【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

インボイス制度導入が延期になったら!

2022-11-03 11:50:00 | 消費税
令和5年10月1日から導入されるインボイス制度、特定の業界や団体から延期を求める声が出ています。当然だと思います。世間のインボイスに対する認知は極めて低く、あと1年で制度が円滑に運用されるようなレベルに達するとは到底思えません。また、制度スタートの令和5年10月1日からインボイスが発行できる適格請求書発行事業者の登録期限は来年3月31日までです。おそらく、期限までに登録をしない事業者が続出すると思います。

もし、インボイス制度の導入が延期になった場合はどうなるのでしょうか?

◆すでに登録している事業者の扱い

インボイスが発行できる適格請求書発行事業者の登録は令和3年10月1日から始まっており、すでに登録を済ませた事業者もいます。登録をした事業者には「登録番号」が付与されるとともに国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号のほか会社名と所在地などが公表されます。

この登録は延期になっても、当然そのままでしょう。そうでないと困ります。もう一度登録をするというのは官民ともに大変な無駄です。

◆登録とともに簡易課税の申請をしている場合

免税事業者であれば、適格請求書発行事業者の登録とともに簡易課税の申請をしているケースがあると思います。当然、この簡易課税の申請もインボイス制度が延期になってもそのままでしょう。

◆延期により変更となる事項

これが最大の関心事でしょう。

「一定金額以下の取引はインボイスが不要」

「免税事業者からの仕入についてインボイスがなくても一定額が仕入税額控除できる経過措置の見直し」

このあたりを何とかしてほしいところですが、おそらく無理だと思います。

◆中止の可能性

ほとんどないと思います。ですから、もし延期になったとしても中止を期待せず、延期された期間内にインボイス制度に対する理解を深め、適格請求書発行事業者の登録が必要と判断された場合には期限内に登録をすることです。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。