最近この連続ドラマを見ています
先日の放送で、お通夜に見知らぬ青年がお参りに来た場面がありました。
あっ、と思いました
それは私の弟のことを思い出したのです
弟は父とお妾さんとの間にできた子でした
お妾さんは祇園で芸妓をしていたのですが父との愛を選びました
二人の暮らしは京都白川の住み家で幸せそのものでした
やがて男の子が生まれました
わたしより6歳ほど下でした
その時代は甲斐性のある男として父をとがめる人はいませんでした
我が家にも弟を連れたお妾さんは公然と出入りしていました
事情が分からないわたしは弟とも仲良く遊んでいました
弟が小学校に入学するのを機に
お妾さんはお見合いの後、結婚を決めました
お相手の男性は京都大学に勤務する方でした
ある夏の日、二人(お妾さんと結婚相手)で揃って父に挨拶にやってきました
父と母は座敷で長年の苦労をねぎらい祝福を送りました
それから何年経ったことか・・・20年???
父は67歳で急死しました
自宅でのお葬式も終わり数日経ったころ
近所のおばちゃんが母に告げました
「こないだ、二十歳過ぎ位の お兄ちゃんとその母親らしき人が あんたとこを尋ねたはったよ」
それは弟と母親に間違いありません
でも、結局遠慮してか家へは訪ねてこられませんでした
それから数年経ったころ元番頭さんから聞かされました
「旦さんは、ず~っと私に運転させて二人の家に通ったはりました」
お妾さんは結婚はしたものの父のことが忘れられず早くに離婚したそうです
その後、父は弟の成長を楽しみにずっと出入りしていたそうです
我が家の誰一人、気づきませんでした
父と弟は親子として長年ひっそり会っていたのです
弟は大学を卒業後京都の某百貨店に就職したようです
もっと、早くに知っていたら 私はきっと会いに行っていたと思います。
もう、今は弟も退職して行方を知ることはできません
お妾さんも既に天国へ行かれたことでしょう
元番頭さんに訊けばわかるかもしれません
でも、そこまですることが良いことかどうかわかりません
そんな昔があったよね・・・で済ます方が良いのかもしれません
捜そうと思えば消息を知る方法もあるのでしょうが・・・
ドラマの一場面を見て無性に弟の事が思われました