ウェネトさまの館

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マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界(目黒区美術館)

2021年06月13日 20時20分31秒 | 展覧会・美術関連

前回の日記の続きでございます。

この日の午後は、目黒区美術館「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」を観ましたのじゃ。
https://mmat.jp/exhibition/archive/2021/20210421-356.html


 
マニュエル・ブルケールとな?全く聞き覚えありませぬが、そんな作家がおったのかの?
と思うたら、ブルケールはパリの耳鼻咽喉科の医師で、1930~1960年代にかけ、美しい版画本を愛書家のために限定出版したんですと。

ブルケールがどんな人物だったかは殆ど知られておらぬそうじゃが、画家たちや文学者たちと交流があり、かような素晴らしい版画本を限定出版できたのじゃな。

版画本は画家ごとに特集され、その画家を礼賛する内容になっておりまする。
本展では、目黒区美術館所蔵の49冊に収録された、約500点が展示されておるのじゃ。

デュフィ、ボナール、シャガール、ユトリロ、ドランといった有名どころから、あまり名の知られておらぬ作家まで。
わたくしの好きな長谷川潔があるのも嬉しいのじゃった。

展示室の写真撮影は不可なれど、2階ロビーに展示の《ラウル・デュフィ礼賛》とプレス機は写真撮影可。
展示の殆どは、《ラウル・デュフィ礼賛》のように、本の表紙と中に収録された版画(作家によって5点から15点)というもの。
アクリルの反射でかなり見辛うござりますが、こんな感じでございます。

・《ラウル・デュフィ礼賛》1931 32.4×25.3
ラウル・デュフィ画/フェルナン・フルーレ著 リトグラフ、エッチング/紙


 
表紙


 
[1]F.フルーレの肖像


 
[2]クロード・ロランへのオマージュ


 
[3]大浴女


 
[4]モーツァルト


 
[5]海


 

このデュフィも含めて49名、作風も様々じゃが、いずれも「麗しき版画本の世界」なるお題通りじゃ。
気になった作品から10の本を、リスト順に記しておくぞよ。

・《ピエール・ボナール礼賛》1946
ピエール・ボナール画/レオン・ウェルス著 リトグラフ/紙
収録された版画は10点 

・《馬の日記》1952
マルク・シャガール画/クレール・ゴル著 リトグラフ・エッチング/紙
収録された版画は全て無題

・《ルイーズ・エルヴュー礼賛》1953
ルイーズ=ジャンヌ=エメ・エルヴュー画/クロード・ロジェ=マルクス著 リトグラフ/紙
収録された版画は11点

・《モーリス・ブリアンション礼賛》1955
モーリス・ブリアンション画/クロード・ロジェ=マルクス著 リトグラフ/紙
収蔵された版画は7点

・《モーリス・ユトリロ礼賛》1956
モーリス・ユトリロ画/ルネ・ウィリー著 リトグラフ/紙
収録された版画は7点

・《クラーヴェ礼賛》1958
アントニ・クラーヴェ画/ピエール・オズナ著 リトグラフ/紙
収録された版画は7点

・《カヴァイエス礼賛》1958
ジャン=ジュール=ルイ・カヴァイエス画/ジャン・カスー著 リトグラフ/紙
収録された版画は7点

・《ドラン礼賛》1958
アンドレ・ドラン画/マルク・サンドズ著 リトグラフ/紙
収録された版画は8点

・《エミール・ベルナール礼賛》1962
エミール・ベルナール画/ルイ・オートクール著 木版・リトグラフ/紙
収録された版画は11点。[6.洗濯女たち]は本展のメインビジュアル。

・《長谷川潔の肖像》1963
長谷川潔 画/ロベール・レイ著 序文:トリスタン・クリングソール著
エングレーヴィング、ドライポイント、メゾチント/紙
収録された版画は10点

2階ホールの、写真撮影可のプレス機も載せておきまする。


 
・石版画(リトグラフ)用プレス機


 
・銅版画用プレス機


 

作品は勿論、マニュエル・ブルケールについても興味深く、観応えござりました。
会期は6月20日まで。
本来は6月6日までだったのじゃが延長され、観る事ができて良うござりました。
ご興味ある方はぜひ。

★本の話
若竹七海の女探偵・葉村晶シリーズ、6冊一気読みしたのでございます。


 
最初20代だった女探偵も40代になっておるが、刺されたり監禁されたり骨折したりなどなど、いつもけっこう満身創痍よのぅ。
面白くてどんどん読むも、最後の「錆びた滑車」は読んでてちょっとしんどい気分に。
でもシリーズ引き続き読みますぞ。