その2では安全側線の車止めのバリエーションや線形を紹介したいと思います。
京急蒲田の5番線は切り欠きホーム構造で、ドイツのRawie社製の車止めが設置されていました。
名古屋車両区付近の安全側線では第二種車止めが使用されていました。
車止め標識が二重になっているのはちょっと珍しいかも。
加古川の安全側線はJR西で良く見られる油圧緩衝器+安全側線用緊急防護装置の組み合わせ。
このタイプの車止めが使用されていると文字通り安全な側線って感じがします。
近畿車両から徳庵に接続する連絡線の安全側線が設置ですが、これは危険な香りがします…
カーキャッチャーが終端部に付けられており(=摩擦による制動距離がほぼ無い)、よほどの低速でない限りは踏切に突っ込みそうです。
関西本線の平野には大柄な制走堤がありました。これだけ大きいと確実に車両を受け止められそうですが、その分車両の損傷も大きそうです。この先に踏切があるため厳重にしたのでしょうか?
JR嵯峨野線との合流部に設けられた安全側線は谷積みの石垣のような制走堤で独特です。
トロッコ嵐山
スラブ軌道-2でも紹介した姪浜駅構内。1番線の福岡空港方のみ設置されているのですが、なんとこの安全側線には贅沢にもスラブ軌道の分岐器が採用されているのです!
地下に入ってしまうので前面展望はあきらめてサイドから。砂利盛りから先は枕木ですね。
空港線及び箱崎線はATCが採用されているためか、緊急防護装置は省略されていました。
ここからは安全側線が使用される線形を見てみます。
平面交差部ではクロッシングに向かう線路に安全側線が設置されるケースがあります。
特に駅に隣接している場合、過走すると入線する列車に衝突してしまうためです。小平
北藤岡付近の高崎線と八高線の分岐点。左の線路が八高線で八王子方面になります。
高崎線の下り線と合流又は交差するため両方向に安全側線が設置されています。
羽前千歳の標準軌(山形線)と狭軌(仙山線)の平面交差ですが、狭軌側はクロッシングの前後に安全側線があります。標準軌はパターン照査のATS-Pが採用されているため省略されています。
安全側線が駅進入方向に設置されているのも単線並列区間における平面交差ならではかと思います。
奥羽本線の三線軌条区間における安全側線ですが、狭軌側のみ安全側線が設置されていました。
これは標準軌側に分岐がない配線で、かつ保安装置にATS-Pが採用されているためと思われます。
城北線の勝川はホームの先が車庫となっているため、冒進を防ぐための安全側線が設置されています。中央線ホームに乗り入れる日は来るのでしょうか…
左側には駅利用者が使う通路が隣接しています。車止めの脇だけフェンスではなくコンクリート壁になっているのは安全側線に入った車両が通路側に逸脱しないようにするためと思われます。
関西本線の白鳥信号場には四日市方に安全側線が設置されていました。ここは一線スルーですが主本線側にも設置されています。乗り越し分岐器の反位と定位の状態が良く分かります。
右に写っている313系は名古屋方面(写真手前側)に向かう退避中の列車です。こちら側は停止位置から分岐器までの制動距離が150m以上設けられているため、安全側線が省略されています。
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2022/6/12 加筆修正
2024/3/10 加筆修正