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大目玉のクハ165 前編

2021-12-05 09:02:00 | 模型雑感(N)

2001年に発売以来、着々とバリエーションを増やしてきたトミックスの165系

発売開始からちょうど20年となる今年、最新仕様の宮原電車区が発売されたのでレビューを兼ねて各製品を振り返ってみることにしました。歴代全ての製品に含まれる大目玉のクハ165湘南色が対象です。

(シールドビームやカラーバリエーションは省略)

 

2001年発売 初代製品 (#2970、#92201)

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初代製品は169系長野色に続く急行型HGシリーズ第2弾として発売されました。

冷改車がプロトタイプで、クハ165は単品及び3両基本セットに含まれています。

その後の製品と大きく異なるのが黄かん色の発色です。記事の少し下の方で比較しています。

同時に単品のサロ165やサハシ165もラインナップされ、往年の急行編成が組めるようになっています。ただ基本セットに関しては製品名にJRを冠しており、スリーブに描かれている姿も3両編成の普通列車となっていることから、晩年の姿がプロトタイプのようにも見えます。Hゴムも黒色ですね…(商品自体はグレーです)

この頃の車番は透明ベースのないインレタが付属していました。

カタログの表記も転写シートではなくしっかりインレタと記載されています。

透明ベース付きの転写シートに移行したのは転写の難易度の高さゆえと聞いています。

インレタは文字が欠けたり真っすぐ転写出来なかったりする確率が多いですからね。

ただ、造型や印刷精度が上がってきた昨今の製品は透明ベースの存在が一層気になります。

 

2009年発売 新製冷房車 (#92366、#92367、#92368)

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初代製品の次に発売されたのは新製冷房車です。

上の写真は基本セットBの車両で、クーラーの側面がメッシュタイプのAU13Eが搭載されています。

先頭車はデッキ上のベンチレータが無くなった屋根板が新規製作で起こされています。

165系は基本的にスリットタイフォンですが新製冷房車はシャッタータイフォン仕様です。

前面ガラスはデフロスタ付きとなりましたが、ボディとHゴムの隙間が大きくなってしまいました。

このガラスは3代目までの他、167系や169系にも引き継がれてしまいます。

床板はクハ169と共通で、新集電・黒色車輪、SPタイプのTNカプラーが採用されました。

初代と新製冷房車の基本セットB及び増結セットにはヘッドマーク用のシールが付属しています。

新製冷房車は行先表示がプラ製のパーツになったため、ヘッドマーク部のみ収録されています。

基本セットAは房総方面の列車名が印刷済みのヘッドマークランナーが付属します。(写真なし)

 

2010年発売 2代目 (#8936、#92384、#92385)

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新製冷房車の翌年2010年に発売されたのが、初代製品のリニュ―ル版となる2代目です。

サハ164はこの時が初出となりますが、サロ165帯入り×2との3両セット構成で単品はありません。

2代目は黄かん色が濃くなったため、初代と並べると色の違いが際立ちます。

初代は同時期に発売された115系1000番台も同様の色合いだったと記憶しています。

これに関しては実車も経年や天候によって見え方が変わるので、一概にどの製品が正確とは言えない部分だと思います。実車に対する印象もユーザーによりけりでしょう

 

新製冷房車とは発売時期が1年しか差がないこともあり、色味の大きな差は感じられません。

個体差かもしれませんが、前面の塗り分けは新製冷房車の方がシャープですね。

 

この2代目製品は国鉄仕様となりました。特定の列車名は冠していませんが、基本セットA(モハ164-0)は上信越線系統の急行佐渡を、基本セットB(モハ164-800)は中央線系統の急行アルプスのヘッドマークを掲げたイラストが描かれています。

ヘッドマークは印刷済みのランナーになりシールは完全に廃止されました。

黄色い比叡や、富士川などは残念ながら省略されてしまいました。

 

2016年発売 3代目 (#9311)

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3代目の製品は2代目シールドビーム仕様の増結用単品扱いで発売されました。

シールドビーム車は基本セットCと言う名前から2代目大目玉のバリエーション展開という位置づけであることが伺えます。ただ、大目玉の単品が2代目#8936の再販ではなく新品番が振られたのは、ライトユニットやボディが新仕様に変更されたたためと推測します。

信号炎管の位置が選択式となったため、オデコにあった穴を埋めた痕跡があります。

また169系湘南色と同様にヘッド・テールライトリムとタイフォンが別パーツ化されています。

タイフォンは選択式なので他の形状も選択できます。ただ、スリット式についてはやや突出量が多く、2代目までの一体成型の方が実感的だと思います。スリットは別パーツの方が明瞭ですけどね

 

2021年発売 宮原電車区 (#98440、#98441)

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今年発売された宮原電車区のクハ165。

写真は増結セットの奇数車・元非冷房車です。基本セットの奇数車・元冷房準備車と増結セットの偶数車・元非冷房車の違いは続編で紹介しています。

3代目までの製品と比較すると各部のディテールアップが図られています。

まずヘッドライトはライトリムが細くなりレンズに反射鏡が再現されました。

これにより非点灯時も銀色に見え、今まで以上に実感的にな前照灯となりました。

前面ガラスもボディとの嵌合が改善した物になっています。ワイパーは銀色印刷。

テールライトリムはボディ一体成型に戻り、ジャンパ栓のモールドがボディ側に再現されるようになりました。

スカートも新規製作品となり、小型のTNカプラーやジャンパホースと合わせてリアルな顔立ちとなっています。

 

側面も大きな変化がありました。ドアレールや臭気抜き窓に印刷が入り、トイレ窓も白色になりました。

カプラーは配管付きに変更され、トイレ流し管はカプラーに差し込む方式になりました。

宮原電車区の車両は全て流し管ですが、今後4代目が登場したらトイレタンクも同様の方式のものになると思います。

床下は水タンクが別パーツ化されました。

3代目までの床下と比較するとステーの間が抜けておりステーの本数も異なります。

この床板は3代目クハ455が出た時に改修されており、水タンクの交換によりクハ165と共用になりました。

(2代目までのクハ455はクハ169と共用)

以上で外観面のレビューは終わりです。

同じHG製品でもこの20年で大きな進化を遂げたなあと、改めて感じることができました。

細部の比較は後編に続きます。

 

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おまけ

ゲストとしてカトーの急行佐渡のクハ165と比べてみます。

この製品は2016年にフルリニューアルした急行こまがね、アルプス、伊那に続く製品として2018年に登場しました。

宮原電車区と比べると黄かん色はかなり濃いですね。Hゴムの色は明灰色で個人的にはトミックスのグレーより好みです。写真だと分かりにくいですがヘッドライトのレンズカットが細かく実感的です。

また、宮原電車区ほどではないですが非点灯時にレンズが黒くならない工夫がされています。

その後、カトーから165系の展開がないのは少し寂しいところです。

各社が切磋琢磨してより良い製品が出ることはユーザーにとっての楽しみでもあります。

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