ウェネトさまの館

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「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」(東京国立博物館・表慶館)

2018年01月28日 06時07分40秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、東京国立博物館・表慶館「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」を観たのでございます。
www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1886
(会場内写真撮影可)

アラビアも表慶館も大好きゆえ、楽しみにしておった展覧会。
特別展なのに平常展扱いで、何と総合文化展観覧料のみ、あるいは「仁和寺と御室派のみほとけ」展のチケットで入場しても観る事ができるのじゃ。
ありがたやありがたや~。

サウジアラビア王国の至宝、日本初公開でございます。
100万年以上前の石器からサウジアラビア初代国王の遺品まで、400件以上展示。

入口で、まずは前3500~前2500年頃の砂岩の《人形石柱》がお出迎え。

構成は以下の5章。

【第1章 人類、アジアへの道】
アラビアの先史時代が紹介されておりまする。

《馬》マカル出土 新石器時代・前6500年頃


 
【第2章 文明に出会う道】
紀元前2500年頃から海上交易で繁栄したアラビア湾沿岸地域の出土物の展示。

《祈る男》タールート島出土 前2900~前2600年頃


 
【第3章 香料の道】
紀元前1000年以降、香料交易で賑わったオアシス都市の出土品。
それぞれの王国や地域ごとの展示と解説で、分かりやすうござります。 

《柱の台座または祭壇》タイマー出土 前5~前4世紀
メソポタミアやエジプトの図像表現が入りまじった浮彫。

《男性像》前4~前3世紀頃
大きいのぅ。ダーダーン王国の王族たちの像だとか。

お次はお2階じゃ。

《男性頭部》カルヤト・アルファーウ 前1~後2世紀頃
髪型も丸顔も可愛いぞよ。

古代アラビアの文字が彫られたものも色々ございます。

《アラム文字の刻された葬送ステラ》タイマー 前5~前4世紀頃
この顔も可愛い。今にも歩き出しそうじゃの。


 
【第4章 巡礼の道】
アラビア半島の2大聖地(マッカ、マディーナ)への巡礼をテーマにした展示。

アラビア文字はイスラーム世界に広まり、神の言葉であるコーランを美しく書くために、書の芸術が発達したのでございます。
美しい書体の墓碑もいろいろ展示されておりまする。 

《アブドゥッラーの息子アッバースの墓碑》マッカ 9世紀

ここからまた1階へ下りるのじゃ。

《カァバ神殿の扉》マッカ オスマン朝時代・1635または1636年
オスマン朝スルターンのムラト4世が寄進した扉で、1930年代まで使われていたそうな。
左に置かれておるのは、《燭台》マッカ オスマン朝時代・1540年


 
【第5章 王国への道】
イスラーム美術の装飾が施された工芸品や、サウジアラビア王国の初代国王・アブドゥルアジーズ王の遺品の展示。 

《花文扉》《幾何学文扉》など。

19世紀リヤドの儀礼用短剣。

アブドゥルアジーズ王の遺品で、上衣、刀、ハヤブサ用のとまり木と目隠しと狩猟用皮手袋。

アブドゥルアジーズ王のクルアーン(コーラン)とクルアーンの箱。

平日午前中でたいそう空いており、じっくり堪能できたぞよ。
会期は3月18日まで。東博へいらっしゃったらぜひご覧なさいまし。

(追記)会期は5月13日まで延長になりました。

表慶館の前にはアラビアの遊牧民テントが出現し、アラビックコーヒーとナツメヤシを振舞ってくださります。(2月4日まで。各日先着1000名)

テントの中には、伝統衣装や民具なども展示されておるのじゃ。

アラビックコーヒーは、浅煎りコーヒー豆をカルダモンなどの香辛料と共に煮出したもので、コーヒーだと言われなければ分からぬくらいコーヒーの存在感は薄うござりますが、スパイシーな風味がクセになりまする。
家でも作ってみようかの。

ナツメヤシ(デーツ)は、わたくしの故郷の古代エジプトでも食され、かのクレオパトラも召し上がっておったのじゃ。
勿論わたくしも大好きで、家でも毎日食べておりまする。
これ、全部食べてもよいですかぁぁぁ?(ばきっ)

ちなみにナツメヤシとナツメは別物ぞ。
家では両方とも食べておるがの。 
ごちそうさまでござりました。

2月4日までに東博へいらっしゃったら、こちらもぜひお立ち寄りなさいまし。

この後はトビカンへ行ったのじゃが、長くなりますゆえまた後日。