50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも・・・

2016-06-11 20:36:38 | 小説
和子が目を上に向かって丸くしていて、妹のようにも思われるから、啓は人の列をつくる歩道の日だまりで抱き佇むことが出来ているのだ。例えばひょっこりふるさとの知り合いに出会わないとはかぎらない。その弁明とか考える余裕もまだない。あのリングでゆれたセーターの乳房を啓は思い浮かべた。急いで、「和子さんに似合う曲やから、きっと御堂筋にもふさわしい曲や思う」

(「南幻想曲」つづく)