苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

2012年2月4日(土)【魚谷山(京都北山)】 其の一

2012-02-10 | 京都周辺エリア
魚谷山周辺(ウォッちず)


魚谷山・・・うおだに・・じゃない、いおだにやま。
魚と書いて「いお」と読ませるなど、京都だけに歴史を感じさせる。

「白き鳥の、嘴(はし)と脚(あし)と赤き、鴫(しぎ)の大きさなる、水の上に遊びつつ魚(いを)を食ふ」

伊勢物語の中にそんな一節があるけれど、それくらい古い「魚」の読み方になるだろうか。
ちなみにこの文の後に、
都では見かけない鳥だと語られている「鴫の大きさなる」鳥はユリカモメのことらしい。
確かに嘴も脚も赤い鳥で、京都では40年前くらいから鴨川などで見かける事ができるようになっている・・・


この日は以前に歩いた魚谷山の稜線を再訪する。
その時知り合ったおじさんが教えてくれたルートで積雪を楽しむのだ。

冬の、面倒な布団から出る作業を終えて朝食をとり、準備をし駅へ向かった。


7時19分 出町柳駅到着

出町柳の駅に着き、叡山電鉄へ乗り換える。
乗り継ぎの時間がどれくらいあるのかわからず、やや駆け足で叡山鞍馬線のホームへ向かう。
ホームに軽やかな音楽が流れていた。うめ子は先に乗車している。
-------そんなに急ぐことも無いだろう。
余裕を持って乗り込んだ後ろで、ドアが即座に閉まった。危なかった。

呑気な音楽は、どうやら出発の合図だったようだ。



7時21分 二ノ瀬駅







にのせ大橋は渡らず、富士神社へと鞍馬川左岸の道を歩く。













京都一周トレイル「北山48」の道標・東海自然歩道道標

「北山48」の道標を過ぎ、踏切を渡ると富士神社に着く。

ここまで、二ノ瀬ユリを歩くか夜泣峠へと向かうか決めかねていた。
結局は二ノ瀬ユリコースをとり、神社から右へと歩き出す。









8時18分 分岐

大岩への分岐。薄く、道に雪が残っている。






二ノ瀬ユリの雪道に、点々と動物の足跡が続いている。
イタチの仲間の足跡だろう。ボクたちを案内するかのように、しばらく足跡は続いていた。
単独の時もあれば、数匹の足跡を見たり、転げまわった跡を見ることができ、
元気な小動物の姿を想像して微笑ましくなる。









8時40分 樋之水峠(ひのみずとうげ)





滝谷峠へ。








うめ子のオスプレーのバックパックはワカンなどの取り付けにも対応






8時45分~8時50分 小休止

少し開けた所で小休止する。フリースを脱ぎ、バックパクに押し込む。
ボクのチャチャパックはワカンを留めるところが無い。
------面倒だけれど、工夫しなければならないな。
そう思いながら、バックの中に無理矢理にワカンを詰め込んだ。





9時11分 道標

滝谷峠を示す道標。二ノ瀬尾根コースへの分岐道標でもある。









しばらくトラバース(水平移動)。




9時16分 崩落地点

途中、崩落のためコースが行き止まりになっていた。
前を歩いていたうめ子が引き返してくる。
「やっぱりこっちは駄目ね」






すぐ左手の斜面を上り迂回する。
16番の杭に滝谷峠から1600メートル地点だと書かれていた。番号と距離は比例している。






9時25分 分岐のような所。右へも行けそうだったけれど、左の広い道を選んだ







9時30分 10番の杭あたり

展望の開けた所で見えていた山はなんだったろうか・・・
蓬莱山?丸くのっぺりとしている。






この辺りまで来ると、雪も20センチほどは積もっている。
ザクザクと心地よい。
それでもまだ、期待していたほどの深さではない。






最近知ったのだが、実はスギは日本の固有種である。
学名をCryptomeria japonicaといい、スギ単体でスギ属を形成している。

上の写真はヒノキ林だが・・・






だんだん雪が深くなってきた











9時57分 滝谷峠

ようやく滝谷峠に到着した。
30センチくらいは積もっているだろうか。ここから稜線へと斜面を北に上り、ぐるりと柳谷峠を目指す。







この日がデビューとなるワカン。
装着の仕方はごく簡単で、ベルトを3か所、上から通して最後にグイと留めるだけだ。
1日使いこなせば、自分に合った留め方もわかってくるだろう。

アイゼンデビューの時もそうだったが、初回からわりとハードに使うことになる。
(アイゼンの時は凍った舗装路、それも下り道を百メートルほど駆け下りた)



ふむ、良い感じ

ワカンの形のままズポッと埋まる。
当初、雪の上を歩くような想像をしていたけれど、
足下周りの雪をワカンでどかして歩くと言う方が当たっている。
壷足よりは埋まらず、靴や裾にあまり雪がまとわりつかない所が便利か。





面白い。
壷足とあまり変わらない気もするが、妙に興奮する。
くっきりと付く足形がまた気持ち良い。

とくにモナカ(表面パリッ、中やわらかい積雪)の上を歩くとサクリサクリと心地良い。















かなり沈む。
沈むけれど、足に負担がかかるようなことはない。
普段通り-----と言えば大げさだが、わりと軽快に歩ける。









うめ子が転けて手を着いた跡

普段通り歩けるのだけれど、よく転ぶ。
-----転びたい。
という気持ちもなくはない。深い雪の上では、怪我や汚れの心配も少なくて済むのだから。









おじさんと休憩した展望良い稜線へと出た。


それでは、このあたりで【其の二】へと続く。まったね~~~。