これは、レモンのにおいですか』って言ってる。」
「じゅあ、風が入ってもいい匂いなんだ。」
「それぐらい、においがたくさんなんだ。」
「すごい、夏みかんだね。」
「風に、負けないにおいなんだ。」

 さて、これでやっと先生が
 前から、疑問に思っていたことが聞ける準備ができたよ。
「え~、何を聞きたいの。」
あのね、前から不思議に思っていたんだけど、
そんないいにおいの『夏みかん』を
『レモン』と間違われたわけでしょ。
だから『いいえ』と言ってるでしょ。
ふつう『いいえ』って言ったら
怒るよね。
なのに、松井さんは『にこにこ』してる。
これがどうしても、どうしてか分かんないんだな。
「え~どういうこと。」
だって、今から私が
(目の前の子を指さして)
あなたは、バカ!!  って言ったらどう思う。
「いやだなあ。」
(別の子をさして)
あなた、ぶす!! って言ったらどう思う
「え~、ぶすじゃないもん」
そうでしょ。
怒らないまでも、ふつう、にこにこしないよね。
なのに、にこにこなんて変だよ。

「それはね、においに気付いてくれたにこにこだよ。」
「それぐらい、いいにおいだってほめてくれたんだよ。」
「レモンと夏みかんなら、
 ふつうレモンの方がいいにおいでしょ。
 そのレモンと間違えるぐらい
 レモンよりいいにおいだといってるんだから、
  すっごいいいにおいだと、ほめてるんだよ。」

そうかあ、レモンか夏みかんの間違いより
においに気付いてくれたことが
「うれしいんだよ。」
「だから、にこにこしてるんだ。」
「においに、気付いてほしかったんじゃないのかな。」


..............
......
ここで、15分経過
今日のミニ授業はおしまいです。
ちょっと強引でしたが...

国語っておもしろいね。
どんどん、発見するね。
また、一緒にお勉強しようね。
こう言って、教室をでます。

 

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1 コメント

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助勤って何か子どもに投げ掛けたいことがあると楽しみですね (Mrヒデ)
2011-04-27 11:09:17
15分でこんなに言葉やイメージを深める勉強ができるのですね。これも酒井さんが常に教材を意識して考えているからですね。それとやっぱり子どもに豊かな学びを経験させてやりたいという願いがあるからですね。
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