韓国ドラマを見ていていつも目が引き寄せられるのはコートだ。
スタンダードなデザインなのにちょっと不思議な切り替えや色会わせが盛り込まれている。
我が家の近くに古くからの教会がある。
長閑な田舎の景色なのに雰囲気があか抜けているのだ。
犬の散歩をしている人もなぜかあか抜けている。おじいさんなのにカッコいい。
ウールのバッチワークのようなコートとフレンチブルドックが教会の芝生の庭を背景にした道に目立っている。
一体、あのコートはどこでどう手にいれたのだろう?
ある日「トッケビ」を観ていたら同じようなコートを見つけた。
もしかしたら新大久保のコリアンタウンにあるのかも?
一瞬、私も欲しくなった。
でもチビでガリガリで挙げ句に若くない私のサイズはないだろうし似合いそうにもないし派でな布の中に埋もれた老婆になりそうだ。
第一新大久保まで出かけて行く体力も気力も持ち合わせていない。
それでも楽しかった。
散歩の老紳士もドラマの中で見つけた同じようなコートも新大久保のコリアンタウンにあるかもしれないと推理した私自身も全部楽しかった。
教会には50年前まで鐘があって日曜日には鳴り響いていたものだ。
だけどご近所からの苦情は年々、多くなり鐘は取り壊されたと聞く。
世の中は移ろい行くものらしい。
鐘の音もコートを纏ったおじいさんもフレンチブルも私の記憶の中に留めておきたい。