ここ数日、お供のEの体調悪くどこにも行けておらぬゆえ、書きそびれた展覧会からひとつ書きまする。
パナソニック汐留ミュージアム「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス」
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180428/index.html
キュビスムと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ジョルジュ・ブラックでございます。
ブラックは「目で見るだけでなく、触れるものも作りたい。」と、絵具に土や金属など混ぜたりして絵を描きましたのじゃ。
そんなブラックが最晩年の3年間に取り組んだ「メタモルフォーシス」シリーズ、本展では約100点が展示されてございます。
平面のモチーフが様々な立体作品に変容しておるのが興味深く、鳥のモチーフが多いのも嬉しいのぅ。
ジュエリーを観るの初めてじゃったが、これまで観ていたブラックの絵画より好みじゃ。
構成は以下の通り。お気に入りや気になった作品も挙げておきまする。
【序章】
絵画3点。
《モンソー公園》は、18歳の頃に描いた小さなグワッシュ画で、現存するブラックの最初の作品とか。
《楽譜のある静物》は、40代の頃の油彩で、ザラザラした部分は絵具に砂が混ぜられております。
【第1章:メタモルフォーシス 平面】
最晩年の3年間に取り組んだ「メタモルフォーシス」の根幹の平面作品。
最初に並ぶ9点のグワッシュ画が、この後の様々な立体作品の下絵になったのじゃ。
《青い鳥、ピカソへのオマージュ》は、ブラックの絶筆とされる作品。
その後にリトグラフが続きまする。
《不死鳥》の可愛さがたいそうツボ。購入したポストカードのお写真。
リトグラフでは《エロスとプシュケ》《メディアの馬車》《ペリアスとネレウス》などもお気に入りでありました。
【第2章:メタモルフォーシス 陶磁器】
第1章のモチーフが、ロレーヌ地方のロンウィー窯などで、お皿や壷などの陶磁器に変容。
《ヘカテ》のお皿は、金色に映える深い青色がとても美しい。
《メガレートール》は、陶器の鳥に金箔を貼り、青いカンヴァスボードで額装。
【第3章:メタモルフォーシス ジュエリー】
圧巻の第3章。目の保養でございます。
ブラックがジュエリークリエイターのエゲル・ド・ルレンフェルドと出会い、協働して作られたジュエリーが約30点。
《三つの恩恵(三美神)》金、ダイヤモンド
3羽の鳥のデザインがたいそうツボ。レプリカを販売してくださらぬかのぅ。
ポストカードのお写真をば。
《ヘルメス》と《メディアの馬車》は、お気に入りの金のブローチ。
《カライスとゼーテス》
2羽の鳥ネックレス。鳥もチェーンも素敵。ポスターのお写真をば。
【第4章:メタモルフォーシス 彫刻】
ジュエリーにもみられるモチーフが彫刻にも。
《メディアの馬車》は、金色の馬車に黒い馬のブロンズ像。
《グラウコス》は魚のブロンズ像で、上半身はアメジストの原石キラキラ、下半身は金色の質感を違えておる。
ドーム工房ガラス製作所によるガラス彫刻は、ブラックの没後44年に意思を汲んで17点制作されたうちの3点だそうな。
【第5章:メタモルフォーシス 室内装飾】
モチーフは、装飾パネルやモザイクやタピスリーなど室内装飾にも。
ジェマイユという技法で作られたステンドグラス2点は、宝石の如き輝きでガラスとは思えませぬ。
装飾パネル2点は金属にしか見えませぬが、木を加工して作られておるそうな。
会場デザインも素敵でありました。
序章は赤い壁、第1章は白い壁、そして第3章からは真っ黒な空間で、黒い床に鳥が飛び交う映像が映し出されたり。
最後に、ブラック氏と記念撮影できるコーナー。
行った日は、先着200名にポストカードプレゼント。ありがとうござりまする。
ポストカードプレゼントは、6月11日にもございます。
会場の外では、「ジョルジュ・ブラック メタモルフォーシス 最後の挑戦」なる約12分の映像も流れておりました。
会期は6月24日まで。ご興味ある方はぜひ。
リビングショウルーム1階リフォームパークには、連動企画でブラックのポスターやポストカードが飾られ、照明の違いによる見え方の違いが体験できまする。